「海底二万里」
「さっきさ」
「うん?」
「川見てたら思い出したんだけど」
「川?」
「うん」
「水の小説」
「水の小説って結構ある」
「じゃあヒント」
「どうぞ」
「潜水艦」
「あ」
「分かった?」
「海底二万里?」
「正解」
「ジュール・ヴェルヌだよね」
「そう」
「読んだことある?」
「子供の頃」
「結構冒険だよね」
「うん」
「海の中ずっと旅する」
「しかも昔の小説なのに」
「うん」
「潜水艦とか出てくる」
「すごい想像力」
「ねえ」
「なに」
「海ってさ」
「うん」
「怖くない?」
「ちょっと」
「なんで?」
「深いから」
「それ分かる」
「見えない」
「うん」
「どこまで続いてるか」
「分からない」
「でも」
「うん」
「ちょっと面白い」
「なるほど」
「知らない世界」
「そう」
「ねえ」
「なに」
「宇宙と海」
「うん」
「どっち行きたい?」
「宇宙」
「即答」
「なんで?」
「広い」
「海も広いよ」
「でも」
「うん」
「宇宙は」
「うん」
「まだ誰も知らない」
「なるほど」
「そっちは?」
「私は海」
「なんで?」
「静かそう」
「確かに」
「海の底って」
「うん」
「音少なそう」
「……」
「どうしたの」
「ちょっと思った」
「なに」
「この帰り道」
「うん」
「静かだよね」
「確かに」
「だから」
「うん」
「話しやすい」
「それ分かる」
「昼だと」
「うん」
「ちょっと騒がしい」
「確かに」
「でも今は」
「うん」
「声だけ」
「……」
「それ」
「うん」
「海底っぽい」
「なんで」
「静かだから」
「なるほど」
「じゃあ」
「うん」
「この道」
「うん」
「潜水艦?」
「それは違う」
「なんで」
「歩いてる」




