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義腕の王  作者: リョウゴ
三章・果たし状と体育祭
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人狼と体育祭 1

『と言うわけでやってきました体育祭!実況は私放送部部長の渡瀬(わたらせ)彩美(あみ)と!!』

『副部長の長谷部(はせべ)達太(たつた)です!本日は精一杯実況をします!』


 手短に、開会式が終わり、各競技の準備に慌ただしく動く人もいるし、応援するための旗をわざわざ作った人達が、前のめりに応援の用意をしているのも見える。


 実況は毎年放送部がしている。色々な曲をかけて、状況を口で伝える仕事だ。ちなみに、部長は女で、副部長は男である。名前で分かるか。


『いやー、今年はどのクラスが優勝しますかねー?』

『まあ、我が高校はクラス対抗ですからねー。3つの学年がクラスで分けられているわけで、どこが優勝とか言われると…うーん、やはり──────』


 まあ、うちのクラスだと前日までの全力ぶりから力尽きてるのではと、心配しなくもなかったが。


「うーん。なんか気分がいいわー。サイコーだあ。」

「なんか足痛いけど気のせいだよね。そーだよね。」


 まあ、大丈夫だろう。………大丈夫か?やせ我慢だろそれ?


「鐘本ー。お前次の競技出るだろ?早く行って準備しとけよー。」


「へいへい。分かったよ。」


 俺は、次の競技の準備をした。




 曇りと晴れの中間位の空模様、体育祭の開会式が終わってからしばらくして、銀髪の女性が高校のグラウンドに顔を出していた。頭にはベレー帽のような帽子を被り、ロングなスカートを履き、完全防備であった。


「いやぁ、全く、昨日は酷い目にあったなァ。」


「私も、日舞ちゃんがあんな暴走するとは思わなかったわよ。」


「あぁ、あの女、ひまって言うのか。」


「篠原日舞っていうの。こう書くの。」


 横からやってきた誰かが、その辺に落ちていた木の枝で綺麗に地面に名前を書く。


「へぇ、珍しい名ま……え……!!」


 その誰かを認識した瞬間、銀髪の女性が背を向けて逃げようとするが、それに反応した、誰か、がその肩をつかむ。


「き、昨日はごめん。可愛いのを見るとつい、流石に今はやらないから安心して?」


 今はやらない……今は……だろう。


「え、か、可愛い?」


 どうやら銀髪の女性は可愛いに反応したようである。


「うん。いいよねそう言う服装。似合ってるよぉ。」


「そ、そうかな?やっぱり?ストーカーいなくなったから安心して外出られるようになったし、機能性を、無視した服装出来るようになったからお洒落してみようと思ってしたけど、似合ってる……かあ……。」


「というか、サーシャ、何で来たの?冷やかしなら残念でしたね。私は運動出来ますからね。」


「ああ、うん。ただ、私が体験できなかった行事を眺めに来ただけだ、よ。」


 ─この耳とかのせいで高校通ってもアレだからってな。


「……………そ、れじゃあ!クラスの所で一緒に見ましょ!楽しいですよ!うちのクラス!」


「あ、りがとう。」





「にしても、さっきの競技はどうしてああなったのやら。」


 俺が出る数少ない競技のうち2つ目を消化し、クラスの所に帰ってくると、見たことある銀髪が篠原さんや村上さんと一緒にそこにいた。


 ………何でいるんだよ!?


 見れば他のクラスメイトも一緒に競技観戦している。楽しそうに談笑しつつ。いやおかしくないか?その人外見高校生だけどうちの高校生徒じゃ無いんだぞ?私服だし。


 …なんか邪魔するのも悪いな。


 俺は少しだけ離れたところで競技を観戦するのだった。



 昼前のラスト競技。部活対抗リレー!


 まあ、ガチ走りとパフォーマンス有るけど、俺帰宅部だし、興味ないな。


「────オカルト研究部は学校の不思議話を調べていまーす。何かあったら我が部までー。────」


 なんて言うのもあったし。


「フフフ、我が部!デ部に入部希望者を───」

「ホームラン打ちます!えいや!……あーっ!」

「このドリブル!凄いだろ!え?すごくない?」

「マンガ研究部!うちの部にはこんなもんが─」


 などなど………こいつ等大丈夫か?いろいろと。


 因みに野球のアピールで、硝子が何枚も割れたらしい。


『───午前の競技はここで終了です。現在集計中の得点の中間発表は昼休み中に行います!現在集計中の───。』







「いや、何でここまで部外者(サーシャ)が入り込んでるんだよ!?」


「まあまあ、秋。美人だし、良いじゃないか。」


 久しぶりに出てきた感がする野中の発言はスルーだ。


 昼飯は教室においておいた弁当などで済ます。グラウンドに持って行けばあったかくて駄目になるかもだし、学食は開いてないし。学食のおばちゃんが風邪を引いたらしい。全員。そしてグラウンドで観戦する姿を確認もされたらしい。たまには休みたかったのかね?


「い、いや、コイツらが無理やりに………。」


 うつむきつつ、銀髪の女は言う。


 弁当を食べに教室に来たら、部外者がいた。別に怒っちゃいないが、驚いただけだ。


「サーシャさんは帰らせません!」


 女生徒が腕を組み、引く。確かこの人は…。


「池田さん、別に帰らせようとしてる訳じゃないから、別に他の人がいいなら良いし。」


 取り敢えず、周りが良しとするならいいだろ。


 まあ、周りに反対者なんていなかった。当たり前かな?



ピンポンパンポーーン

「ん、そろそろだったな。中間発表」


「気になりますねェ。」


 誰かがそう会話する。


『今現在の一位から発表しますね!うあははははははは!デン!!』


 謎なドラムロールだな。吹きそうになったわ!


『六組です。』


 どこからか歓声が上がる。よく聞こえるわ。


『二位!ういひひひひひひひひひひひ!デデン!五組!』


 だからドラムロール!!


『三位は!ううふふふふふふふふふふふ!デデデン!三組ぃー!』


 瞬間耳が壊れるんじゃないかってくらいの大声が上がるクラス。ちなみにサーシャさんは一瞬気絶したようにも見えた。こええ。


『────という順位ですが、どのクラスもあまり大差というのが付いておらず、実況、驚きを隠せません!これなら最下位が一位を食い破るような大番狂わせも起こるかもしれません!以上放送部の影の部長、渡瀬彩美でした!』


 いや、あんた影も何も、部長だろ。



「じゃあ!午後もがんばりましょう!」


「「「「おおおー!」」」」


 クラスに馴染んだ転校生の音頭で午後が始まるのだった。

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