隠れ楓と僕
時に残酷な描写があります!(◎_◎;)
僕は世にいうところの引き籠もりらしい。
別に、だからどうとか、そう言うのでは無いのだが、楓が言うのだ。
「お前は引き籠もりだ。生きている価値が無い」
これを聞いて何だか府に落ちてしまった。
僕はどうしようもない、只の人間なんだって。だからかなのか、僕はその楓を好きになってしまった。
もういい歳なのだから、色恋がどうのなんて毛頭言う筈もない。恋なんてくだらない。
だけど、それでも、僕という一人の人間が、一人かどうかも怪しい人間が好意を持つには、その楓は十分過ぎる程の人間で、少女だった。
僕等の出逢いは正直良いものでは無かった。
楓と出逢ったのは大学の入学式。
一段と騒がしい集団に目をやると、彼女はその中心にいた。
集団の真ん中にいたのは、髪がかなり短いショートの、パッと見では性別の判断が出来ない、少女だった。
ふと目が合った気がした。ただそれだけだ。
それで終わりだと軽々しく思っていた僕はバカだった。終わるはずがないのだ。
囲んでいる男子を押しのけ、僕の前でに彼女は現れた。
「何見てるんだ?友達になりたいのか?」
男勝りのその口調。ほとんどの人は彼女が女の子には見えないだろう。
だけれども、本当にそれだけだ。
「いいえ。あなたには素敵なお友達が沢山いるようなので」
僕は正直人に興味を殆んど持ったことが無い。
だからー「僕は貴方の人生において、何の価値もない人間ですよ」
だが彼女は力強く反論してきた。
「私の人生に価値があるかどうかを決めるのは私だ。それ以上でもそれ以下でもない。ましてやお前如きに決
められるものじゃない」
強いな。
その時少しだけ彼女という存在に興味を持つことができた。
だがこの時はまだ知らない。この後に何が起こるのか。
いや、もしかしたら、彼女は知っていたのかもしれない。この先に起きる自分の、世に言う運命って奴を。




