告白 (2015年10月12日 訂正)
「・・・有り難う、もう大丈夫よ」
ずっと彼女を抱き締めていたが、やっと落ち着いたらしく、私は彼女から離れる。
「無理しないで下さいね。私で良ければ、いつでも話し聞きますから」
「貴女には、いっぱい迷惑かけちゃったわね」
「気にしないで下さい。あ!そうだ。もう、かなり遅い時間ですから、今日はうちに泊まっていかれてはどうです?」
「それは貴女や、貴女の家族に迷惑がかかっちゃうのでは?」
「大丈夫ですよ。私は高校生になった時から、ずっと独り暮らししていますから、心配は要らないです」
「そうなの? それじゃあ・・・お邪魔させてもらうわ」
私と彼女は、私の家までの道程の中、色々な事を話した。
。 。 。
。 。
。
あの時の出来事以来、彼女─鈴華さんは、たまに私の家に来るようになった。
バイトが終わり、裏口からお店を出ると、彼女がそこに居た。
「遥ちゃん」
「あ、鈴華さん。今日はどうしたのですか?」
「少し長めの休みが取れたから、遊びに来たのよ」
「そうでしたか、そのままウチへ来ますか?」
「そのつもりで」
私達は一緒に並んで、私の家まで向かった。
家に着いて、玄関のドアを開けて、中に入り靴を脱ごうとしたら、彼女が後ろから抱き付いてきた。
「れ、鈴華さん!?どうしたのですか?」
「遥ちゃ・・・ん」
彼女の顔を間近で見て、私はドキっとする。彼女の頬は僅かに上気していて、潤んだ瞳が私を見ていた。それに、ぎゅっと抱き付かれて身動きが取れない。
「と、取り敢えず、中に入りましょう」
私は動揺しつつも、なんとか冷静になって言った。私は、一旦彼女を引き離すと、リビングへ連れて行った。
彼女をソファーに座らせすと、私はお茶を用意して、彼女の前に差し出した。彼女は大人しく私から受け取ると、そのまま一口飲むとテーブルへ戻す。
「さっきは、急に抱き付かれてビックリしましたよ」
「・・・・・・」
「鈴華・・・さん?」
「・・・好き」
「・・・え?」
ど、どういう事?好き?誰が誰を・・・?
私は、ただ動揺するばかり。すると彼女は、私の方に顔を寄せてきたと思った次の瞬間、唇に温かく柔らかい物が触れた。
「!?」
直ぐに唇から柔らかい物が離れる。
「え?・・・どういう事?」
「遥ちゃんの事が好きなの」
え?・・・えええぇぇー!私の事が好き!?
私は、ただただ驚くばかりだった。
「だ、だって、彩さんの事が好きなんでしょ?」
「彩の事なら、もう吹っ切れたわ」
「そ、そうなんですか」
「それで、返事は?」
「え・・・あ、あの・・・」
私は困惑したまま、どうすれば良いのか困っていた。
「まぁ、直ぐに返事してと言っても、出来るわけないわよね。焦らないから、ゆっくりと考えてね。でも、あまり遅すぎてもダメよ」
「あ・・・うん」
私は喜ぶべき・・・なのかな?だって私は、彼女に一目惚れだったのだから。




