急
非常に残虐な表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
5
先程、国家はヒトグイのことを「人間」と認めていないと言ったが、別に私はそれを恨んだり、憎んだりしているのではない。いい印象があるわけじゃないが、非難することもできない。だって、まず仕方がない。「人間扱いしない」くらいしか、食欲旺盛なヒトグイへの抑制にやれることはなかっただろうし、それに実際、民間人に対して、ヒトグイへの拷問じみた実験をしていることを公表して以降、露骨に食人事件は減少している。それだけ効果的だったとも言えるし、同時にヒトグイにとって、それまでの処刑制度は食人を自制するのには生ぬるい刑罰だった、ということでもある。だが、それでも食人事件がゼロにならないあたり、ヒトグイの食欲の凄まじさを感じる。
こんな風に。
先輩の上に全裸で跨る赤髪の大女は、だが行為をしているのではなく、その解体を試みていた。愛する人を大鉈で、生きたまま捌こうとしている。だが、あんなほっそい腕の奴に押し倒されるなんて先輩も先輩だ。普段からわざとらしく筋肉を誇示して「逞しい」と女からキャーキャー騒がれているのに、なんて情けない。相手が彼女だから、本気が出せないのだろうか。
先輩は目と鼻の先の刃先を素手で、白羽取りというより手の肉で刃を食い止めるような感じで、どうにか死なずに済んでいた。だが、いくら先輩が鍛えていて、相手が胸を除いてひょろがりの女だからとて、先輩は今仰向けと言う不利な姿勢にあるわけで、しかも自身に向けられた刃物には大女の体重がこれでもかと乗っているため、もう長くは耐えられないであろうことが想像できる。
すぐにでも反撃しないと死にますよ、先輩。それとも、彼女には手を上げられませんか。
この問いに対する先輩の回答は、行動を以て示された。先輩の右手が、ぱっと大鉈を離し、直後大女の頬をバシッとひっぱたいた。それでも手加減しているのは感じたが、大女には体幹ってのがないのだろう。大鉈を放り出し、派手に吹っ飛んでしまった。
形勢は逆転した。今度は先輩が、大女に馬乗りする番だった。
あ、よく考えると大女の容姿を見るのは、これが初めてかもしれない。初めてこんな低い体勢になったのを見た。覗き込んでみるとなるほど、逝っちゃってる目をしてはいるものの、綺麗系の美人だ。鼻につく。
先輩は暴れる大女を必死に抑えながら、何事か説得の言葉を叫んでいた。もはや言葉にならない言葉だった。涙ぐみ、声を荒げ、近所迷惑もいとわない迫力をもってしても、大女は収まる様子がない。どころか大声に刺激されたのか、暴れ具合が激しさを増しているようにすら思える。
先輩はその後もしばらく説得を諦める様子はなかったのだが、十分もそうしていると大女の体力も尽きてきたのか気持ち落ち着いてきた。先輩はまた右手を離し、ベッドの上でくしゃくしゃに丸まっているタオルケットを掴んだ。なるほど、あれで縛ろうというのか。全裸の男が全裸の女を押さえつけ、縛ろうとしている。絵面だけ見ると犯罪そのものだ。
大女をうつぶせの姿勢へと変えさせ、両手を後ろに回させ、縛り上げる。確かに縛り上げようとした。しかし、大女は魚のように跳ね上がり、先輩を押しのけると、なんと全裸のまま玄関を飛び出してしまった。ちゃんと押さえつけてるようにみえたのだが。あんなに激戦を繰り広げ、一瞬は殺されかけてにも関わらず、先輩は手を抜いていたのだろか?
いや違う。単純に疲れていたのだ。女相手とは言え、自分を殺す勢いで襲い掛かってくるやつと数分も格闘するのには、流石に体力を削られたのだろう。
しかしこれで、先輩は二度、ヒトグイを取り逃がしたことになる。懲戒免職も確実なやらかしだ。いやと言うよりも、恋人がヒトグイだとバレでもしたら、先輩自体が解体実験にぶち込まれかねない。
本人がそれに気づいてるのかは知らないが。
だが先輩は、当初は大女を追いかけようとしたが、突如何かに気づいたように、ベッドの先、クローゼットの方を凝視した。
無言で、もう警戒するべき相手はいないのに摺り足で、クローゼットへと近づいていく。そして開き、いつぞやの食われた女、その時の表情になった。瞳孔がかっ開いている。
蠅が一匹、先輩の鼻先に止まった。
6
ヒトグイが出た。何でも、鉈で人間をさばき、食い散らかして逃げているらしい。だがそれは、数時間前、彼女さん宅で目撃したアレとは別件である。都心から東に二時間ほどの場所で食人事件が発生したのだ。犯人が彼女さんという情報はまだ出ていないが、鉈が凶器なら、あり得るかもしれない。
先輩は彼女さんのことを上層部に伝えなかった。一度伝えようとはしたが、茶色い上品な門を叩く直前に、凄く苦々しい表情を浮かべて、また自宅にもどってしまったのだ。
もう犠牲者がでてしまったのだから、自分の命とか顧みずに情報を引き渡してしまうのが、社会の常識上、先輩のような立場の人間が取るべき行動なのだが、そうも割り切れないのだろう。いや先輩が自分の命欲しさにだんまりしているとかではなく。
寧ろ彼女さんのことを思ってのことだろう。他の総裁により先に見つける事が出来れば、どこかに匿えるかも、とか考えているのかもしれない。
……まあ、もしそんなこと考えてるのだとしたら、とんだ倫理観だが。
しかし実のところ、先輩が少しはそう考えているであろうことも想像はできた。被害者の方への罪悪感こそあるだろうが、複雑なところなのだろう。
で、次に先輩が何をしたのかと言うと、勿論彼女さん探しだった。都心から東の方向で、彼女さんらしき人物が食人事件を起こした、と言う点に、何か心当たりがあるらしい。
もうすっかり暗くなってしまった。先輩は車を持っていないので、途中まで電車、そこからは徒歩で、その「都心から東」へと向かっていた。樹々の縫うように敷かれた、街灯の少ない、でこぼこの道路であ る。道を逸れると自殺の名所として有名な樹海に入る。
ここまででも何度かパトカーとすれ違っており、捜査員もこの辺に目をつけているのが分かる。
私は着いていくだけなので、一体何を目指しているのかはまるで分らない。
こ こに来る途中、夕方ごろ住宅街を通ったが、人の気配は一切なかった。皆、ヒトグイを恐れて、自宅に籠ってしまったのだ。食われるという恐怖と、自らもヒトグイになるかもしれないという不安。「ヒトグイは無から生まれたものではない」と政府が口を滑らせたせいで、しかも「何がどうしてヒトグイが生まれる」と具体的なことを一切言わなかったことも相まって、国民のヒトグイへの警戒心は必要以上に高まっている。まるでウイルスのように、ヒトグイはそれから人へと感染するかのように、徹底的に距離を取っている。中世の魔女狩りのように迫害と暴力に走っていないだけマシではあるが。
無駄と分かっている身としては、凄く滑稽な様である。愚かな話である。
そうこうしているうちに、先輩は目的地に着いた。道路から外れ、樹々の中へと分け入り辿り着いたそこは、家だった。否、家とすら言えないような、ボロ平屋だった。完全に陽が落ち、暗闇におちた樹海の中で、苔とツタで厚く覆われているせいで、おそらく元々は四角かったであろう家が、なんと若干丸くなっていた。
手入れが一切されていない。不潔を極めている。
「黙れ」
あ、やっと私を認識しましたね、先輩。
ボロ平屋の中は外見ほど汚くはなかった。チリ紙やチラシ、なぜか鉛筆など散らかってはいるが、一応掃除機や箒で埃を掃除した跡はある。その中には一つの写真立て……あ、ここ彼女さんの家か。そりゃ私の発言にピキるわけだ。
先輩は彼女さんはここにいる、と踏んだのか。なんとも安直。多分明日、下手すると今日にでも、諸々状況を察した捜査員が突撃してきかねない。
「今日はない。奴らはそこまで優秀じゃない」
舐めてますね先輩。自分だって二度もヒトグイ逃がしてるくせに。
「今見つけることができれば、まだ手は打てる」
匿いますか? 覚悟決めましたか。
「……」
腑抜けめ。
「……××くん?」
先輩との間に気まずい空気が流れ始め、それを遮ったのは、彼女さんの声だった。
7
鉈が空中で曲線を描かないくらい乱暴に振り下ろされた。軌道があんまりにもブレッブレだったので、背後からの奇襲だったにも関わらず、先輩の頭部への直撃は避けた。代わりに鉈はその肩へと深々と突き刺さった。
「××くん?」
そのまま切り落とさんとばかりに、鉈に力が込められている。先輩も黙ってぶっ刺されているわけではなく、鉈を振り下ろす彼女さんの腕を両手で押し返している。
「○○!」
その名前を叫ぶ。だが怒鳴っているのではない。呼び戻そうと必死な様子だ。
「○○! ○○! ○○!」
「××くん?」
まるで通じていない。先輩の瞳が微かに曇った。そして直後、何かが弾けるような音が響いた。彼女さんの腕から手を離し、真っすぐ伸ばされた手の先には、スタンガンが握られていた。そのままくずれ込む彼女さんを支え、床に寝かせる。
懐に切られてない方の腕を入れたかと思うと、包帯と小さいプラスチックの容器が取り出された。容器の方は、消毒液だろうか。それを傷口に塗りたくり、さらに包帯を巻きつける。
「で、どうなさるおつもりで?」
肩を上下させ、荒い呼吸をする先輩。意識を失った彼女さんに手を伸ばすも、ピタリと動きを止め、やめてしまった。彼女さんを観察してみると頬や腕から流血している。逃走の際に付けられたものらしい。
「先輩、もう彼女さんは無理ですよ」
先輩は答えない。「手は打てる」とか言っていたのに、いざその状況になると、だんまりになってしまう。良くないところだ。
「……外に、運び出す」
言うが早いか、彼女さんを担ぎ上げて玄関を抜け、夕闇に包まれた外、樹海の中へと戻っていった。ここに長居しても良いことはなさそうだったから、一応理解できる行動だったが、それでも私には、するべきことが分からない先輩が混乱の末に突発的にとった行動のようにも見えた。後先考えていないかのように。そして私はそのことを、口に出した。
「しかし先輩、それは現実逃避なのでは?」
「じゃあお前には何か考えがあるのか」
「いやいや、あるも何も、彼女さんを匿うか否か、決断するだけじゃないですか」
匿ったところで、元のイチャラブカップルにはまず戻れないだろうが。
「……」
先輩はまた黙ってしまった。本当に悪い癖だと思う。言いたいことがあるなら、それが固まり切っていなくとも、口にすべきだろうに。
「殺す」
心臓がビクンと跳ねた。
「誰かに殺される位なら、俺がやる」
「……へえ」
まじまじと先輩の顔を見つめる。腑抜けかと思っていたが、やる気はあったらしい。その手には、彼女さんから奪い取った鉈がある。
「確かにヒトグイを、彼女さんを先輩が逃がした結果、犠牲者が出てしまったわけですから、責任取って殺すくらいはしないと、格好つかないですよね」
ヒトグイを殺す。それは今の社会においては、害獣駆除と同義である。
私情故の行動にも思えるがしかし、結局は社会における正義に屈服したとも思えてしまう。
「ならもう少し樹海の奥でやったほうが良いですよ」
万が一、誰かに声が聞こえたら止めに入られて面倒なことになるとか、色々と適当な理由を並べ、私は先輩を暗闇の更に奥へと誘う。夏夜の風が腐りかけの落ち葉を空へと舞い上げた。
8
私はもう長いこと先輩の隣にいた。彼女さんなんかよりもずっと長く、先輩のお母さんとタメを張れるほどには、膨大な時間を共にした。一緒に居すぎて、今となっては先輩のことはだいたい分かるようになった。趣味趣向だけでなく、性格から思考の傾向、癖など、先輩自身が知らないことまで私には分かる。
そしてそれらを踏まえると先輩の行動の予測も大方予想できるし、先輩が私を認識して意思疎通可能になったのなら、私にとって望ましいようにある程度動きを誘導することもできる。
こんな風に。
先輩は愛おしそうに彼女さんの名前を呼ぶと、鉈を振り下ろした。
彼女さんは目を覚まし、自身の首が深く抉られたことに気が付くと、叫び出した。喉が血で満たされているせいで、うがいのような音が響く。傷口を右手で抑え、左手をぶんぶん振り回し、抵抗を示している。どす黒い血が指と指の隙間から湧き水のように漏れ出ている。
彼女さんの方が身長があり一見有利そうに見えるが、武器の有無はそれ以上に有利不利を生む。数時間前の乱闘とは打って変わって、彼女さんは押されていた。
一方の先輩は眼に涙を浮かべ、鼻水を垂らし、イケメンが台無しのぐずっぐずに歪んだ顔で彼女さんを解体していた。猛烈に抗う彼女さんをしっちゃかめっちゃかに切りつける。一振りするごとに、血が吹き出る。あんなに流血している状態では、まともに動けやしない。もはやタイマンで先輩に勝てる可能性は皆無である。彼女さんの行動は、自らの死をより苦しいものにしているに過ぎない。
とは言え、当事者からしてみれば、とても自分を客観視できる状況じゃないんだろうが。
鉈が皮膚へと食い込み、彼女さんを近くの樹へと叩きつけた。大きな樹洞のある樹だ。真っ黒な血が、辺り一面に飛び散る。
黒い刃は、続いて頭のてっぺん、右腕、左足、胴体を切りつけてゆく。潮の如く流血し、徐々に彼女さんの目から生気が消えていく。ヒトグイの終焉、人間が人間を喰うという、あってはならない事態———その一旦を担ったのだから、然るべき報いと言える。今の彼女さんはもう、食われるのを待ち、自身の命が尽きるのを怯え待つだけの被食者である。
しかし、一方の先輩はというと、鉈を携え目の奥に白い炎を宿し———そして、流れ出る羊水の如き血液を、恵雨のように浴びていた。鉈を振り上げると、死にかけの獲物が放つ断末魔、それを見下ろすのは大きく見開かれた目。立ち姿は殺人鬼のそれと差異なく、その顔は、もう人間とは言えなかった
先輩は境界にいる。
私は何も言わない。
止めもせず、促しもせず、傍観するに留めた。
成り行きを見守った。
化粧の滲んだ顔の皮が剥がれ、真っ赤な内側が露わとなる。先輩はそこへと食らいつく。新鮮で血をたっぷりと含んだ肉がミチチチと伸び、ブシャッと千切れ、口内へと吸い込まれていく。唇からぽたぽたと血液が溢れる。
「なぜ」
先輩は言う。
「なんで」
骨をしゃぶる。先輩は言う。
「なんなんだよお前」
骨の内の神経すら取り出さんと、かじりついている。
私は何でもないですよ。強いて言うなら、何かなのはあなたの方です。
あなたが、ヒトグイになっただけですよ。
「違う違う」
人を喰っていながら否定とは、先輩はそういうところも良くないですね。私が懇切丁寧に説明してあげましょう。
人が人を喰っちゃいけないなんてルール、本当はこの世界にないんですよ。人が勝手に作っただけで。生物は毎分毎秒進化しているんです、先輩。あなたは、彼女さんは、ただ他の人よりも少し早くその時が来ただけです。
だから怖がる必要はないんですよ。罪悪感を持つ必要もないんです。
先輩。
マニキュアの塗られた細く艶々とした指が、真っ暗な口に、筋繊維の詰まった歯に噛み砕かかれていく。床が軋むような、骨のひび割れる音がした。人間の骨は相当固いと聞く。噛み砕く過程で、多分先輩の歯も何本か逝ったのだろう。己のエナメル質ごと彼女さんを喰らっているわけだ。先輩の一部と、彼女さんの一部の一体化。これはこれで愛なのかもしれない。
咀嚼される肉の中から、ポトリと光るものが落下する。それは指輪だったありきたりな愛の形だった。そう言えば先輩も付けていただろうか。自宅に保管しているんだったか。
彼女さんが消えても、愛の具現化は残り続けるわけか。美しい話な気もするし、これで本当に繋がりが断ち切られたような、寂しい感じもする。先輩が指輪に手を伸ばした。食事の邪魔をしてはいけないと思い、私は心を鬼にして思い切り蹴とばしてあげた。
最後まで食べなきゃダメです、先輩。
肉を差し出す。先輩は少しの間止まった後、黙って受け取り、口の中へとねじ込んだ。
9
私は先輩を置いて帰ることにした。あの様子だと食い終わるのに暫く時間はかかるだろう。それに私とてもう暇じゃない。彼女さんの遺体はこの世から完全に消え失せるから良いとして、問題は彼女さん家のアレだ。先輩に食わせようか。だが腐っているし、腹を下すかもしれない。焼けば問題ないか。いやいや、その臭いでばれてしまう。森で焼いたりなんてしたら火事になるだろうし、いや困った。
ふと空を見上げると、満月である。霞のような薄い雲に覆われ、その輪郭はやや朧気ではあるが、月光の下で名前も知らない鳥たちがばたばたと羽ばたき、ギャーギャーと鳴きわめいている。それらはゆったりとした速度で、私と同じ方向、街の方へと進んでいる。
問題は山積みである。だが、不思議と嫌な気はしない。いっぱい歩いたし、お腹もいっぱいになったせいか、心地よい眠気すらある。
今の私は人間である。まぎれもなく、あの明かりに暮らすものと同じである。人間には己以外の生物を喰い、生活に生き、そして幸せになる権利がある。
先輩とは今後も、断続的にではあるが会うことになる。完全に人間を辞めるその時まで面倒を見る必要がある。継続的に人肉を与える必要がある。
ああそうか、ならば私が人間を調達しないといけないのか。面倒ごとが一つ増えた。
遠くで誰かが咆哮した。男の声だ。先輩だろうか。食事の時以外は猿轡を噛ませた方がよかっただろうか。
少し考えて、踵を返すことにした。振り返り、来た道を見据え、私は気が付いた。
私がいることに。
違う、厳密には私ではない。それは黒いスーツを着た若い男だった。新卒ぐらいの歳だろうか。がたいの良さと胸がないことから男と分かるが、なんか女みたいな顔をしている。ポニーテールなのも女性っぽさに拍車をかけている。
何かをちゅぱちゅぱしゃぶっていたが、私に気づくと、驚愕の表情を浮かべてその何かを落としてしまった。口から吐き出されたそれは、目玉だった。
視神経がついたままの、まだ新鮮な目玉だった。
そして彼は、彼らは、その真っ暗な樹海から姿を現した。背丈、性別、容姿は一様ではない。だがそれは、私の同類だった。一斉に数多の絶叫が響く。その中には、微かにだが先輩の声もする。
そして私は悟った。
先輩には嘘をついてしまった。先輩や彼女さんだけではない。
この世界に、その時が来てしまったのだ、と。
これでおしまいになります。読んでくださり、本当にありがとうございました。




