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7月短編集  作者: 天雲 律
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8/21

妖怪……この生き物が現実で存在しているのかを、聞かれると俺はいつも──


「おるぞ、此処に」


胸に手を当て返事をするようにしている。


生き物であるのならば平等に訪れる死、妖怪にそんなのがあるとは、俺も思わなかった。


こん、妖怪が酷く傷つくと(こん)と呼ばれる状態になる、魂が剥き出しの状態で近場にいる者や、絆を結んだ者の魂と結び付く。


結び付いた魂の感情を共に感じ、時に共に涙し、共に笑い、共に怒り、……共に生きる。


「おじーちゃんの、こん?さんはどんなひと?」


「ばぁさんには内緒だぞ………世界で一番のべっぴんさんじゃった」


もう一度会いたいという気持ちは浮かばない、今も共に笑っている気がするから。

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