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最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます  作者: あまうい白一
第5章

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22話 作戦を運ぶ


 

 精霊都市ベルティナでの作戦会議を終えた後、俺は、街の外縁に出て、精霊の鈴を鳴らしていた。

 

 こちらで話した作戦を精霊界にも伝えるためだ。


 ……死んでいないとはいえ、ウロボロスもゲイルの一撃を食らったんだ。

 

 ならば、今夜は満足に動かずに、休んでいる筈だ。

 故に、そのタイミングを使い、両方の世界で情報を共有して、準備を整えた方が良いだろう事が作戦会議で決められていた。


 ……作戦決行は明朝……。

 

 それまでに、もろもろの情報伝達を終えておかねば、と思っていると、

 

 ――カアッ……!

 

 と、俺の目の前が光った。

 そして精霊道が現れた。

  

「おお、すぐに出るもんだな」


 鳴らしてほぼ数秒も立たないうちに開かれた。

 どうやって感知しているのかは分からないけれども、この速度で道が出てくれるのは助かる。

 

 そう思いながら、俺は数時間前と同じように精霊道に入り、駆け抜ける。

 すると、数秒もしないうちに夕暮れの精霊界に辿り着いた。そして、


「あ、こんばんわ、アクセルさん」


 着いた先にはパルムがいた。

 どうやら出るのを待っていてくれたらしい。

 

「こんばんわ。もうすぐ夜になるってのに、ありがとうな、パルムさん」

「いえいえ。精霊の呼び鈴がなったのでしたら、即座に出入り口を作って待つように決めていましたから。……それで、今回はどういう目的でお越しに?」

「ああ、色々と報告や状況共有したい事があってな。……精霊道から魔獣が出てきて、どうにもそいつが方々に迷惑をかけている奴かもしれないっていう事とか、な」


 その言葉にパルムは目の色を変えた。


「魔獣が精霊道から出てきた……? それは本当ですか……!?」

「ああ。正体も掴めているよ」


 いうと、パルムの表情が真剣なものへと変化した。


「……なるほど。では、重要な事柄ですから、ローリエ姫様の所で話をしましょう。今、姫様に連絡をしますので」

「ああ。頼んだ」




 宮殿内。

 

 玉座のある間で、俺はローリエとパルム、そして幾人かの精霊ギルドの者たちに、人間界で見聞きしたものの情報について、説明していた。

 

「古代種のウロボロスが……精霊道のある狭間の世界に潜んでいた、ですか」


 その報告を聞いて、パルムは静かに、しかし驚きをもって言葉をこぼした。

 また、玉座にちょこんと座るローリエも眉をひそめていて、


「盲点だったわね。まさか、狭間の世界で生存できるような生物がいるだなんて。あんな様々な魔力が駆け巡る中に、長時間いたら、普通の生物は、おかしくなっちゃうのに」

「精霊道から落ちたら、すぐに元いた世界に戻るという機能も、そういった危険を避けるためのセーフティですからね。……ただ、古代種は強力な異常耐性を持っていますから、耐えられるのも頷けます」


 古代種は、通常の魔獣よりも強力な体を持っていることが多い。

 今回のウロボロスなども、中級魔法などでは傷一つ付かない表皮を持っているし。


「……ま、それでも、ウロボロスが精霊の泉を汚していた原因であることは確定していないんだけどな。精霊道に潜んで、そこら中の魔力あるものに食らいついているってのは事実ってだけで」


 奴を倒しても精霊道の不安定化や、精霊の泉の汚れは治らないかもしれない。確証はない、という事を告げた上で、今回は報告したのだが、


「……そうね。でも、状況証拠では、ウロボロスが犯人っぽいし。例え犯人でなくても、精霊道の安全のためには、討伐しておかなきゃいけないわ。だから……協力は惜しまないわよ」


 ローリエはそう言ってくれた。

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