プロローグ
至らないことばかりだと思うので、改善点など皆様よりご教授願いたいと思っております。
誹謗・中傷はお控えください。
プロローグ
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「……なんだここ」
目が覚めると、俺は何もない暗闇の中にいた。
周りを見ても、ただ先の見えない闇だけがあった。
その闇の中を歩く勇気のない俺は、ただ其処に立ち尽くしていた。
「……俺は、どうしたんだ?」
自分を覆うようにある暗闇、そして何も覚えていないこの状況……自分の頭がおかしくなってしまったのかと思った。誰かに連れてこられた訳でも無く、かと言って自分でこんな所に来た覚えもない。一体此処はどこなのかと思考を巡らせた時、記憶がフラッシュバックした。
なんだこれは?記憶?
それは見知らぬ土地に大きな建造物……
そして自分の周りには多くの人がいる光景だった。
だがそれらは自分の一体何なのか、分からなかった。
思い出せない……こいつらの顔も、声も……
そして突然また違った記憶が蘇り、映し出された。
そこには日の光を反射しながら煌めく金色の長い髪をなびかせている。自分よりも背の低い華奢な女性の後ろ姿があった。
君は……誰なんだ?
まるで俺の独り言が届いたかのように背を向けていた女性が此方を向くが、何故か顔の目や鼻部分が黒く塗りつぶされていた。唯一見える口元は、優しく微笑んでいるように見えた。その微笑みにどこか落ち着いた気持ちになっていると、突然その女性が消え、一気に辺り一面が火の海へと変化した。
目の前には一人の男が大剣を持ち佇んでいた。
そして……
その最後の光景は解答であり、どうやら真実のようだった。
「そっか…俺は死んだのか」
「その通りです!」
ただの独り言だった俺の言葉に誰かが同意をした。声からして女性だったが、周りは暗闇なので何も見えてはこない。ついに幻聴が聞こえ始めたのかと思った。もし本当に誰かが存在して何か知っているのなら、今すぐ全てを聞きたかった。だからか気づいたら叫んでいた。
「誰だ!何処に居る!お願いだ出てきてくれ!!」
「そう叫ばなくてもちゃんと出てきますよー」
暗闇に向かって叫ぶと、突然後ろから先程の声が聞こえてきて俺は後ろを振り返った。そこには一人の女性が微笑みながら立っていた。だが、その女性の背後から後光のようにまばゆい光が差し、身体が宙に浮いた状態だったのですぐに人ではない事を悟った。女性は透き通るような肌に純白のドレスを纏っていた。そして、美しく輝く薄紅の長い髪をした姿は”美”そのものだった。
「……お前は?此処は一体何なんだ?」
「私は女神。で、此処は終焉の地……言わば魂だけの状態の者たちの待機場……みたいな感じです」
「めがみ?」
こいつ何言ってんだ?もう、わけが分からない
いや……まてよ……
俺は死んで魂だけになったから此処にいるってことか?
「あ、そう言えば貴方は記憶がほとんどないのでしたね。女神は世界の管理と、生者と死者のバランスを保つ…などをしてます。もうそれだけ覚えてくれればいいです」
意外と適当な説明の女神に俺は呆然としながらも絞り出すようにして返事をする
「さて、先程貴方がおっしゃった通り、貴方は死んでしまいました。」
女神は俺に容赦なく俺の死を告げた
う~ん、何か………何か、こういうのってもっとオブラートに言うもんじゃないのか?…なんか段々微笑みが怖くなってきたな
俺の前にいる女神は、死者を憐れむような表情を全く見せず、こうして考えている間も表情を崩さない。まるで心がないように見えた。
「なんか、もっと違う…言い方?はないのか?」
「なんです?もっと悲しそうに、憐れむように言って欲しいのですか?」
女神は俺の言葉に対して眉をひそめながら聴き返してきた。
「うん…いいわ」
そんな嫌そうな顔しなくても、と言いたかったがそんな事を言っていても話が進まないので俺は言葉を心の中にとどめた。
「それは良かった。これから貴方にお話ししなくてはならない事があるのですよ」
女神は微笑みながらそう俺に言った。俺の女神に関する知識は、女神自身が言っていたことに加えて、とても冷たいヤツ……というふうになった。誰に対してもこんな感じなのか?と目の前にいる女神に落胆しつつも、俺は今一番に抱いている疑問を投げ掛けた。
「なぁ女神様。どうして俺は死んだんだ?」
だが女神は答えずにふわふわと宙に浮きながら、一体どうやって出したのか何か資料のようなものを見ていた。無視された俺はもう一度声をかけようと口を開いた時、突然女神があったぁ!!!と資料を掲げた。
「すみません、お待たせしましたー。いや、資料の山から一人のデータを見つけるの大変なんですよ~。一様一つにファイリングしてるんですけどー……あ、それでなんでしたっけ?」
「…いやだから、俺の死んだ理由だよ。いきさつ」
「あぁそれですか。……結論から言いますと、その事にはお答えできません」
女神はそう口にすると、次の話ですがと勝手に話を進め始めた。
「……え?いやいや。なんで話せない?どゆこと?」
混乱する俺をしり目に、資料を次々捲っていく女神は資料を閉じてから言った。
「言えないものは言えないのです、それが此方のルールですから。まぁまず私の話を聞いてください」
女神の微笑みに何も言えなくなると、女神はよろしいと言って話し出した。
「貴方はこれから転生します。というかさせます、これは決定事項です。」
「てんせい?」
「はいそうです。貴方はー…何か色々あって死んじゃったみたいです。それで……元々貴方は死ぬ予定ではなかったみたいですね!あぁ~未練たらたらですねぇ。ですので、貴方は私が責任もって転生させます!!」
女神は他人事のように軽く、そして何故か得意げに、他に質問などは御座いますか?と尋ねてきた。
「あー…うん?じゃあ俺はなんで死ななきゃいけなかったんだ?」
「だからぁ、それは言えません」
質問に即答なのはいい事だが、結局俺の質問には全く答えてくれない。というか、答える気が微塵も感じられなかった。突っ込みどころ満載の説明に戸惑っていたが、女神の方を見たが女神は全くと言っていいほど俺に興味を持っておらず、欠伸をしていた。
「じゃあ女神様、俺の転生先だけでも教えてくれないか?」
自分の過去には全く答えてくれないのなら、せめてこの先の自分のことぐらいは把握しておきたいという切実な思いから俺は女神に尋ねた。
「転生先ですか?……えっとぉ…ちょっと待って下さいね」
…大丈夫か、この女神……
女神は先程閉じた資料をもう一度開き、分かりましたよ!と口にした。
「貴方の転生先は、魔王です」
「…は?」
そう言葉を投げ掛けた時には、俺は既に転生していた。




