初めてのオーダー
やっとタイトル回収!?
「では、転校生を紹介します!はい、前に出て。」
私は促されるまま、一歩前に出て自己紹介を行う。
「初めまして、衣川薫と申します。体が弱く、病院生活が長かった為、途中編入となりましたが、皆さん仲良くしてくださいまし。」
最後に笑顔を添えると、男子生徒は真っ赤に、女子生徒はそんな男子を冷ややかな目では見るが、こちらを興味深そうに観察してくる。
(まさか、初のオーダーが学校での警備だとはな。)
~二日前~
「え~、衣川君には、これからとある学校に潜入してボディーガードをしていただきます。」
「何の脈絡もなく話し始めるなよ、理解が追い付かないだろ。」
「まぁまぁ、そう言わずに。実は潜入してもらう学校なんだけどさ、ウチの重役の息子さんと娘さんが通ってるんだよね。それなりに頭のいいい学校なんだけどさ、つい先日、その重役が襲われた・」
「その重役は大丈夫なのか?」
「それに関しては問題ないよ、なんだかんだでフィルモードの所は、優秀なんだ。退けたはいいけど、その道のプロでね。まぁ逃がしちゃった訳よ。」
「それは物騒な話だな~、対策は・・・私か。」
「ピンポーン!大正解!校内から不穏な気配を感知して、誘拐やテロを未然に防ぐ、これが第一目標ね。」
「第二もあるのか?」
「これは努力目標になるけど、ウチとしては襲撃犯を抑えたい。次のテロを未然に防ぎたいのさ。」
そう言って、南雲は砂糖を入れまくったコーヒーを飲む。
「ウマー!!」
「見てて胸やけがするぞ、それ・・・。で、私は教員として潜ればいいのか?」
「ノンノン!生徒としてだよ!」
え、まさか
「まさかとは思うが、女子高生としてか・・・?」
南雲は盛大に口角を釣り上げて
「大正解!ん~!衣川君には10南雲ポイントを進呈するよ!」
この世で一番いらねえよ!
「わかったよ、で設定は?」
「話が早くて助かるよ。設定としては病弱な深層の令嬢だね。君が体育なんてやると、十種競技すべてぶっちぎりで記録が塗り替えられる。」
まぁ、確かに。
「で、通院の為っていうことで、5限目を受けたら帰ってもらう。近くに移動用のバイクを置いておくよ、何がいい?バイク好きって聞いたから、希望に合わせるよ。」
そうか、なら。
「GSX-R1300隼、用意できるか?」
「もちろん!こっちである程度改造するよ。隠密行動になるだろうから、モーター駆動を追加してなどにしておくよ。色はマッドブラックだけど我慢してね。」
「元より隠密なんだろ?色もそのほうが落ち着くから頼むよ。」
「じゃあ、二日後からお願いねぇ~。」
「って、マジ時間ねぇじゃんかよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高校というのは、異分子に対する反応が早い。悪目立ちするかとおもわれたのだが、休憩中
「ねぇねぇ!衣川さんの髪色って地毛なの??どこかのハーフ!?」
「すっごい肌綺麗!どんなスキンケアしてるの!?」
「胸・・大きい・・・最大威力だ・・・」
「恋人はいますか!?」
こんな調子である。にこやかに当たり障りのない対応をしていると、一人の生徒は寄ってきた。
「おい、お前ら、衣川さんは退院したばかりって聞いてただろう、早く席にもどれ。授業も始まる。」
護衛対象である一人、平山堅城だ。
「も~、委員長はかたっ苦しいんだよ~」
「そんなんじゃ衣川さんにモテないぞ~!」
「お前らな・・・」
平山は青筋を浮かべながら震えだす。
「平山君、気を使ってくれてありがとう。」
「構わんよ、これが俺の役割だからな。」
ツンケンしてるが、その実、人当たりの良さからなのだろう。出来ればこんな子が犯罪に巻き込まれる未来は見たくないものだ。
「お~い!!お前ら、授業はじめっぞ!!」
そう言ってジャージ姿の女性教師が入ってきた。
私は教科書を開き、それをカモフラージュにしながら校内の動きを探り始めたのだった。
いいね!高評価はやる気に繋がります!ぜひともブックマークなども宜しくお願いいたします。




