level 59 ボクっ子姫と信頼
またお待たせしてしまいましたm(__)m
「意外と呆気なかったですね・・・カツヤード最強と云われた盗賊団と聞いていたのですが・・・」
「そりゃいきなり闇魔法ぶっぱなしたら国でも一発ですって・・・」
男女の二人組が中に入ってきた、男の方が呆れた顔で辺りを見回す。女はマルチで男はカツヤード城にいたチャラくんことジョッキーだった。盗賊達は一人残らず倒れていて勿論外の見張りの人間は既に気絶していた。
「ちっ・・・生きてましたか・・しぶといですね・・・」
マルチは独り言の様に呟くと倒れていたアリアとエールに近寄った。闇の掌気に当てられた二人は漏れなく気絶していて意識がない。
「ほら、雌豚・・・起きなさい。」
「なんていう起こし方だよ・・・」
呆れてるジョッキー、マルチがアリアの頬を赤くなるほどに叩くと眼を開けてボーッとしながらマルチを見ていた、程なくエールも目を覚ます。
「マルチ……?」
「マルチちゃん?」
漸く起き上がるとジョッキーが手際よく盗賊団を縛り上げていて真ん中に集められていた。
「姫さまは・・・?」
マルチは周りを見渡したが肝心のツバサの姿が見えないのが気にかかった。
「あっ!そうだ、大変なのよ!!翼が一人で光の精霊がいる山に行っちゃったの!?」
「光の精霊の・・・?先程ジョッキーさんに聞いたのですが活火山の中に入らないと行けないらしいのですが・・・」
「大丈夫かな・・・翼?追いかけよ!」
焦っているアリアに気がついたミランダが縛られたまま悔し紛れに声を掛ける。
「ムダだよ・・あそこに行って帰ってきた奴はいないに等しいし・・なんでそんなにしてまで信じるんだい?」
その問いにアリアとエール、マルチが答えた。
「簡単よ、翼が信じてくれるから・・・あたしたちが翼を信じてるって思ってくれているから・・・」
「ま~まはすごいんだから!だからエールはいいこで待ってるの!!」
「愚問ですね・・・愛する人を信じない訳がないですよ・・・」
「・・・信じてる・・か・・」
ミランダはあの事があってから人を信じるのを止めてしまったのかもしれないと自分で感じていた、周りが全て敵だと・・・正直アリア達が羨ましく、また疎ましく思うそんな自分が嫌になった。
すると外から凄い音がして地震のような揺れがしてみんなが伏せた、暫くすると吼えた声がアジトに響き渡った。
何事かと3人が外に出るとそこには待っていた、信じてやまない人がドラゴンの背中から顔を出した。
「みんな、お待たせ!!」




