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決着

 勇者の祝福により俺は即死は免れた。

 満身創痍なのは自分自身が一番よくわかっているはずなのだが、不思議と身体はまだ動く。


 こんな時、撤退も一つの選択肢だろう。生きる為に、死んだら終わりのこの世界では常識だからだ。


 だが今の俺は、逃げ出すどころか立ち向かおうとしている。

 レベル上げとかそんなんじゃない。もっとも根本的な要素。怒りの方が勝ったからだ。

 あいつは、ミノタウルスは俺が穴だと最初から思っていた。

 だから始めから攻撃を俺に絞っていた。

 確かにリリスは強い。それは認めてやる。

 だが、鑑定スキルもない半牛のお前に俺が穴だと思われた。それが何より屈辱だ。



 吹き飛ばされた時に落とした鋼の斧を再び拾い上げ、握り込んだ手に力を込める。

 全身全霊の一撃をヤツに食らわして、死んで後悔させてやるよ。


 向こうでヤツが今度こそ俺を葬り去ろうと力を溜めているのがよく分かる。


「来い。 次が最後だ」


「グモモモモモォォォォォッッッッ!!!」


 [[ 闘牛の疾風 ]]

 ズバァァァッッ!!

 再び俺を目がけて超高速突進が飛んでくる。


 そうだよな。一撃で俺を殺せなかったのはお前も悔しかったんだろ。だから同じ攻撃がくると思っていた。


 リリィが俺の横で必死に何かを言っているが上手く聞き取れない。

 おそらく鼓膜が破れたのが原因だろう。

 後で説教ならいくらでも聞く。

 だから、この一撃だけは


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

「グモォォォォォォォォォッ!!!」





 ズバァァァァァ!!






 ドォォォ……ォ……ォ……ン














 煙が舞う中、辺りは静寂に包まれていた。

 それは同時にこの闘いの終わりを告げた。






「はぁ……はぁ」




 後ろを見ると胴体から真っ二つになったミノタウルスが転がっていた。

 闘牛の疾風が当たるよりも先にアルトの攻撃が胴体を切断したのだ。


 圧倒的な加速が仇となったな。

 俺の攻撃力アップ(中)に、更にお前の体重と超加速が加わるんだ。

 いくら鋼の肉体のお前でもこうなると思ったぞ。

ぎりぎりの闘いを制した。緊張が解けたのか全身の力が抜けていくのが分かる。

膝をつき、握った斧もその場に落とす


「やったぞ……ミノタウルスを倒したぞ」


その場で大の字になり、俺は倒した事に喜びをかみしめた。



良かったなと思った方はブックマークを付けて頂けると本当に嬉しいです。


出来るだけ毎日とはいきませんが頻繁に更新してますのでグッドボタンも宜しくお願い致します!

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