77.ブリアに迫る危機
ロン達がそれぞれ行動に出ていたその同じ頃、ブリアは目の前の状況を飲み込めずにいた…
「あの…ライナー様…これは一体……今日の乗馬はローズ様もご一緒の予定だったのですか?」
ブリアは、ライナーの方を見てライナーに尋ねた。
「そんな訳がありませんわ。何故わたくしがあなたと乗馬などしなければなりませんの?状態じゃありませんわ……まだ、わかりませんの?わたくしがライナーを使ってあなたをここへおびき寄せましたの…ライナーご苦労…ふふふ…」
ライナーの代わりにローズ嬢が、憎しみが込められた様な笑みを浮かべながら応えた。
ブリアは、ライナーの方を見るもライナーは俯いたままだった。
「思いの外、簡単に来るもんだから助かりましたわ。この場所なら誰にも邪魔されることなく目障りなあなたを排除できますもの…本当に、あなたは何度忠告しても殿下に近づくなんて目障りにも程がありますわ…あなたを見ていると苛つきが耐える事がなかったけれど、それも今日で終わりそうで良かったですわ…とても人前には出られない様にして差し上げますわ…ふふふ…」
ローズ嬢は、薄ら笑いを浮かべながらブリアへ言った。
「だから…わたくしにあの様な手紙を送ったのですか?」
ブリアは、手紙の差出人がローズ嬢だと思い尋ねた。
「手紙?何のことですの?何を言っているのかわかりませんわ…まぁ…いいですわ。さぁ…この女を連れて行き思い切り傷つけてちょうだい…」
ローズ嬢が、そう言うと厩舎の陰から男二人が現れた。
(どういう事?あの手紙はローズ様が差出人じゃないの?でも、話してる感じからしてそうだと思ったけど違うわけ?でも、本当に知らないような言い方だったよね…てか、ローズ様って典型的な頭やばい奴じゃん。どんだけ陰険なやり口なわけよ。ライナー様まで利用するなんて。あたし、本当こーゆー自分の手を汚さずみたいな奴好きじゃないわぁ…正々堂々とタイマンはれっての。まぁ、ローズ様じゃ無理か…それよりこの状態どうするかなぁ…多分、余裕であの男達は絞め上げれるけどさ…ライナー様もいるし今はあくまで令嬢だしがっつり目の前で絞め上げるのもね…どうするかなぁ)
ブリアは、そんな事を考えていた。
すると、二人の男達がブリアの元へきてブリアの手を体の後ろで拘束したのだった。
「さぁ…早く連れて行きないさい。」
ローズ嬢は、男達へ言った。
そして、
「ブリア様…さようなら…もうあなたのお顔を見なくて済むと思うと正々して笑いが止まりませんわ…ふふふ…これで、わたくしは晴れて皇太子妃になれますわ…ふふふ…」
ローズ嬢は、勝ち誇った様な笑みをしながらブリアを見下す様に言った。
その時だった。
ローズ嬢の後ろで俯いていたライナーが、急にローズ嬢の首元を思い切り叩いたのだった。
首元を思い切り叩かれたローズ嬢はその場に気絶した。
「お前達、このうるさい女を早く連れて行け。こんな…うるさくて傲慢で高飛車で人を見下し、常に自分を着飾る事と皇太子妃になる事しか考えていない様な脳なし令嬢でもお金にはなるから、傷つけない様に連れて行けよ。」
ライナーは、男達へそう言うと男達はローズ嬢の手足を縛り慣れた手付きで、麻袋にローズ嬢を入れそのまま抱えたのだった。
そして、その袋を抱えた男の一人がどこかへ行ったのだ。
「ライナー……様?何故ですの?」
ブリアは、一瞬で起きた目の前の出来事を見てライナーに尋ねた。
「何故か…ですか…そうですね。少しお話をしませんか?私についてきて下さい。あっ…くれぐれも逃げようなどとはお思いになられません様に…あまり乱暴な事はしたくありませんので…」
ライナーは、ニコリと笑いブリアへ言った。
その笑顔は、とても不気味に感じるほどだった。
ブリアは、ライナーに言われた通り大人しく残ったもう一人の男に後ろから見張られる形で歩き出し、ライナーへとついていったのだった…




