第17話。魔王軍1「鶴の一声」どんな声なのです?
「ハッハッハッハッハッハ」
魔王城。
そう表現するのにピッタリな巨城にある玉座に座り、ひとりの男が高笑いをする。
「いやー、順調! 順調!」
魔王。
そう表現するのにピッタリな佇まい、そして出で立ちである。
「この調子で行けば、この世界が我らの物になる日も、そう遠くないかもしれんなぁ」
魔王アバンは、彼にひれ伏す配下を前にして、そう呟いた。
「アバン様、お次はどうなされますか?」
魔王四天王、序列Ⅰ位パズーがアバンに尋ねる。
「そうだなー、次は、西を固めるか、東のヴェギ王国を攻めるか、といったとこだな。オルネウス、お前はどう思う?」
魔王アバンが序列Ⅱ位オルネウスに問いかける。
「ハッ、まずは、西側の領地を磐石にするべきかと愚行します」
この世界の西側の国々は、もう既に魔王軍に占領されてしまっているが、一部の反抗勢力は未だに存在している。
「なるほどね、カビエル、お前はどう思う?」
魔王アバンが序列Ⅲ位カビエルにも問いかける
「東をどんどん拡げちゃいましょうよ! ここの奴らなんて、よゆーっすよ!」
「おい! 言葉使いに気をつけろ若造!」
「す、すいませんっす!」
序列Ⅰ位パズーが、序列Ⅲ位カビエルを咎める。
「よいよい、そのような些細なこと我は気になどせん」
「ハッ、申し訳ありません。出過ぎた真似を致しました」
「よいよい、我は今、機嫌がいいのだ。してそうだな……ならば……」
そして、魔王アバンは一考し……
「オルネウスよ」
「ハッ」
「お主には西を固めてもらおう」
「ハッ!かしこまりました!必ずやご期待に応えてみせます!」
「うむ、期待しておるぞ。次にカビエルよ」
「は、はい!」
「お主はパズーと共に東を攻めてこい、手段はお主らに任せる。好きにするが良い」
「は、はいっす。頑張るっす」
「御意」
「他の者は我が城を守護せよ!」
『ハッ!!!!』
「以上!解散!」
その彼の一声により、彼の配下たちは、数人だけをその場に残して散っていった。
。。。
「やれやれ、元序列Ⅰ位シルヴィアが裏切った時はどうなるかと思ったが……。いたって順調ではないか!
それにしても、シルヴィアの奴め、一体何が気に入らなかったのか……あれだけ面倒を見てやったと言うのに……。まぁよい、所詮奴は四天王最強!
……だが一人ではどうせ何も出来まい、魔王軍の面汚しよ!」
元序列Ⅰ位シルヴィアが居なくなったことにより、
他の四天王の序列が繰り上げされた、序列Ⅳ位は空席である。
「海底都市が残ってはいるが……西はもう我の物と言ってもいいだろう。北は我々の居る魔王領。次は東だ……そしてその次で……」
魔王アバンは、物寂しくなった王の間で一人呟く。そして……
「近い、近いぞ!我が、この魔王アバンがこの世界を統べる日は!」
そう一人感傷に浸るのだった。




