無双
固唾を飲んで見守っていた人たちのコメントが溢れる。
「JIN無双!」
「戦慄バニーちゃん」
「やべえ……」
「化け物」
「本気のJIN、やばすぎ……」
「さすがキング!」
「脚捨ててでもMIOちゃん守るとか漢すぎだろ」
「ずっとお姫様抱っこしてる」
「惚れる」
「JINさん、かっこいい!」
「JIN、敵無しじゃね?」
「倒せる奴いるのかよ」
「絶対敵に回したらいけない……」
「最後までMIOちゃんに攻撃しない漢」
「MIOちゃん奪還!」
「取られたものは取り返す」
「MIOちゃん、速え!」
「あのスピードはエグい」
「MIOの攻撃力上がってねえか?」
「いや、総体的にレベルアップしとる」
「かわいくて強いとか最強」
「MIO、失神しちゃった……」
「かわいそう」
「あれは最適な眠らせ方」
「JINの優しさ」
「俺の女感がひしひしと……」
「やっぱりJIN・MIOってことだな」
「NAGIがチャレンジャーすぎる」
「怖いもの知らず」
「NAGI 死んだな」
「お前の骨は拾ってやる」
「NAGIへの攻撃が容赦ない」
「MIOちゃんとの扱い違いすぎるw」
「最後の踵はえぐかった」
「あ!」
「どうした?」
「MIOちゃんが目を覚ました!」
「おかえり!」
「大丈夫?」
「MIOちゃんが抱っこされて暴れてるw」
「ウケるw」
「下ろしてやれ」
「そっか、MIOポーズ今日はないんだな」
「やってもいいよ、MIOちゃん」
龍臣さんがコントローラーを置く。
そして、
「俺を倒してからほざけ」
と俺に言い放つ。
ひいっ!!
怖っ! めっちゃ怖い!
やばいやばいやばいやばいやばい……
龍臣さんがマジもんの全サだった。
MIO=春臣に近づく輩は全員叩きのめす、情け容赦ない全サ。
こっわ!
そんな全サ勘弁して。
春臣は、
「やっぱり兄ちゃん強いなあ」
と呑気に感心してる。
龍臣さんはMIOを守り抜いた満足感からか、
「MIO、速くなったなあ! あのトップスピードはやばい! 攻撃力も上がってるし、判断も冷静、的確! 春、すげえ!」
とデレデレ、ベタ褒め。
「えへへ」
と照れてる春臣。
お前、さっき俺がJINさん倒してこれからは俺と組むか?って言ったら、
「海凪と組む!」
って意気揚々としてたじゃないか!
双方ブラコンかよ。
要するに春臣を攻略するにはラスボス龍臣さんを倒さなきゃならないってことだな。
きつくね?
ふっ
倒さなくてもいいか。
俺は平和主義だ、共存の道を探る。
龍臣さんは悪い人じゃない、とてもいい人だ。
ただ人よりちょっと……だいぶ弟が大好きなだけだ。
学校での顔以外の春臣を知ってるのなんて俺くらいだろ?
拗ねて八つ当たりするとかブラコン気味とか皆知らないもんな。
俄然、春臣に興味出てきてる。
面白い!
JINさんはさすがに病院で治療を受けるそう。
いくらJINさんと言えど、今回のダメージは相当なものだろう。
自分だけなら防げたものの、敵ながら終始MIOを庇い、守り、抱き抱えながらの戦闘は無謀だ。
MIO、ではなく春臣は、
「兄ちゃん、ごめん……」
としょげている。
JINさん、ではなくて龍臣さんは、
「お前が傷つくことの方が嫌だよ」
と微笑む。
カップルかよ!
だからJIN・MIOはできてるだの、同棲してるだの、夫婦だの言われるんだよ。
多分、絶対龍臣さんはそう言われてることをわかってやってる。
なんならそういった類いのコメントにほくそ笑んでるに違いない。
まさにキング、闇の王だ。
怖すぎる。
JINさんはバニー病院に数日入院となったため、今回はこれでゲーム終了。
龍臣さんの嬉しそうなことよ。
JINさんが入院している間に装備品を買い直したりするとのことで、春臣と俺は龍臣さんの部屋から退散した。




