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帰り道、はなし話  作者: vastum


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「夏への扉」

「今日ちょっと寒くない?」


「さっきまで暖かかった」


「日が落ちたからかな」


「たぶん」


「それで思い出した本ある」


「文学クイズ?」


「うん」


「ヒントは?」


「どうぞ」


「未来」


「うん」


「ロボット」


「うん」


「あと」


「うん」


「時間」


「……」


「分かった?」


「夏への扉」


「正解」


「ハインライン」


「読んだ?」


「昔」


「猫出てくるやつ」


「そう」


「ドアを開けたがる」


「ねえ」


「なに」


「未来ってさ」


「うん」


「行ってみたい?」


「……どうだろう」


「どうだろう?」


「たぶん」


「うん」


「少しだけ」


「なんで?」


「戻れるなら」


「なるほど」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「今でいい」


「ほんと?」


「うん」


「なんで?」


「分からないから」


「未来が?」


「うん」


「今の方が楽」


「……それちょっと分かる」


「夏への扉もさ」


「うん」


「未来行くけど」


「うん」


「結局」


「うん」


「元の場所」


「なるほど」


「ねえ」


「なに」


「この帰り道」


「うん」


「未来でも歩くと思う?」


「……」


「考えてる?」


「うん」


「たぶん」


「うん」


「歩く」


「なんで?」


「帰り道だから」


「……」


「それ」


「うん」


「ちょっといい答え」


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