平和な日
この王都の広場には大きくも豪華でもないが噴水がある。待ち合わせ場所としては最適な場所。流石にセリナ様の住む館の前でずっと待っていたら、落ち着かなかったのでイリア副隊長に「噴水で待ってると伝えておいて下さい」と言っている。
〜数分後〜
「お待たせしました!長引いてしまい申し訳ありません!」
「別に謝らなくて良いですよ。案内してくれるだけでありがたいです」
「よかった」
セリナ様は微笑む。淡いアイスブルーのワンピースに日焼け防止のための大きいつば広ハット。耳には小さめのアクアマリンのイヤリング。その姿は余りにも目が釘付けになってしまう美しさだった。
(ずっと見てられる、、、)
僕が見惚れていたせいか、セリナ様が顔を赤くして聞いてきた。
「あの、、そんなに見られると恥ずかしいんですけど、、//」
「あ!すみません!余りにも綺麗だったもので」
「そう、よかった」
機嫌を悪くしたりしないのか、、そうだよな。綺麗とか可愛いとか言って引かなかったり気分を害したりするのはアイナだったな。ミナは喜んだりしてたから多分アイナだけ。
「じゃあ折角ですし、私のお気に入りスポットなど案内しますね」
「ありがとうございます、セリナ様」
「その様付けやめて」
ムッと頬を膨らませるセリナ様
「いや、公爵家の方に様をつけないのは流石に無礼すぎるのでは?」
「そんなもの、気にしない。あと敬語も辞めて」
無茶振りすぎるなこの公爵娘。
「、、よろしいのですか?」
「ん」
「じゃあ、改めて案内よろしく。セリナ」
「任された!」
ニッと笑うセリナはやはり天使のように美しく可愛かった。
ーーーー
同時刻 場所不明
豪華な装飾や玉座がある暗い部屋。その部屋には多数の生物が集まっていた。
「なに!?あの伝説の龍、終焉の古代龍皇が討伐されたぁ!?」
黒いローブを着た者が大声を出す。
「そうやって情報が入ったの。嘘かも知れないよ?」
獣人の女が喋る。
「しかし、本当であれば、、、勇者が目覚めたことになる」
性別不明の鎧を着た者が喋る。
その鎧を着た人物の言葉にその場にいた皆は固唾を飲んだ。
勇者
数百年前に生まれた謎多き人物。その者は力を蓄え、魔王を討ち滅ぼし世界を平和にした、“悪の象徴“。その勇者は人間であるため死去。“我々“にとってはめでたしめでたし。だったのだが、、
「復活したのか?」
「まさか」
“生命ある者、無い者“が口々に話し始め、騒がしくなっていく。
その騒がしさの中一人の男が口を開き静かに言う。
「静粛に」
シン…と場が静まる。この男の声には謎の威圧感があった。
「勇者が蘇った?エンダードラゴンを討伐?くっくっく…あっははは!我々に歯向かう人間がいるのか!そうかそうか!実に」
「実に、不愉快だ」
間を置いてから言い放ったそれはひどく冷たく残酷だった。
「では、話もまとまったところで」
「始めようでは無いか?国を滅ぼす計画を」
人外どもが玉座に座る男に敬礼し、着席する。魔族と魔物による各王国滅亡の作戦会議が始まった。




