45.大切な存在のご令嬢〜sideロン〜
先日、私はブリアが提案した囮作戦をブリアと共に実行に移したのだ。
初めはブリアに危険な目に遭わせられないと、私もローランドもキールも反対したが結局ブリアの言い回し勝ちとなり実行する事となったのだ。
作戦は【恋人同士】で民街で噂になっている怪しげな石を売る店を探し出して相手に上手く目をつけられ実行犯を誘き出す事であった。
ローランドが恋人役にはキールはどうかと提案したがキールは元々、スコットと見回りをする事が決まっていた為無理そうだと断った。
私はキールが断ると咄嗟に自分が恋人役になると言っていた。
私は、ブリアの恋人役を他の者にはさせたくないと思ってしまったのだ。
もっともらしい理由をつけて私が恋人役をする事に決まった。
それぞれ支度を済ませて集合場所に集まった。
そこにいたブリアは民街用の洋服を着ていたにも関わらずとても美しく見えた。
どうなら恋人同士の設定の為、気持ちめかし込んできたみたいであった。
しかし、きっと街を歩いていると色んな者の目を惹きつけるんだろうと思うと私は胸がモヤリとした。
そして、各自街へと向かった。
私とブリアは石を売っているという店を探しながら街を歩いた。
歩いているとブリアが急に謝っておきたい事があると言われて急に謝ってきたのだ。
何事かと思って聞けば、私とクローバー公爵令嬢のローズ嬢との婚約が決まっているのに恋人役をしてもらい申し訳ないとの事だった。
(私がローズ嬢と婚約だと?何故そうなるのだ。その様な話一度も上がったことすらないというのに…何処でその様な誤った情報を得たのか…ローズ嬢との婚約など考えられる訳ないと言うのに…大方、クローバー公爵が娘を皇太子妃にしたいと企んでいるのだろう。高飛車で有名なローズ嬢の事だから自分なとも思ってそうだしな…しかしながらブリアがその様な誤解を鵜呑みにしているとは…)
私はブリアに言われて、頭の中でその様な事を考えていた。
そして、ブリアにははっきりとその様な話など一切ないと伝えたのだ。
ブリアは驚いていたがあっさり納得した様であった。
(婚約者を決めとするならば…私はブリアが良いな…)
私はは思わずそんな事を考えていた。
あまりにも自然に思ってしまったので自分でも驚いた。
そんな事を考えているとブリアが恋人同士に見えるにはどの様にしたら言いのかと呟いていた…
向かいに居た恋人達を見て手を繋げば恋人らしく見えるのかなど言っていた。
しかし、ブリアは皇太子である私と手を繋ぐなど恐れ多いと言った。
私はそれを聞き少しムッとなった。
私は、自らブリアの手を取り手を繋いだのだ。
自分がその様な事をした事に驚きつつもブリアの手を取り繋いだところからとても温もりを感じた。
そして、急に恥ずかしくなってしまったのだ。
耳まで赤くなっていたのかブリアがクスクスと笑いながら私をからかってきたのだ。
私は強がり照れ隠しをしたがそらを見たブリアはまだクスクスと笑っていた。
だが、私は不覚にもこの状況が嫌だとは思わなかった。
ブリアに勢いで手を繋いだ事は恥ずかしい事だったが心が満たされた気持ちになったのだ。
(きっと相手がブリアでなければこんな事はしなかっただろうな…)
私はそう思ったのだ。
その後も店を探しながら歩いているとブリアが店を発見した。
私達は店へと近づき、更に店主の顔を見ようと顔が見える場所まで移動した。
店主は思っていたより歳の若い者だった。
周りをさり気なく見渡したが仲間と思われる者は見当たらなかった。
そして、店主はブリアに声をかけてきた。
軽い喋り口調でブリアに馴れ馴れしく喋りかけていたので私はイラっとした。
その後も店主はブリアにばかり喋りかけていた。
そして、話していると急に店主がブリアの耳元に近づき何かを耳打ちしている様だった。
私は思わず二人の話に割り込んだ。
そして、ブリアに何をコソコソと話しているのか尋ねたのだ。
ブリアによると店主はブリアに狙いを定めた様だった。
上手くブリアを路地へ誘い込む様な事を行ってきたのでそれにらあやかる為、私にも話を合わせて欲しいと。
私はブリアにそう言われたのでブリアの判断に従おうと思いブリアの話を聞いていた。
店主が店を畳み私には待つように言いブリア一人を路地へと連れて行った。
私は、ブリアに言われた通り路地の反対側へ回ろうとロナとローランドにも指示を出し裏手に急ぎ向かったのだ。
裏手に回るのに少し時間がかかってしまったがようやく着くことが出来た。
裏手から路地内を見るとブリアが店主に刃物の様な物を向けられていたのが見えた。
私は、その光景を見た瞬間血の気が引いていくのが自分でも分かった。
その瞬間、私は路地内へと走り込んでいた。
ブリアを危険な目に遭わせないとローランドと約束もしたが、ただ、約束以前に私自身がブリアを守ると決めていたのだ。
そして、気付くと私は店主とブリアの間に立ちはだかり店主の持っていたナイフを手放させる為にナイフを持っていた腕に突きを入れた。
ナイフが地面に落ちたのを見計らい私は店主の身体にも突きを入れ気絶しせて手足にロープを縛り付けた。
ブリアは私が来たことに驚いているようであった。
私は思わずブリアに対し大きな声を出してしまった。
ブリアは驚いていだが、相変わらずの返しをされて私はホッとしたような気が抜けた様なその様な感じになっていた。
(とにかく…ブリアが無事で良かった…刃物を突きつけられていたブリアを見た瞬間に、私はブリアを失いたくないと思ってしまったな…まだ初めて会った日からさほどの時が過ぎたわけでもないのにここまでブリアが自分にとって大きな大切な存在になっていたなんてな…)
私は、フッと笑みが溢れた。
私にとって、ブリアはいつの間にか大切な存在になっていたのだった…




