第3話:2人だけの遊び?
昼ごはんを食べてたら、外から僕を呼ぶ声が聞こえてきた。
「アルトくーん、あそぼー!」
「あ、ユノちゃん! ごはんたべたらすぐいくよー! いつものところでまっててー! いいよね! おとうさん、おかあさん」
「ああ、いいぞ、行ってきなさい」
「そうね、でもちゃんとお母さんとの約束は守るのよ?」
「うん! ゆうひがみえたらかえること、もりにはいかないこと、だよね。いってきまーす!」
「はーい、行ってらっしゃい」
ハール村には僕とユノちゃんしか子どもがいない、だからこうして一緒に遊ぶのが毎日の楽しみになっている。
「アルト! 今日も遊びに行くのかい、気をつけてなー」
「アルト君、今日も元気ね~」
「こんにちわ、アルト君」
「怪我するなよ~」
村の人たちもお昼の仕事を始めたみたいだ。
「こんにちわ! いってきまーす!」
手を振りながらユノちゃんとの待ち合わせ場所へ急ぐ。待ち合わせ場所の村の入り口にいたユノちゃんは、僕を見つけると笑顔で手を振ってくる。
「アルトくんこんにちわー!」
「こんにちわユノちゃん。きょうはどこいこっか」
「きょうもあのおかにいこうよ!」
「そうだね、いこー!」
村から500mくらい離れた所にある丘は、滅多に魔物も出てこないので2人の絶好の遊び場だ。たまにスライムとかがいるけど、変に攻撃しなきゃ大丈夫。
「よし、じゃあきょうそうだね!」
そう言って僕は走り出す。
「あっ、ずるいよアルトくん! まってー!」
丘に着くころには2人とも汗だくになっていた。
「はぁ、はぁ……ぼくのかち~」
「だって……きゅうにはしりだすんだもん、かなわないよ~」
「ごめんごめん」
「もういい! きょうもれんしゅうするよ!」
「はいよ~」
「じゃあわたしからね! 『ウインド』」
練習とはこの<魔法>のことだ、ユノちゃんは魔法が得意みたいで今も『ウインド』で強風が巻き起こっている。ちなみに僕はというと、
「じゃあぼくのばんだね……『ウインド』」
……何も起きない
「……またしっぱいだね」
「そ、そんなことないよ……もういっかい、『ウインド』」
「…………」
「うう……」
見ての通り、魔法は全然使えない、他の『ファイア』や『ウォーター』も失敗してしまう、ユノちゃんは『ファイアボール』と『アクアボール』を同時に出してお手玉みたいにして遊び始めている……才能って怖いなと思う。
ユノちゃんのウォーターボールに追い掛け回されたりしていたら、随分時間がたってしまっていた、日がもう落ちかけている。
「たいへんだ! いそいでかえらないとおかあさんにおこられちゃう!」
「ほんとだ、いそがないとよるになっちゃう!」
僕たちは急いで村に帰る。
「アルトくんまたあした~」
「またね~」
ユノちゃんとお別れして家に帰るとやっぱりお母さんが心配してた様で、
「アルト、怪我は無い? もう少し早く帰ってこないと心配するでしょ?」
「ごめんなさいおかあさん、でもけがはないよ!」
「そう、それはよかった、今日はユノちゃんと何をしたの?」
「まほうのれんしゅうだよ、でもぼくはぜんぜんまほうができないんだ」
「まだ6歳だもの、使えなくて当たり前よ心配要らないわ」
「ユノちゃんはまほうつかえるよ? すっごくじょうずなんだ!」
「まぁ! ユノちゃんは魔法の才能があるのね、でもアルト、アルトにもきっと何かの才能がある、諦めちゃダメよ」
「うん……」
「さあご飯にしましょう、お父さんも待ってるわ」
「はーい」
お父さんにも今日のことを話すと笑いながら「心配ない、父さんだってお前くらいのころは魔法なんてこれっぽっちも使えなかったんだからな」と言って励ましてくれた。
――――そうだよね、大きくなったら使えるようになるよね
そんなことを考えながらベッドに潜り込むと、今日の疲れかすぐに眠くなっていった。




