28.退去
不安しかないんだけれども?
「大丈夫なの?」
「大丈夫だって、違反してたら直ぐ放り出されちゃうから」
仕事熱心も極まれりだね。
「え? そんなにすぐなの? 何日働かなかったらなの?」
「ああ。それは人というか種族によって違うから何とも言えないね」
そこは臨機応変に対応してくれるんだ。真面目だけれども、画一的じゃないなんて凄いな。
「ちなみに人は?」
「援助を受けて、半年だったかな?」
「ああ。お金があれば良いの?」
そうだよね。お金、大事。国のお金を使わないで生活できれば、滞在して良いということね。
「そうだよ。国に頼って生活している場合に限るよ。国外退去は」
「そっか。あれ? 私、そもそも収入あるんだよね?」
「あっはー。そうだった」
「ちょっとー、焦ったよ」
二人でうっかりを笑いあう。お互い収入の事なんて忘れていた。それくらい余裕のある生活で良かった。国民全員に助けて貰って、穏やかに生活していけているから焦ってしまった。追い出されるのは悲しいからなー。食事も美味しいし、住環境も快適だ。
「それを潜り抜けているからね。小さい時からこの国にいるからこつこつ働く事に馴染んでいたのも大きいかも。養子縁組も上手くいっているから人柄も問題無いし、女王蜂と交流して貰おう」
「年齢聞くのを忘れちゃったけど、女王蜂さんよりもちょっと大人なトッド君の方が良いかもね。女王蜂さんも一気に同年代は厳しいかもしれないから」
「そんなに違うかな?」
「エル、単純に大きさで見たら良いんだよ」
「結構、違うね」
分かったのか、分かっていないのか微妙だけれど一応エルは納得してくれたようだった。




