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オーバードライブ
幼馴染の姉崎 莉子の13回忌の帰り道、よく遊んでいた公園に寄りブランコに座る。
よく晴れた9月、昔は感じる事の無かった暑さを感じつつ、入道雲を見つめる。
昔は莉子姉が背中側から押してくれないと、ちっとも動かなかったブランコは、地面に足がしっかりつき
今度は別の理由で漕げなかった、けれど漕ぎ出す。
莉子姉の遺影は僕が撮った写真が使われている、
莉子姉の両親は莉子姉が、一番笑顔だから使わせてほしいと、告別式の2日前に言われ、子供用スマホから
送った。
画像は写真屋さんに上手く調整され、遺影は小学校入学前の子供が撮った物とは思えない程、莉子姉は
輝いていた。
「やっぱ怖いぃぃぃ」
莉子姉に押してもらっても届かなかった空に飛び立った、着地は昔より上手で微かに足が痛む。
けれど空には確かに近づけていた、後ろではブランコの軋む音、前からは蝉時雨がうるさく鳴いていた。
「莉子姉に知られたらまた怒られるかなぁ」
南の空から灰色の雲が迫っていたので、雨に濡れたら家族を心配させる。
公園からはまだブランコの軋む音が聞こえる気がした。




