表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーリング  作者: Yua
91/91

第91話。紅葉2「鴨の水掻き」ってどんなです?

『一人になりたい』


それはあの人にとって、かつての癒しであり、幸福であり……、今の私にとってのトラウマ……。


私はあの人を一人にしたくなくて、この世界に生まれることを志願した。自分の役目を勝手に投げ出した後ろめたさもあった。



(この人を一人にしてはいけない)


それは、私がこの世界に生まれて黒兄を見てから、ずっと漠然と思っていたこと。



黒助「なんか最近、無性に一人になりたくなるんだけど……」


きっと今回のこれは本気ではない。ただなんとなく前世の影響で、求めてしまっているだけだと私は思う。なんなら本当に甘えて言ってるだけなのかもしれない。一度、本当に一人にさせた方がいいのかもしれない。けど……、


(この人を一人にしてはいけない)


私のトラウマが何度も私にそう呟く……。




「よく分かんないけど、とりあえず一人旅でもしてみたらいいんじゃない?」――まりー


「そうだな、一度、黒助も外の世界を見てみるのも、いいのかもしれないな」――ゴルト



「ダメーーー!」


私は両親のその提案に、反射的にそう否定の声を上げていた。その後も私は否定し続けたけど……、一人旅と言う言葉に惹かれてしまった黒兄が、どうやら本気になってしまったみたいで、結局止めることが出来なかった。



ならばと! 私も一緒について行くと最後まで粘ったけど……、


「紅葉も一緒に行く! 行く!」

「いや、それだと一人旅じゃないし……、まぁ多分すぐ帰るから」


普段見慣れない私の駄々に、黒兄は困惑しているようだったけど、頑なにその私の駄々は聞き入れてくれなかった。そんなやりとりを何度も何度も続けた結果、私はとうとう渋々ながら引き下がった。



「もう黒兄なんて知らない! 何処へでも行っちゃえばいいよ! 私はヒロ兄もふって待ってるから! ヒロ兄のしっぽが禿げ上がらない内に帰ってきてよ! あと、お土産もね!」


少し熱くなっちゃった……。ヒドイ事、言ったかも……。

でもお土産は楽しみです。



 黒兄は結局そのまま一人旅に出ていった。


シル姉が止めてくれないかなぁって期待したけど、それもダメだった……。シル姉は普段、がさつで豪快なのに、ここぞという時は、ホントにビックリするくらい奥手で繊細……。



黒兄の事が好きなのバレバレなのに、何を戸惑ってるの?


「だって……、私なんかが……、私なんて……、汚れてるし……」


あぁ……、シル姉の鬱スイッチ、入っちゃいました……。こうなるとホント長いんです……。普段からは本当に想像できないんだけど、なんていうか、シル姉の闇は深いです……。



「結局置いていかれちゃったし……、やっぱり私のことなんて……」 ぅ……

 

今回の鬱モードは特に濃い……。


本当はついて行きたかったんでしょうね。離れたくなかったんでしょうね。黒兄もこんな子、置いていかないで欲しいなぁー。


どうしよう……。




 まぁでも私ではどうしようもないから。それ――シル姉――は放っておくとして、私は約束通り、ヒロ兄をもふります!


「ヒロくぅ~ん」 だきっ、もふもふ、もふもふ 


はぁ~、ヒロ兄は私の癒しです。なんなのでしょう、このふわっふわで、もっさもさな尻尾は……、堪りません! そしてヒロ兄は、こんな醜い私の欲望をしっかりと受け入れてくれます。幸せです。大好きー! もふもふ、もふもふ。 



「紅葉ちゃん……、今日、激しい……」


そんなヒロ兄の可愛らしい声につられて、そのあと、私のもふる勢いは増していきました。黒兄が居なくなっても、私にはヒロ兄が居ます。もっふもふです。もふもふ独り占めです。黒兄が帰ってきたら自慢しよー。きっと悔しがります。







……はぁ……、でもやっぱり早く帰ってこないかなぁ……。


私はもう、あの人が一人で居る所は見たくない……。


一人が好きになって欲しくない……。

一人に感謝して欲しくない……。

一人を望んで欲しくない……。



私が望むことは、望んだことは……、


私はあの人に……、




『誰かを愛して欲しかった』――ただそれだけ。





シル姉、本当に頑張ってよ! そんな隅っこにうずくまってないでさ……。


「私なんて……、どうせ……ぅ……」 ぅ……ぅ……



黒兄、お願い、早く帰ってきて……。

村人I「いもうと」   ――紅葉

村人F「フォックス」  ――ヒロト

村人Y「妖怪」     ――ヨウコ




つかれた~、休憩~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ