エピローグ
扉をくぐり抜けた瞬間、全身がやわらかな光とあたたかい風に包まれた。
「うわぁ」
思わず声が漏れ出た。
目の前に広がっていたのは、見渡す限りの澄み渡った青空と、やさしい緑の丘。遠くには、見たこともないのにどこか懐かしい、温かみのある街並みが広がっている。
過労死するまで見上げていた、あの大都会の狭くて重苦しい灰色の空じゃない。
息を吸い込むと、胸の奥までスーッと通り抜けるような、どこまでも清々しい空気。
足元を見ると、もう体は透けていなかった。
光の粒は消え、しっかりと大地を踏みしめている。
「私⋯⋯本当に、新しい世界に来たんだ⋯⋯」
胸ポケットに手をやると、さっき刹那さんが手渡してくれた『迷子にならないお守り』が、コロンと掌に収まった。
それを見つめると、自然と笑みがこぼれてくる。
「よしっ」
両頬をポンと叩いて、前を見つめる。
悲しいお別れじゃなかった。
過労死して止まってしまった私の時間は、刹那さんや明子さん、ルーク社長のおかげで、またこうして未来に向かって動き出したんだ。
風が頬を優しく撫でていく。
ルーク社長の微笑み、刹那さんの泣き顔、明子さんのあつあつのパングラタン。みんなの温かい想いを胸いっぱいに詰め込んで、私は新しい世界へと一歩をふみ出した!
おわり
最後までお読みいただきありがとうございました!
美鈴の新しい世界での活躍も、リクエストがあればまた書いてみたいと思っています!
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