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フェロモンに対する研究レポート  作者:


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11/50

11.全員

「分かんない」


 自信あるよ。


「そこ、大事だよ。えー。最初は何処にいたの?」

「道? 遠くに森?」


 これも自信ある。


「この国は大体そう」


 そう言われちゃうとなー・・・。他か、他はー。とりあえず、名前を知っている人を出してみた。


「・・・トッド君に会ったよ。犬っぽい子」

「ああ。そっちから!」

「え? それだけで分かるの?」


 え? 本当に? 駄目元だったのに。


「この国、皆、顔見知りだから」

「わお。それでかー」


 凄いね。人が少なめ? それとも国民の記憶力が凄いの? とんでもない国に来ちゃったな。私は全員、覚えられる気がしないよ。


「それでもさ、何処から来たか位は把握しておいてよー」

「だって、この城、分かり辛いんだもん」

「誰もいなかったしねー」

「でしょ!」


 私の意図する所が分かったのか、エルが行動を起こす。


「距離が開いて、フェロモンの効力が薄まれば、目が覚めるかどうか・・・」

「不吉な事を言わないで。後、そうなったらエルも責任問題だよ」

「!」


 エルが崩れ落ちた。まあ、そうなるよね。でも本当にそのままは困るよ。地球にいた時は、殺虫効果は無かったはずだから、大丈夫なはず。誘蛾灯のように近付きすぎて、ばちっと落ちちゃったりもしていない。ある程度の距離で取り巻かれているだけだから。


「あ! 門番、起きたよ」


 エルが瞳を瞬いて教えてくれる。


「私が最初に入った門の門番さんかな? 一番はフェロモンだけ集められれば良いのだけれど、どう?」

「・・・それはまだ」

「じゃあ生活している人に余り影響がないくらいの風をおこして、匂いを飛ばすしか無いんじゃない?」

「よし」


 ふわっと瞬間的に風が吹く。お城の空気を入れ替えるような魔法なのかな? 掃除の時とか便利そうだな。


「どのくらいで目が覚めるか見ておいてね。後は、どこかで固まって吹き降ろさないように気を付けて」

「そうだね」


 特に変わった所は無いよね、私達には。きっと、どんどん目覚めているんでしょう。

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