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義腕の王  作者: リョウゴ
四章・非凡な少年と鋼色の牙
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月明かりを放つ風 1

「そうだ、秋君。」


「なんでしょうか?」


「今日、神社に来なさい?ちょっと本人をつれてかなくちゃいけないからね。」


 どうやら、協会に顔を出せということらしい。多分そうだ。多分。


「んじゃ。」


 そういって自分の席へと戻っていく咲さん。


「……そう言えばアキ君、咲ちゃんとなんかあった?呼び方変えたみたいだけど。」


「特に何もないよ。」


「……そう。!!じゃあ私のことを名前で呼んでよ。し の は ら さん、じゃなくて日舞って。」


 篠原さんはずずいっと前のめりになってそう言ってくる。その勢いに、少々俺は仰け反った。


「えー…まあ良いけど。」


「じゃあ今呼んですぐ呼んで早く」


「いや少し静かにしろよ篠原さんよ、もうすぐ授業始まんぞ。」


 横から割って入ってきたのは野中だ。その行動に、篠原さ…日舞さんは、ぶーとかむぅとか言ってむくれていた。少しかわいいと思った。








 放課後、言われたとおり神社に来ていた。


「……………。」


「よし、来たわね。んじゃ行くわよ。…菊川さん報告書は確かに預かったわよ。」


 そこには一年後輩の菊川さんが何故かいた。


 彼女は不機嫌だという表情をしており、発言にもその機嫌が現れていた。


「正直、あんた経由は危険なんだけどね。名前知れ渡ってるし。出来れば知名度のない奴を改めて寄越してくれないか言っといて。」


 というか、何の話だろうか?


「あー、わかった、そのことは上に言っておく。あと高校の先輩に向かってあんたって言うなっての。礼儀をしっかりしなさい。」


 咲さんがそういうと菊川さんは踵を返した。


「あんまり長居すると教皇ぽい奴に疑われちゃうから帰るわ。」


 そして菊川さんは見えなくなった。


「さてと、行きますか。」


「どこへ?」


「協会よ、当たり前じゃない。新人なのだから顔くらい出しておかないとね。」


 何となく察してはいたがやはり協会へ行くのか。


 咲さんはどこから出したのか、銀色の鍵を翳す。


 するとその正面に扉が現れる。すぐに咲さんはその向こう側へ言ってしまう。


「なにぼけっとしてるの?早く言くわよ。」


 咲さんはそう、向こう側から声をかけてきた。








 扉の向こう側は、廊下だった。一本道。


 その突き当たりの大きな扉の先に広場はあった。


 見た目は、あれだ。某狩猟ゲームのギルドみたいな感じかなあ。だが広い。ちょっとした体育館並みに広い。


 協会はそこそこ人がいるが、その間をずかずかと進んで行く咲さん。気のせいかもしれないが、他の人が避けてる気がする。


 その咲さんの通った後の微妙な隙間を縫うように移動する。


 すると、受付という看板がかかったカウンターの所にたどり着く。


「やぁやぁさっちゃん。かれしづれかなー?」


「いや、前にも言ったと思うけど彼氏は別にいますってさ。」


 ………!?!?!?…彼氏が……いる………だと…!?


「そうだっけぇー?」


「そうよ。去年の暮れ位に言ったじゃない。」


「んー、そうだったかもねぇ。」


「そうだったのよ。」


「あー、じゃ、この子だれさー?」


「新人。」


「そうかー、しんじんっていうとあのうわさの?」


「多分その噂の。あとこれ、竜使の依頼途中報告だと。」


「たしかにうけとった。にしてもあのこ、よくもまあこんなだるっこいいらいうけたなぁ。」


「あー、それは分かる気がする。なんで報酬が苦いうちに受けちゃうんかな。」


『全く、近頃の魔導師は利益しか見てないんですかねぇ、ご主人?』


「まぁ、いいじゃない。」


「それと、連絡員をよこせだと。私じゃ知名度高すぎだって。」


「んー、わかった!」


『ご主人?おーい、聞いてますかー?』


 ちゃんと聞いてるわ!平常平常。


「しんじん、せっかくきたんだ、いらいうけてけ。いいのあるぞ。」


「あ、はい。じゃあ、どう言うのがあるのか見せてください。」


 ……まあ、いらいってなんだというのは置いといて。

 言ってはなんだが、俺は説明書を読まない人間だ。


『自分で言ってどうする。』


 受付嬢から幾つか依頼を見せてもらった。


 ついでに説明ももらった。


 取り敢えず依頼というのは、外部からも内部からも寄せられるらしい。数は割とある。


 依頼は難易度を区切ってはいるが、別に難易度ごとには挑戦制限はない。


 魔導師自体にもランクがあり、最初はFから始まりAまで上昇するとそこからSに成り最大はSSSである。ランクごとに人数制限があるのはSSSのみ。基本降格はなし。不祥事を起こせば降格、除名。実際ストーカーは除名された。


 ランクは依頼を受けて上げる。


 依頼はランク上昇用 P(ポイント)報酬と金銭報酬が出る。



 このくらいだろうか。


 そして俺はとある依頼に目をつけた。


【妖刀回収】という依頼だ。


「これ、良いですか?」


「まー、ふつうのしんじんさんならまちがいなくだめといいますけど、さっちゃんとしてはどうです?」


「平気じゃない?」


「じゃあ、いいですよ?」


 それは咲さんを信頼し過ぎではなかろうか?とは思うが、OKならいいかと、その【妖刀回収】を請けた。

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