第41話「腹は立て損喧嘩は仕損」笑い得なのです!
姉ちゃんに膝枕をしてもらい、少し眠ったあと、僕は目を覚ましました。枕元には、ふかふかの芝生さんがあります。姉ちゃんは……
村人D「あー、ごめんごめん、膝が痺れちゃって」
黒助「ううん、ありがとう、すごく気持ちよかった」
何も悪びれることなく言ってくる姉ちゃんに、僕は素直に感謝を返します。
こうやって遠慮なく接してくれる姉ちゃんには、本当に助かります。足を痺れさせて、我慢してもらってまで膝枕をされても、正直反応に困ります。
次は寝ないようにしなきゃとか、それかもう頼むのはやめといた方がいいかなぁって、めんどくさい僕なら思っちゃいます。
こうやって遠慮なく接してくれるから、いつでも気軽にお願いできます。
黒助「気持ちよかったから、もう一回やって」
村人D「いいよ、やってあげる、おいで」
何だか今日の姉ちゃんはとっても可愛いです。猫さんとはしゃぎすぎたし、吊り橋効果? みたいなやつですかね?
とりあえず早速また膝枕してもらいます。えいっ。
あぁ、とっても落ち着きます……。幸せです……。
横の目を向けると、向こうでは猫さん達がまだじゃれ合っています。元気だなぁと思いながら、僕のまぶたは再び閉じられます……。
お休み~。
。。。
その夕
黒助「ただいまー」
まりー「おかえりー、うふふ、黒助、どうしたのその顔、ふふ」
姉ちゃんと一緒に家に帰った僕を、母は必要以上の笑いで出迎えてくれました。不思議に思って、僕は鏡で顔を見てみると……僕の顔に猫ヒゲがありました。落書きされてました。姉ちゃん……
村人D「いや~、くろすけの可愛い顔見てたら、つい」
と何も悪びれることなく言ってくる姉ちゃん。
けど、まぁ、別にいいか。たまにはこういうのも。それにすごく気持ちよかったし、膝枕、またお願いしよ。
そういうことで今日は猫になります。
黒助「にゃー」
まりー「あ、なんだかいいわね! シルちゃんが書いたの? 私にも書いて!」
村人D「えっ、えっと……まりーさんにですか……そ、そんなこと……」
まりー「お願い!」
村人D「っ……。分かりました……。し、失礼します!」
姉ちゃんは、母に対してはいつもこんな感じです。なんでも昔、母とこの村に住み着いている大精霊のセフィルちゃんに、計り知れないほどの恩を受けた事があるそうです。
そんな恩人である母の頼みを断れなかった姉ちゃんは、魔法を使って母の顔に猫ヒゲを書いていきます。
へー、そうやって書いてたんだ……器用。
。。。
まりー「みゃー!」
黒助「にゃー」
そうして母と僕は猫になります。
紅葉「シル姉! 紅葉も書いてー!」
ゴルト「私も頼もう」
紅葉と父も参戦です。
まりー「みゃー! みゃー!」
ゴルト「にゃー!」
黒助「にゃー」
紅葉「にぁー、にぁー、にぁー」
こうして我が家はみんな猫になりました。
村人D「くろすけー、私にも書いて!」
黒助「にゃー」 (無理ー)
僕にはそんな器用なこと出来ません。
あ、鏡を見て自分で書いてる。
最初からそうすればって思わなくもないけど、まあここの村人って鏡を見る習慣って無いからね。直ぐに思いつかなくても仕方ない。
村人D「にぁー!」
うん、かわいい猫さんです。 なでなで
○ 私の独り言 ○
怒るって凄くエネルギーを使いますよねー。
怒るって本当に疲れますよねー。
だから本当は、怒るなんかよりも適当に許してしまう方が、簡単でとっても楽なのです。
なのに……今日も向かいの家のご近所さんは、朝からずっと何かに怒って怒鳴ってるのです……。
もしかして、このご近所さんは楽をするのが嫌いな人なのでしょうか?
熱心な方なのです。ご苦労様なのです。




