謎のイケメン
【人物紹介】
・葉山 海凪
高2
HN…NAGI
・神野 春臣
高2
龍臣の弟
HN… MIO
・神野 龍臣
大学4年
春臣の兄
HN…JIN
・近田 友成
高2
海凪の友達
・新藤 伊織
小1
海凪に助けてもらった
・柳木 大介
高2
春臣の友達
・上村 綾人
高2
春臣の友達
・葉山 雪海
中1
海凪の妹
・吉沢 麗
高3
龍臣が家庭教師をしていた時の生徒
龍臣が好き
・ロン(ろん)
戦バニプレイヤー
フィギュアショップ経営
「あの……好き? です。
俺と付き合ってくれる?」
「嫌です」
この人知ってる。
同じ2年の神野、多分そういう名前だったと思う。
女を取っ替え引っ替えしてて、
『応募者全員サービス』って言われてる人。
告るという対価を払えば告った全員と付き合う猛者だ。
一応被りはないらしい、告られたら別れて次に行くからだ。新しい彼女に今カノが押し出される、所謂ところてん式。
歴代彼女たちはそれでいいのか? 納得してるのか?
いいらしい。
こいつと一瞬でも付き合えたことは誇りらしい。
理解できない。
理解できるのはこいつがそれをやっても違和感のない、腹立つくらいのイケメンという事実だけだ。
で、そいつがなんで俺に告った?
しかも『好き?』の疑問符はなんだ。
お前が好きかどうかなんて知らないよ。
なんにせよ俺はお断りだ。
「なんで?」
なんでとは?
「断ったつもりなんだけど」
「だからなんで?」
理由? それ言わないといけないシステム?
それこそなんでだよ。
「名前、神野くんで合ってる?」
「はい」
「俺は神野くんと付き合いたくないからです」
「なんで?」
「だから今言いましたよね? 付き合いたくないです」
こいつ話が通じないのか?
「告る相手間違えてない?」
「葉山くんだよね?」
「そうですけど」
「それなら間違えてないです、合ってます」
「へえ、そう。付き合えません」
「え……なんで?」
まだ言ってる。
「俺、もう帰っていい?」
返事を聞かずに帰る。
付き合ってられるか。
「え……なんで?」
遠くでまだ言ってる。
アホなのか?
なんで俺が男と?
なんで『応募者全員サービス』と?
は?
夢か、これ夢だよな、それなら納得、夢ってなんでも有りだもんな。
夢じゃなかった。
翌日、登校すると教室の前に人だかりができてた。
「なにこれ?」
同じクラスの関谷に聞く。
「なんか全サが誰か待ってるらしくて女子たちが騒いでる」
「全サ?」
「応募者全員サービス」
ああ、応募者全員サービスの略って全サなのね。
ん?
ということはその全サこと神野が待ってるのはまさか俺か? 違うよな?
昨日断ったし。
「あ、葉山くん」
俺だ……
みんなが注目してる。
勘弁してくれよ……
「あの……俺、好き? だから付き合って」
お前、ここで言うか?
しかもまた疑問符付いた。
キャーーーーーーーーッ!!
あちこちから悲鳴が上がる。
同時に、
「どういうこと!? 葉山っ!」
と俺がなぜかなじられる。
俺、なにもしてないだろ?
「知らないよ、こいつに聞けよ!」
「神野くん、葉山とどういう関係なの?」
女子を代表して高井さんが聞く。
「え……葉山くんと付き合いたくて……」
バカ正直かよ、この場を収める努力しろ、バカ。
予鈴が鳴った。
まだざわついてるが一旦散る。
助かった。
「なあなあ、お前、神野と付き合うの?」
友成がにやついてる。
「昨日告られて断った」
「マジ!? でもなんで海凪?」
「俺が聞きたい」
「あの天下取ったみたいなイケメンの神野がなぜお前?」
「うるさいな、知らないってば」
「わかんねえもんだな」
「だな」




