9.どうする?
「エル、とりあえずどうにかする? というか、できるの?」
「っ! やる」
決意に満ち溢れたエルを促す。
「どうぞ」
「協力して」
私も溜息を飲み込んだ。協力できる事ならしましょう。そして、説明して。
「で、フェロモンが作用しているの?」
「その前提で、消臭!」
「ちょっと、私が臭いみたいでしょ!!」
「いや、私は全然匂わないよ」
失礼な! でも、フェロモンってそういう事だよね? 匂いだよね。将軍は何で平気だったのかな? あれ? そもそも、昆虫って鼻あるの? おっと、失礼。匂いを感じる器官はあると思うんだけれど・・・。
私の好かれ過ぎるものは虫系全般。大学院まで行ったエルには昆虫の定義とか、なんとか言われたけど・・・。私が虫っぽいなと思うもの全てに好かれていると言っても過言ではない。ここは力が入りますよ! でも、害は無い! あ、ここも強調しておきます。すっごく。虫に集られますけど、刺されることはありません。蚊柱のようになるけど、ある一定の距離以上は近付いてこないんだ。どういうことなの? だから好かれ過ぎて困っちゃうという話を茶飲み話的にしたんだよね。
それでフェロモンは虫に対して決定で良いのかな?
「だろうね。そうじゃなかったら寝ているんじゃないの? 蟲人に対して作用しているってことで考えて良いの?」
「ああー・・・私、人だしね。だから大丈夫なんだろうね? ・・・うーん、蟲人に対してだと思う。後で検証への強力はお願いね」
「え? エルも人なの? 疑問付きの大丈夫って・・・何ともないなら良いけどさ」
「そうだよ。何だと思ってたの!?」
「エルフ?」
「ああ。ファンタジーの。ううんっと、蟲とか獣、魚以外にもいるんだけど、そうした範囲に入らない人が人になるの」
色々分かれていて、それに入らない人が広い意味で人ね。了解です。