激痛の休日 2
「で、私を呼んだわけか。」
「いやぁ、知り合いの中で俺の家を知っていて、家が近く、さらにこの休日にいつも暇そうな人が音姉さんくらいしかいなかったんだよ。」
俺の部屋で回転椅子に足を組んで腰掛けて、不機嫌なオーラを全身で醸し出している、赤ジャージ姿の女性が、全身筋肉痛で困った俺が呼んだ助っ人であるお隣さんの大学一年生音姉さんこと、葉坂 音波である。
「というか、私はお前の世話をさせるために呼んだのかよ。」
…すいませんでした。
『口に出さないと私以外には伝わりませんよー?』
わかって……よく考えたら通じちゃってるの?離れてますけど伝わっちゃってんのかよ。
「……で、何すればいいの?」
と、音姉さんは、こちらを向かずに言う。
……え、やってくれるの?正直ダメもとだったんですけど。
「……そのために呼んだんでしょ?早く何してほしいか言えよ。出来る範囲でするから」
「じゃあ、ご飯、作ってもらえないでしょうか。」
今は13時、昼過ぎである。
『いやあ、野中さんやらが来るのかと思っていたですけど、まさかの突然の新キャラですかー。へー。』
誰に向かって言ってんだよ。いいじゃないか、唐突に出てくる新キャラ。まだ始まったばかりだし。
と、何に対してかわからない弁明をしている今。俺は音姉さんに一階まで引きずられてソファに座らせられていた。義腕は装備済み。
「取りあえず、夕御飯の分、ここに置いておくから。私もう帰るね。」
「ありがとう、昼飯美味しかったよ。」
「……どうも。…お邪魔しましたー。」
音姉さんはこの家で、昼御飯を作り、俺を一階へ引きずって連れて行き、何故か頼んでないのに掃除(何故か鼻歌しつつ)して、果てに夕御飯を作ってくれた。
『何か美味しそうでしたね。』
美味しそう、なんじゃない。美味しいんだよ!
『あーはいはい。良かったですねー。』
ほんと、あの人万能だよなあ、何で彼氏いないんでしょうね。
『どうでも良い情報をありがとう。』
なんと、ゴールデンウイークが終わるまで筋肉痛で動けなかった!!
寝ているだけでゴールデンウイークを過ごしてしまったが、問題が一つだけあった。
課題、である。
まあ、この問題、義腕にぶん投げたんだが。
『任せといてくださいご主人!!!必ずや終わらせて見せましょう!』
なんて言い、登校するまでに器用に書き終わらせていた。卑怯かもしれないが仕方なし、というかすげえな、義腕なのに。
まあ、提出した中身が間違いだらけだったのだが。




