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1話:ドロップ追加『小石』①



ある日突然世界各地に大小様々な謎の穴が現れた。大きさは最小で1m、最大で300mを超えるものが確認されており、それは後にダンジョンホールと名付けられた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




『えー!?あんたダンジョン入った事ないの!?』

『いやいや、今どきの若者がダンジョン入った事無いとか有り得ないでしょ!?』

『だってモンスターとか出るんでしょ?それに良いスキルが出なかったら戦えないって』

『全然大丈夫だって!1階に出てくるヤツとかはスキル使わなくても余裕だし!』

『何なら私達と一緒に行く?何かあっても経験者な私達が守ってあげるからさ!』

『うーん、じゃあお願いしよっかな!』

『『任せろぉ!』』


隣の席から聞こえてくる女子高生達の楽しげな会話を聞きながら昨日の収入で購入したビッグバーガーにガブリと噛みつきゼロカロリーコーラをすする。

ポテトは運悪く塩がかかってなかったみたいで芋オンリーな味わいだ。ちくせぅ。


昨日の収入は5600円、そこからビッグバーガーセット代を引いて4940円。


「もう少し貯めないと次のガチャに足りないかな」


残金を頭の中で計算して少し足りないなと思った私は今日もダンジョンで稼ごうと思った。




お店を出てから30分程歩くと『1.5m級:投石ダンジョン』と書かれた看板のある建物へと到着。

名前の由来はこのダンジョンで最初に出たスキルが『投石』だったというだけ。他のダンジョンも同じように最初に出たスキルの名前が付いてるらしい。


建物の中に入ると過剰な程にプロテクターやヘルメットを付けてバットなど武器になる物を持って落ち着き無くうろちょろしている人達の姿が目に入った。だいたい30人くらいかな?ここは初心者向けダンジョンだからいつも私含めて5人もいれば多い方なのにどういう事だろう?


『予定時刻となりました。ダンジョン実地訓練に参加される方は受付前にいる職員の所へ集合してください』


と思ったらアナウンスで答えが分かった。

なるほど、初心者講習の参加者か。私も先月やったから覚えてる。初めての撲殺はウェってなった。

まぁ頑張れよ初心者諸君!(1ヶ月先輩ヅラ)


ぞろぞろと受付の方へ向かっていく初心者達を横目に私はダンジョンホールに入る為のセキュリティゲートに探索者カードをピッとタッチして扉を開ける。

入場料は500円。レベルが高いダンジョンだともっと高いらしいけど。


ゲートを抜けたらダンジョンホールに頭だけ突っ込んで出入口付近を映してるカメラモニターで人やモンスターの有無を確認。


「敵影無し‥‥さて今日のスキルはなんじゃろな」


誰もいないのを確認したらダンジョンホールに飛び込んでスタッとヒーロー着地を決める。

膝にじん‥‥と衝撃が来るけどかっこいい着地はテンションに直結するからとても大事。


そしてヒーロー着地の余韻を感じながらもやらなければならない事をする。それが今日のスキルの確認だ。

スキルによっては即撤退も視野に入るからね。


「ステータス」

______________________________________

最上(もがみ) (ひとみ)

21歳

状態:通常

体力:3

魔力:0

物攻:2

物防:1

魔攻:0

魔防:0


スキル

『ドロップ追加:小石』

▼モンスターを倒した時、追加で1〜3cmの小石がドロップするようになる

______________________________________


「ッし、今日は当たりきたー」


スキルはダンジョンに入る度にランダムで変わる。

内容もダンジョン攻略に役立つものからダンジョンに全く関係ない意味不明なものまでたくさんあって、そしてどんなスキルであろうとも1度ダンジョンをクリアするか次の日になるまで変わる事は無い。


特に有名なのが『勇者』っていうステータスを強化するスキルを当てて世界で初めてダンジョンクリアした人が次にダンジョンに入った時に『ドロップ変更:ゴミ』ってスキルを当てた話だ。


それもまだスキルがランダムに変わる事が判明する前に世界初のダンジョン攻略者『勇者』が次のダンジョンを攻略するぞー!って大々的に生放送してた中での事だからそれはもうあっという間に広がったらしい。


ちなみに『勇者』は勇気ある行動を行う時に全ステータスを10倍にするスキルで『ドロップ変更:ゴミ』はモンスターを倒した時のドロップアイテムがどんなレアアイテムでもゴミ、つまり生ゴミや粗大ゴミなど、とりあえずゴミと付くものに変わるスキルだ。


だから今日のスキル『ドロップ追加:小石』はかなり当たりの部類だ。なにせ物が小石とはいえドロップアイテムが増えるスキルなんだから。




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