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ありがとう
片付けが終わった、最後に残した写真
「もうすぐだな」
「そうですねぇ、一杯話す事がありますね」
二人はベットに横になり、お互いを見つめあった
そして、どちらともなく
「今まで、ありがとう」
「今まで、ありがとうございました」
微笑みをうかべ、瞼を閉じた
まどろむ意識
「さあ、約束の時間です」
目を開けようとするが、開けることが出来ない
ふゎぁっと意識がとび
体から浮かび上がり、離れていく
隣には、驚いた顔をした妻がいた
ふわふわと、白いもやが現れ
「今まで、お疲れ様でした、こちらへおいで下さい」
二人は、この声に聞き覚えがあったが
どうしても、思い出せなかった
白いもやは、光る球になり、どんどん遠くなる
二人は、長い道をひたすら追いかける
「何処へ行くのかしら?」
「さあ何処だろうねえ、まあ、ついていくしかないよ」




