3話 終至春始
「おい!」
一人の小柄な女子生徒が声をかける。
「…」
ノリトはキョトンとしている。
「……ルーザー食い終わってんなら早く来い!鍛えてやる!ったくこのとろすけが!」
ノリトはまだ頬張っている。
ノリトの瞳にはアイリスが手を振っている姿が映っている。
「いやだなぁ、エリザさんまだ10分前ですよ。でもお迎えしていただいたので行きますよ」
「アホかお前!15分行動だろが!だっからお前はルーザーでとろすけなんだよ!…ッ、なんだってこんな奴が…」
「……じゃ、また後でね、アイリス」
ノリトは小声で呟き、空中に指で小さくバイバイと振った。
「……」
エリザそれを横目でノリトの指先が描いた、ちょうど目の高さあたりを見つめていた。
彼女の瞳が、じわりと潤み、その瞳は少し潤んでいる。
すぐに視線を地に落とし、潤んだ瞳を隠すように顔を背ける。
「…行くぞ!」
小柄な少女――エリザが、ノリトの背中をバシッと叩く。
その衝撃でノリトはよろけ、危うくトレイを落としそうになる。
「あははー……」
アイリスは純粋な笑顔で手を振っていた。
「いたいたー!アイちゃん!」
アイリスに友達が声をかけ談笑していた。
<訓練場>
数人が倒れている。
その中にノリトも倒れている。
エリザは無傷で仁王立ちしている。
ノリトは心配そうな顔でエリザに顔を向ける。
「…そんだけ動けんだからもっとダメージ与えるようにしろよ!…あたしにはそんなフィジカルもない中途半端なんだよ!」
ポタッ
ポタッ
地面に水滴が落ちる
「…お前しかすくえねぇんだよ…」
「エリザさん…?」
エリザは踵を返す
「クソ…こんなにやってもなにしても無駄なのかよ…」
エリザの瞳にアイリスが振り返る。
無者有者
———
続く
—
良かったら感想や評価いただけると幸いです。




