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シルバーリング  作者: Yua
65/91

第65話「雨夜の月」「猫の歯にノミ」「老兵は死なず消え去るのみ」珍しいのです……。

おはようございまーす。黒助です。うぅ……寒いです……。


布団から出るのが億劫になるような、今日は、そんなとっても寒い日です。どうにかこうにか布団にしばしの別れを告げるために起き上がり、窓の外を覗いてみると…………。なんと! 雪が降ってます! びっくりです!

 

というのも、この村で雪が降るということは、とっても珍しいことなんです! 僕がこの村に生まれてからは、一度も見たことがなかったくらいには、珍しいんです! つまり、この人生の初雪です! 


寒さなんて、布団と一緒に一瞬で吹き飛んで、さっそく庭へ赴きます! 

はい、やってきました! 



どうやら、うっすらとですが積もっているようです……。


粉雪……? よりも大きめな、灰のような雪がしんしんと降り注いでいて、視界の一面が真っ白です……。本当に真っ白……。あまりの光景に言葉を失います……。頭の中まで真っ白です……。心まで白く、染められちゃいました……。




そしてなんと! この珍しい雪の日に、この村に新たな猫さんが増えました!


そう、キャロさんが出産しました!

雪のことなんて、頭の中から一瞬で溶け去って、さっそく赴きます!


はい、やってきました! 

初対面です!


そこには、生まれたばかりの、二人の赤ん坊がすやすやと眠っていました。

どうやら双子のよです。珍しい……。


まぁ、猫って多産のイメージですしねー。

関係あるかは分かりませんけどー。



男の子と女の子の双子です。

男の子がトール、女の子がユニと名付けられました。


村人T「 すー すー すー 」 Zzz Zzz Zzz

村人U「 すー すー すー 」 Zzz Zzz Zzz



二人とも、よく眠っています。



そして、どっちの子も、もちろんですが猫耳がついてます! 


トール君の猫耳は、若干トラ柄です。

少し黒い部分があります……。珍しい……。


ユニちゃんの猫耳は、キャロさん似の茶色。

少し白い部分があります……。珍しい……。


まぁ、何にせよ可愛い子たちです。

モフモフする日が楽しみです! 


もふもふ もふもふ なでなで もふもふ




そして、この子達の両親はというと、今、とっても感慨深そうに抱き合ってます。感慨深そうなのに、大泣きしてます。こちらも、まるで生まれたての赤ん坊みたいに泣いてます。こちらもまるで双子のようです。まあ、色々とあったもんね……。


とりあえず邪魔しないように見守ってます。




村人D「…… …… ……」


うん?


顔を横に向けると、いつの間にか来ていたのか、姉ちゃんがいました。まぁでも、それはいいとして……。今、僕の隣で、トール君とユニちゃんを見ている姉ちゃんの表情がなんだか陰ってます……。なんだか辛そう? こんな表情は初めて見ました。珍しいです……。



黒助「姉ちゃん? どうかしたの?」


我慢できずに、問いかけてしまいました……。



村人D「な、何でもない! 二人とも可愛いなぁって思ってただけだから!」


あからさまに、誤魔化されました。

うーん、どうやら話してはくれないようです……。



黒助「いつか話してねー」


どうやら聞いて欲しくはなさそうな感じなので、それだけ言っておきます。



村人D「うん……いつか話す……。今は、聞かないで……」


こんなにしょんぼりした姉ちゃんは初めて見ました。

今日の姉ちゃんは、なんだか珍しいです……。



黒助「うん、分かった。それより姉ちゃん! 遊ぼー! 雪だよ!」


はい! 正直なとこ、遊びたくて仕方ありません! 


だって雪ですよ! 雪! ほんのりしか積もってないですが、遊ぶには十分です! 村も一面が真っ白です……。珍しい……。すごい……。



村人D「ぅ……うん……。遊ぼっかー」


あ、あれ? 少し、泣いてる……? 珍しい……。



村人D「くろすけ、ありがとう……」

黒助「え? うん、どういたしまして?」


えっ? 急にどうしたの? 今日の姉ちゃん、珍しすぎる……。

またからかってる? そんな雰囲気じゃないけど……。ま、いっか。



村人D「よし! 行くか!」

黒助「おーーー!」


あ、いつもに戻った。


何だったのか気になるけど……。ま、いいや。

聞いて欲しくないみたいだし、気にしても仕方ない。


そんなことよりも、今日も精一杯、遊ぶぞー!




そうして、それから僕と姉ちゃんは日が暮れるまで、雪遊びを楽しんだのでした。




 。。。


そうそう、新しく生まれた命があるように、死んでいった命もあります。


少し前にカイルさんが亡くなりました。

カイルさんは老騎士だった人です。


まあ亡くなったからといって、何かあるわけではないですが、ああ、そうなんだみたいな感覚です。


この村には前世の記憶がある人が多いです。

なので、この村の人達と地球人では、死の捉え方が違います。


村人達は死ぬことについて、ちょっと旅立ってくる的な? 行ってらっしゃい的な? ちょっとさみしくなるなぁ的な? まぁ、またいつかは、この村にも顔出しに生まれてきてねー、的な感覚です。


僕も前世の記憶があるし、死んだらまた、あのおばさんに頼んでみようかなぁ的な感じです。軽いです。


なので葬式なんてしませんし、墓も立てません。

意味のないことだと知っています。


悲しんだりなんかも基本的にしません。むしろ、逆に祝います。

そもそも、死ぬことが悪いことだと捉えていません。


学校の卒業式みたいな感覚です。

卒業おめでとう、みたいな感じです。


生まれることが喜ばしく、素晴らしいことなら……

死ぬことも喜ばしく、素晴らしいことのはずです。


学校でいう中退や退学は、あまり推奨されませんが、精一杯に生きて死んだのなら、とても喜ばしいことです。


中にはもう会えなくなって悲しむ在校生もいますが、そんな人でも故人がしっかりと卒業できたことを喜ぶ気持ちの方が、大きい場合がほとんどです。


この物質的に有限な世界では、何かが新しく生まれるには、何かが死ぬ必要があります。どうせ何かが死ななきゃならないなら、楽しんで喜んだ方がお得だよね!


これがこの村の死についてのスタンスです。



トール君、ユニちゃん、いらっしゃい! もしくはただいま? そしてカイルさん、行ってらっしゃい!




 ○ 私の独り言 ○


地球人は何故あんなにも死を怖がり嘆くのか……。

私には、本当に本当に不思議に感じます……。


どうしてそんなに怖がるの?

別に怖くなんてないよ?


この地球で、死ぬことに恐怖を植え付けたのは誰ですか?

恐怖を植え付けて得をするのは誰ですか?



世界を壊すこと、死ぬことが怖いものだと植え付けた悪魔さん、震えていてください。自業自得です。お似合いです。



創造の前には破壊がある。


神は世界を壊します、殺します。

新たな創造のために。



あなたはどうか死を怖がらないでください。


神は恐怖が好きではないのです。

なので、神は恐怖を消しちゃいます。


だから、あなたも怖がっていたら、消されちゃいますよ?




恐怖なんて時代遅れなの! 楽しく生きるなの!

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