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義腕の王  作者: リョウゴ
三章・果たし状と体育祭
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協会勧誘 2

「つか、どこ消えたんだ?あの二人。」


「私に聞かないでくださいよぉ…。」


 考えても無駄だろうし、考えないようにする。それよりも、なんか右耳に違和感があるんだよな……


「どうしたんですか?右耳なんかいじって。」


「いや。なんか違和感するだけ。多分大丈夫。」


「そうですか……。」


 俺達はとりあえずのんびりしていた。





 私としてはあまりしたくないことだ。


 ここは村上咲がよく使う、林の中の空間である。ここには木があまり生えておらず、広々としている。木が生えていないのは、村上咲が時たま、魔法を試すのに利用していることとはあまり関係していない、かもしれない。


 その場所で、私は友人を問い詰める。


「………どうして、アキ君を危険な目に遭わせたの?」


「いや、あの子がどんな強さか知らなかったし、そんな手荒な」


 …いい加減なことを言うので割り込んで発言する。


「私に嘘、ついても無駄だよ?」


 私の能力について一緒に考察した彼女に分からないはずがない。私には嘘かどうか、区別できることくらいは。


 村上は観念したのか、語る。


「……篠ちゃん。はっきり言うとね。」

「まあ、私はあの子の実力も」

「あの子の手口も」

「あの子の師匠から聞いてるの。」

「あの子の初仕事」

「邪魔したくなかったのよ」


「まだ。何か隠してるよね。」


 それに対して、村上は。


「これを聞いても、不快になるだけだと思うよ?とくに篠ちゃんは。」


 …正直、ちらほらと見えるそれなのかはわからないが、それらしいのが見える。


「………。」


「…………実力を試すべきだと思ったのよ。あいつ、鐘本の。」


「試す……ねぇ。」


「まあ、どういった手口を使うのかは知ってたし、危険はないと思ったのよ。」


「…………。」


 彼女から嘘の気配はしない。


「何でそんな目に遭うことになったのかは分かったわ………。」


「そう………。」


「でもさぁ、結局アキ君は死にかけたみたいだよね。」


「………篠ちゃん?」


「ああ、そう言えば私、この能力の戦闘系の技を対人で試した事無かったなあ。」


「いやちょっとまってそれは洒落にならないわ。」


「いやぁ今試そうって訳じゃないよ。」


「今度、危険な目にあったら………実験台だよ。」


「実験台は………………嫌だわ。でも、そんなこと言われても、責任者は私じゃないわ。それに可能な限り守るわ。だから例え私のせいで彼が死んだとしても」

「本当は分かってるから。咲ちゃん脅しても無駄なのは分かってる。」


「……話変えて悪いけど、どうしてそこまで彼を危険な目に合わせないようにしたいの?流石に人脅してまでそうしたい理由でもあるの?」


「え…………と、それは───────────」








 のんびり二人が戻って来るのを待っている───戻ってくる保証はないが──と、二人が戻ってきた。


「あ、先輩方お帰りなさい。話は終わりましたか?」


 というか、なんか微妙な空気な二人。つかこっちを見ない篠原さん。どうして目を合わせようとはしないのか。


「あぁ、うん。一応ね。」


 菊川さんに対して言葉を返す篠原さん。


「どうしたものかなぁ…………。」


「なにが?」


 村上さんが聞いてくる。


「協会の何が良いのか分からないんだよね…勧誘とかいいつつ全く紹介してくれなかったからね。」


 その言葉に若干一人反応したが、村上さんが答える。


「そんなの、協会が後ろにつくだけよ。一応する気になれば協会内で情報交換とか出来るけど。」


「あれ?それだけ?」


 それに対して、菊川さんが答える。


「まあ、役職就いてない人はそんな感じですね。就いてる人はまた別に色々協会がしてくれますけど。」


「仕事って何だ?」


 ここで色々疑問をぶつけてみる。


「まあ、ゲームのギルドクエストみたいなものだよ。誰々を捕獲しろとか討伐しろとか、色々あって、そうそう。教育係みたいなものも有りましたね。」


「へー」


 流石、勧誘専門。


「まあ、他のところも同じようなものでしょう。あまり接触しませんけどそんな話は聞きますね。」


 違いってそんなに無いもんなのか。じゃあ、どこ入っても良さげだな。


「そうなのか。まあ、どうせしばらくはフリーでいるつもりだし、どこに入るか決めるときの参考にしようと思ったんだけど、差がないのか、そうなのか。」


「あぁ!いいや、差なら沢山有ります!まず協会が後ろにつくって言いましたが、術式を教えてもらえたり紙に書いてある術式を買えたりします。」


「高い?」


「それは、人に寄りますね嫌いな人には値段つり上げたりしますよ。まあ、紙に術式書くだけなので殆ど技術料ですけど。」


「へー。」


 どうせどこでも似たようなことをしてるんだろ。とは思わなくもなかったが、口には出さない。


 まあ、決まらないなら俺は一番身近なところを選ぶのでこの後輩の心配は特に意味ない杞憂なものに変わる可能性でかいが。



「そういや、別に昨日の戦闘でピンチになったら覚醒するとか何もなかったな。元々、右腕がよくあるチートみたいなものだけど。」


『いえいえ、私もちゃんと努力して………あれ?してませんねええ。ん?あれ?おっかしいな?努力して色々出来るようになったわけでは……なかった……?』


 うーん、物語では定番だよな。負け掛けたら覚醒するとか。まあ、あまり俺はそういうのがすきなわけでもない。努力しないで手に入れた力が良いものである訳じゃない事があるしな。…義腕はしっかりと使わせてもらう。無料(ただ)だしな。


「物語じゃ有るまいしそんなこと有るはず無いじゃないですか」


「そうだよアキ君、覚醒とかナニイッテンダコイツみたいな反応しそうになったじゃない。」


 菊川さんと篠原さんを駅前まで送る。つか去年はそもそも女子と移動することなんてなかったのに今年に入ってから神社から駅まで女子送るようになったなあ、別に良かったとかは思わないが。

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