10.魔法で
「ふーん。で、どうするの?」
「魔法で解決するよ!」
「出来そうなの?」
「ふんっ。私は賢者と呼ばれる凄腕よ!」
えー・・・。賢者は知識が豊富って事じゃないの? 凄い魔法が使えそうなのは、大魔法使いとかの方だと思うんだけど。一応、聞くよ。
「賢者は何が凄いの?」
「知識」
「・・・魔法の腕は」
「そこそこよ!」
自信を持ってその答え。おーい。
「駄目じゃん! もっと、確実な方法でやりなよ」
「だって、他に思いつかないんだもん・・・」
エルが涙目だ。匂いだからなー。見えるものじゃないし、成分もそれこそしっかり研究しないと無理だよね。魔法でえいっと出来るなら良いんだけど・・・。
「エルって魔法で遠くまで見たりできるの?」
「・・・できるけど? 未来は無理」
いや、そこまで求めていないから。その言い方だと、過去は見れるんだね。それなら魔法は中々の腕だと思うよ。
「そこまではいらないんだけど、うーん。フェロモンの影響で寝ているならさ、匂いが薄まれば起きるでしょ? 皆、突然ばったり倒れた感じじゃなさそうだったし」
納得だとばかりにエルが頷く。
「うん、確かに。蟲人達が一方向を気にしたと思ったら、ゆっくり動きを止めてた。あれ?って思ったら寝てたよ。全員が幸せそうに穏やかな表情だったから、最初は良く分からなかったんだよね」
「そうだったんだ。苦しんだりしていないなら良かったよ。うーん。ちょっと風向きは分からないけど、私が通って来た道なりの寝ちゃった人で私から一番遠い人は、今どうなってる?」
「どっちから来たの?」
エルが思案するように辺りを見回す。




