「アーサー王物語」
「そういえばさ」
「どうしたの」
「昼休みに変なこと思い出したんだよね」
「変なこと?」
「円卓」
「急に?」
「うん。円卓の騎士ってあるじゃん」
「ああ、アーサー王のやつ?」
「正解」
「クイズじゃなかったんだ」
「たまにはね」
「なんで急にそれ思い出したの」
「食堂の丸テーブル見てたらさ」
「それで円卓?」
「そう」
「発想がだいぶ飛んでる」
「でもさ、円卓ってちょっと面白くない?」
「どういう意味?」
「上下がない」
「上下?」
「席の偉さ」
「ああ」
「王様でも同じ位置」
「確かに」
「ねえ」
「なに?」
「もし円卓に座るとしたら」
「うん」
「どこ座る?」
「どこでも同じじゃない?」
「そうなんだけどさ」
「でも端っこがいい」
「丸いのに?」
「落ち着く」
「なるほど」
「そっちは?」
「私は多分」
「うん」
「少し離れた席」
「なんで?」
「全体見える」
「観察タイプだね」
「ちょっとだけ」
「騎士ってさ」
「うん」
「強いだけじゃないんだよね」
「そうそう」
「忠誠とか」
「名誉とか」
「結構大変」
「確かに」
「もしさ」
「なに?」
「この帰り道に騎士がいたらどうする?」
「まず驚く」
「それはそう」
「あと」
「うん」
「多分」
「多分?」
「道聞く」
「騎士に?」
「迷ってそう」
「確かに」
「鎧で歩くの大変そうだし」
「……」
「どうしたの」
「なんかさ」
「うん?」
「この帰り道って」
「なに」
「戦いないよね」
「当たり前」
「でもちょっと平和」
「それはそう」
「騎士の物語より」
「うん」
「静か」
「……」
「それ」
「うん」
「悪くない」




