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MIO・NAGI vs JIN

春臣の部屋を出る。

部屋の前には龍臣さんがいた。

ずっとここにいたようだった。


「春……」


バツが悪そうな春臣を促す。


「……兄ちゃん、酷いこと言ってごめんなさい」

「春っ!」

春臣を抱きしめながら、また龍臣さんが泣き出してしまった。

「ごめんな、兄ちゃんが悪かったんだ、嫌な思いさせてごめんな……」


「兄ちゃん、俺、戦バニやる……」

「本当?」

「うん」

龍臣さんが笑顔になる。


龍臣さんが嬉しそうに準備する。

「兄ちゃん」

「ん?」

「提案があるんだけど」

「なに?」

「MIOとNAGIが組んでJINと対戦したい」

「え?」

「それで俺たちが勝ったら、このチームでこれからやっていく」

「え……」

龍臣さんが止まる。


「JINとMIOが組むのをやめるの?」

「そう」


ブチッ!

なにが切れる音が聞こえた。


「俺が勝てばいいんだよな?」

「でもMIO更にスピードアップしたし、NAGIも上手くなってるはずだからJINでも無理かもよ」


「俺が勝てばいいんだよな?」

「うん」

「そうだよな?」

俺にも確認する。

「そうです……」

背筋がゾクッとしたのは気のせいだよな?


久しぶりのMIOの登場と、

MIO・NAGI vs JINの対戦カードに対戦前からコメントが沸いた。


「MIOちゃん復活!」

「待ってた! ずっと待ってたよ!」

「ちらちら見えるMIOちゃん、見目麗しい」

「俺の嫁……」

「やばい………張っててよかった……」

「久しぶりに見られるのか、MIOポーズ!」

「いや、ちょっと待て」

「お前ら待て」

「おかしい」

「これMIO・NAGI vs JINになってるぞ……」

「どういうこと?」

「この組み合わせって……」

「マジの三角関係?」

「嘘でしょ……」

「リアルすぎる」

「JINとMIO別れたの?」

「離婚?」

「同棲解消?」

「マジで?」

「MIO・NAGIだとさすがにJINも苦戦なんじゃね?」

「確かにJIN不利かも」

「これは見もの!」



対戦直前、

「俺が勝てばいいんだよな?」

龍臣さんは念を押した。

「そう、JINが負けたらJIN・MIOは解消」

春臣が改めて言う。

「……です」

自分で春臣に吹っ掛けたんだけど、早くもビビってる。

龍臣さんから尋常じゃない殺気を感じる……


戦闘開始!


MIOがいきなりトップスピードで駆け出す。

速い! めちゃくちゃ速い!

今までの比じゃない、一瞬でも瞬きしたら見失う。

そのスピードのままJINさんに攻撃を仕掛ける。

MIOのスピードについていってる。

いや、違う、確実にMIOの攻撃を喰らってる。

喰らいながらもそれに耐えてる。

あまり接近戦を重ねるとMIOでもやられるので時折下がる。

MIOはその塩梅が上手い。


その時だ。

JINさんが吠えた。

物凄い咆哮だ。


地鳴りのような咆哮に空気が震える、ビリビリする。

堪らずNAGIが耳を塞ぐ。

これは耳をやられる。

ウサギだよな? ゴリラじゃないよな?

すぐ銃を構え撃つ。

僅かに狂った耳の感覚が影響したか外す。


もう一度吠えるとその体格からは想像がつかない俊敏さで建物の中へ入る。

隠れる気か?

いや、JINさんはそんな戦い方はしないはずだ。

なにかある。

MIOも慎重になる。


ピクン!

NAGIがなにかに反応する。

と同時にMIOが叫ぶ。

「逆サイドのビルに飛べ!」

そう言われて飛び移るとJINさんが入っていった建物が無くなってる。

いや、無くなったのではない、崩れた。

そしてそれはその建物だけではなく、俺が今さっきまでいたビルまで次々崩壊していった。


JINさんは隠れたのではない。

建物の中から破壊していたのだ。

この短時間でビルを何棟ぶっ壊してんだよ……

化け物かよ……

土煙が凄い。

好都合だ、見えないのが不利と思うならそれは間違いだ。

それくらいの土煙、NAGIにはなんの障害にもならない。

遠慮なく撃たせてもらう。


ワイプの地図にピンが刺さる。

やった!

しかし、すぐに消える。

チッ!

一発じゃ効かないか。


この銃弾は戦闘用グローブと靴同様に電流が流れるようになっていて、感電させ仕留めるものだ。

しかし相手によって耐性や許容量があり、一発では倒せない奴もいる。

JINさんには数発喰らわせないと無理だ。

左肩に命中させたが、それでは効かなかった。


すかさずそこをMIOが狙う。

その判断が早いし的確だ。

今、JINさんの左肩は倒すまではいかないまでも被弾して感電しているはずだ。

追い打ちをかけるように執拗なまでに左を狙うMIO。

戦闘においては容赦無しだ。

ここから見ていてもMIOの攻撃によりJINさんの左腕はだらんとして機能していない。

俺は左脚を狙う。

バランスを崩したい。

MIOがJINさんの周りを飛び回って攻撃しているから、その隙間を狙う。


命中!


え? 嘘でしょ……

JINさんは飛び回るMIOに当たらないよう自分の身を挺して俺の銃弾を右脚で受けた。

くそっ!

上手い……

俺が左脚を狙ったのは体のバランスを崩すためだ。

しかしJINさんはMIOを庇いつつ、撃たれても辛うじてバランスを保てる右脚を犠牲にした。


どうあってもMIOは守るということか。


庇ってもらったことをわかった上でMIOは攻撃をやめない。

戦バニに最も適したメンタルだ。

チョロチョロ動き回るMIOをかわしながら、JINさんは俺のいるビルに向かって走る。

まだ走れるのかよ、その脚で……


走ったかと思ったらいきなり跳んだ。

マジか……なにこの跳躍力!

すぐMIOも追う。

俺がいるのは12階建ての屋上、ここまで来る気なのか?


それなら好都合。

狙ってくださいと言ってるようなものだ。

空中では攻撃や銃弾をかわすことはできない。

今度こそトドメを刺してやる。

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