表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しくじり転生 〜うまく転生出来ていないのに村まで追い出されどういうこと神様?〜  作者: Ruqu Shimosaka


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/151

簡易的な報告

 俺たちはダンジョンの外に出て馬車を探す。前回同様に御者には泊まることを伝えたが、二泊になるとは思っていなかったので、御者が待っていてくれるか心配だ。馬車を探しつつ、フレッドが着れそうな服がないかと探す。歩いていると、エマ師匠とテレサさんが居た。


「エマ師匠とテレサさん?」

「エド、無事でしたか。帰りが遅いので心配しました」


 エマ師匠は俺たちを見て安心したように話しかけてきた。エマ師匠と違って、テレサさんは俺たちを見回した後に緊張した様子で話しかけてくる。


「何がありました?」


 俺は砂漠でイフリートが出たことをテレサさんに伝えると、緊張した面持ちで屋敷に向かうと言ってくる。


「テレサさん、その前にフレッドの服が欲しいんです」

「服ですか?」

「燃えて無くなってしまって」

「分かりました」


 テレサさんが、ダンジョン周辺で露店をしている店から服を買って来てくれた。フレッドは上着だけの状態から解放されて安堵している。


「拙者、やっと人らしい服装になれましたな。屋敷までこの状態なのかと心配していましたな」

「服を売ってたら買おうと探していたんだけど、ダンジョン周辺で服は売れないのか見かけなかったから、売ってる店があって良かったよ」

「割高だったようですが、仕方ありませんな。拙者が着れる服が有っただけありがたいですな」


 テレサさんに聞いた服の値段には驚いたが、裸に上着だけの状態をどうにかしてあげたかったので、なんとかなって良かった。

 馬車に乗って屋敷に向かう途中で、ドリーとリオは再び眠り始めた。その様子を見たエマ師匠が俺に声をかけてくる。


「随分と疲れているようですね」

「はい。正直俺もかなり眠いです。ですが寝たら起きれない気がするので、頑張って起きているんです」

「大変だったようですね」

「以前のエマ師匠がやっていたのと同じように、魔法薬で体力を回復させて魔力を回復させたので、寝た後が大変かもしれません」

「あれをやったのですか」


 エマ師匠と違って一日分しかやってないので、そこまで反動はこなさそうだとは伝えるが、エマ師匠は俺たちを心配そうに見ている。


「エドたちは鍛えているので、私のように何日も倒れることはないと思いますが、最低でも一日はゆっくりと体を休めるのですよ」

「はい」


 俺とエマ師匠の会話を聞いていたテレサさんは申し訳なさそうに、声をかけてくる。


「レオン様かトリス様にイフリートの話をするまでは、眠らないようにお願いします」

「テレサさん、分かっています。ですが正直かなり眠いです」

「分かりました。協会に戻る余裕が無さそうなので、屋敷で眠れるように手配をしておきます」

「それは助かります」


 眠気を我慢していると、なんとか屋敷まで起きていられた。ドリーとリオに関しては、もうこのまま寝かした方がいいだろうとテレサさんと相談した。テレサさんがメイドさんに寝室まで運ぶように手配してくれた。

 俺たちはレオン様の部屋に案内された。


「戻ってきたか。心配したぞ。ん? ドリーとリオはどうした?」


 テレサさんがドリーとリオが居ない事情を説明してくれ、俺はイフリートと戦った事を話すと、レオン様は慌ててトリス様を呼んだ。


「無事に戻ってきたと聞きましたが、どうしたのです?」

「トリス、大変な事になったようだ」

「エド、何が起きたのです?」


 砂漠に本来はいないイフリートと戦う事になって、かなり無茶をしたことをトリス様に伝える。


「イフリートが…大変な事になりましたね。詳しく話を聞きたいですが、皆立ったまま寝そうではないですか。ベス、起きていますか?」

「…はい」

「仕方ないですね。寝る時に上着が邪魔になるので脱いでおきなさい」

「分かりましたわ」


 俺はフレッドに上着を貸していたし、フレッドは服が無くなったので上着を着ていないが、ベスとアンはすっかり忘れていたようで、上着を着てフードを被ったままの状態だった。ドリーとリオは、メイドさんによって服を変えられているかもしれない。

 そんな事を考えていると、トリス様の驚いた声が聞こえた。


「ベス、耳が…」

「耳ですの?」

「「「………」」」


 俺は、トリス様、レオン様、テレサさんが唖然としているので何故だろうと思って、ベスを見て思い出す。そういえばベスの耳について説明してなかった。ベスは寝ぼけているのか、すっかりライオンの耳について忘れている様子で、何の事を言われているのか分かっていないようだ。


「トリス様、言うの忘れてました。イフリートを倒したことで、ベスの獣人化が進んだみたいです」

「あ! そうですわ。耳が耳になりましたわ!」

「ベス、意味が分からないよそれじゃ」

「そうですわね。なんと言えば良いか分かりませんわ」


 確かにそれもそうなのだが…俺とベスが会話をしていると、やっと言葉をトリス様が発する。


「ここまで獣人化が一気に進んだのは初めて見ました」

「お母様でも見たことがありませんの?」

「ダンジョンの奥に行くにつれて徐々に獣人化が進むので、ベスのように一気に進むことは珍しいですよ」

「それなら、これは知っていますの?」


 ベスは耳をライオンの耳から、人間の耳へと変える。


「………初めて見ますが知ってはいます。有名なのがツヴィ王国のドラゴン族です。フレッドも知っているでしょうが、詳しく知りたいのならルーシーに聞いてみることです」

「今度聞いてみますわ」

「しかし、見る事はないと思っていた急激に獣人化が進む事と、獣人の部位を変化させる事を、自分の娘で見るとは思いませんでした…」


 トリス様の言ったことにレオン様も同意している。


「話したい事はあるが、私も初めて見るな。しかし皆、随分と疲れているようだ。簡単な聞き取りをしたら寝てもらう事にしよう」

「助かります」

「イフリートとダンジョンの砂漠で戦ったのは間違い無いんだな?」

「はい。イフリートを倒しているので、収納の魔道具の中に入っています」

「出して確認をしたいが、解体をするのにギルドや協会から人を呼ばないと解体できそうにないな」


 イフリートの解体は難しいようだ。イフリートと何故分かったか聞かれ、ベスがイフリートと知っていたので分かったと伝えると、ベスが見たというイフリートの説明が乗っている本を持ってきて確認したところ、今回見たイフリートと同じものが載っていた。


「戦ったのはこのイフリートです」

「そうか。ギルドと協会に急ぎ伝える。魔道具の中にあるイフリートについては、エドたちが起きてから確認する事にしよう」

「魔道具を渡すので、取り出して確認してもらっても良いですよ?」

「状況を聞きたいのでエドたちがいた方が良いだろう」

「分かりました」

「後の処理はやっておくので皆寝なさい」


 レオン様が寝る為の部屋を用意すると言うと、テレサさんが部屋の準備をお願いしたとレオン様に伝えた。メイドさんによって、俺たちは用意された部屋に案内されてそのまま眠りについた。


 起きて周囲を見回すと、知っている寝室ではない。寝ぼけながら協会ではなく、屋敷で寝たことを思い出す。部屋に誰も居ないので、勝手に動き回るのはどうかと思って、人を呼ぶ事にする。メイドさんがすぐに駆けつけてくれて、そのまま寝たので風呂の準備をしてくれた。風呂に入ると体をしっかりと洗って、ゆっくりとお湯に浸かった。

 風呂から上がると、寝ていた部屋とは別の部屋に案内される。部屋でゆっくりしていると、リオが入ってくる。


「リオも起きたのか」

「ええ、先ほど起きました。僕は馬車に乗ってから記憶がないんですが、そのまま寝てしまいましたか?」

「うん。リオとドリーは寝てしまったよ。だけど俺たちもイフリートが出たと伝えて寝てしまったから、リオとそう変わらないよ」

「すみません。馬車に乗ったら緊張が途切れてしまいました。説明してから寝ないととは思ってたんですが」

「俺も同じだけど、まともに説明できたか自信がないよ」


 リオと話していると、ドリーも入ってきて俺とリオに抱きついた。


「にーちゃ! リオ!」


 どうやら起きたら誰も居なかったので不安になったようだ。俺とリオがドリーを落ち着かせる。ドリーが落ち着いたところで、ドリーはメイドさんに連れられて風呂に入りに行くようだ。


「ドリーには無茶なお願いをしてしまったから、不安にさせてしまったみたいだ」

「そうですね。でも僕は逃げる訳にもいかなかったのです」

「リオが伝えに戻っても良かったと思うよ?」

「…はい。ですが僕は……」


 流石にベスの好意に気づかなかった俺でも、リオがドリーをどう思っているかは何となく分かっている。正直俺とベスの比ではないくらい大変な身分差だと思うので、今までは何も言わなかったが、今回のリオを見ていると心配になる。


「俺が言い出した事だけど、そこまで深刻に考えなくて良いよ。もうイフリートは倒したのだし」

「そうですね」


 俺がリオにできる事はダンジョンを一緒に踏破する事だが、今回イフリート戦った事で踏破できるのかと不安になる。今後のダンジョンをどうするかについても、後で話し合うべきだろう。

 俺がレオン様に寝そうになりながら伝えたイフリートの話を、思い出しながらリオに伝えていると、ドリーが風呂から出たのか部屋に戻ってきた。ドリーに付いているメイドさんは、いつの間にかドリーに令嬢教育をしているアビゲイルさんになっている。アビゲイルさんが食事の用意ができたと言うので、部屋を移動する。


「限界まで魔法を使ったから凄い量を食べてしまった」

「僕もこんなに食べたのは初めてです」

「ドリーも」


 こうなる事は分かっていたのか、アビゲイルさんが大量の料理を用意していてくれたようで、食事を始めると俺はひたすら食べ続けた。

 食事が終わったところで、アビゲイルさんが今後の予定を教えてくれる。皆が起きてからレオン様とトリス様に説明をして欲しいとの事で、俺は了承する。皆が揃うまでは、自由に過ごしていて良いとアビゲイルさんが言うので、俺たちは疲れが抜けきっていないのもあって、部屋に戻ってゆっくりと休む事にした。


「拙者が最後のようですな」


 部屋で休んでいると、アン、ベスと起きてきて、俺と同じように食事をしてゆっくり休んでいると、最後にフレッドが起きてきた。


「フレッドが一番大怪我だったから、一番睡眠が長いのは仕方ないと思うよ」

「そう言えばそうでしたな。風呂に入っても、火傷もないので忘れていましたな」

「火傷もないのは驚きだな。ところで、お腹空いてるんじゃ?」

「異常なほどに空腹ですな」


 フレッドが起きて来るまで時間があったので、皆はまた食べれそうだと、一緒に食事をしようと移動する。食事を始めると、俺たちは落ち着いて食べているが、フレッドは凄い勢いで食事をしている。フレッドの体と同じような量を食べていそうだが、どこに入っているのだろうか?


「ふう。落ち着きましたな」

「どこに入ったのかって言うくらい食べたね」

「正直、拙者も不思議ですな」

「それで余裕そうなところが凄いよ」

「時間をおけばまだ食べれそうですな。本当に拙者の体はどうなっているのですかな?」

「聞かれても分からないかな…」


 フレッドの体の不思議について話していると、飲み物が出される。食後の飲み物として紅茶を出されるかと思ったら、今回は炭酸飲料も選べるようで炭酸飲料を選んで飲んでみる。俺は嫌いな味ではないので飲んでいると、同じように炭酸飲料を選んだアンが不思議そうにしている。


「また新しく味ができているんですね」

「確かに飲んだ事ない味だね」


 アンに同意をすると、リオが事情を説明してくれる。


「それはお母様が炭酸の飲み物を気に入って試作した物ですね」

「え? ルーシー様が?」

「はい。お母様が気に入って炭酸飲料を毎日のように飲んでいますね」


 ベスが説明してくれたところによると、レオン様やトリス様の反応はそこまでだったのだが、ルーシー様が飲んだところ気に入ったようで、料理人や王都から来た薬師が色々と作っているようだ。


「なら協会で作ったのとかもルーシー様に味見して貰おうか」

「私の兄弟弟子も薬草を入れた新しい味を作ったようなので、今度持ってきてみます」

「ありがとうございます。お母様も喜ぶと思います」


 ベスが余談ですがと、レーヴェがハンバーガーを気に入って食べていると、話してくれた。年齢的に美味しいと感じる年齢な気がするが、レーヴェが好きなものを俺は作り続けている気もする。

 飲み物を飲んでゆっくりとしていると、レオン様とトリス様の準備ができたと呼ばれた。俺たちは案内されて部屋を移動する。

ブックマーク、評価、感想がありましたらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ