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32.王宮での剣術稽古

ブリアは兄達より少し遅れて馬車に乗り込んだ。


「お兄様方、遅れて申し訳ありませんでした…」


ブリアは兄達に誤った。


「それは、構わなよ。それよりその手に持ってる物は何だい?」


ローランドが不思議に思い尋ねた。


「あっ…これは先程同じクラスのご令息から譲って頂いた木刀でございます。」


ブリアは笑顔で説明した。


「「「木刀??」」」


三人は驚き同時に言った。


「ええ。とても上質な木刀ですのよ。探し求めていた物に出会えましたの。」


ブリアは嬉しそうに言う。


「ご令嬢が持つものではないと思うのだけど?」


クリスが苦笑いしながら尋ねた。


「持つ令嬢がここりますわ。いつもお兄様方だけ剣術の練習をされますでしょ?昔からずっとわたくしにも教えて下さいとお願いしてますのに一向に教えて下さらないでしょ?ですからせめて木刀ならと思ってましたの。わたくしも練習を見ているだけではなくやってみたいのです。」


ブリアは真剣に応えた。


「あっ…当たり前だ。ブリアに剣など持たせられないよ。危ないからね。木刀も危ないけどね。練習も私達が相手だとどうしても可愛い妹に本気になれず良くはないだろう?だから練習はさせてないだよ。とにかくブリアが怪我でもしたらと思うとぞっとするよ…なぁ?クリス、アーサー…」


ローランドははっきりといい自分と同じ気持ちか弟たちへ聞いた。

クリスもアーサー深く頷いたのであった。


「本当に我が妹はいつまでも心配だし好奇心の塊だな…あっ…そうだ。忘れるところであった。」


ローランドが言う。


「何ですの?」


ブリアは首を傾げて尋ねた。


「本日、帰宅後用意を済ませたら家族皆で王宮へ行くことになった模様だ。どうやら皇帝陛下と皇后様は我が家の両親とハート公爵夫婦とは昔からの付き合いで友達でもあられるから久しぶりに皆で集まりお茶会を開くそうだ。なので我々も王宮へ同行する事になったからな。」


ローランドがブリアに説明した。


「そうなのですの?凄いお茶会そうですわね…」


ブリアは苦笑いしながら応えた。


「お茶会という名の談話になるだろうがね。私達はお茶会に参加してもしなくとも良いとロンに言われたのだ。なのでロンと話していて私達は剣術の稽古でもしようという事になったのだがブリアも見学するかい?お茶会に参加するかい?」


ローランドは尋ねた。


「皇帝陛下と皇后様とのお茶会もなかなか経験できる事じゃありませんので参加したいところですが皆様の剣術の稽古を見たいという気持ちが勝ってますわね…見学に致しますわ。」


ブリアは悩みに悩み見学を選んだなのだった。


「ハハハ…ブリアはそうするんではないかと思っていたよ。先程木刀の話をしながらあれだけ目を輝かせていたのだからね。」


ローランドは笑いながら応えた。


「お兄様ったら…ふふふ…」


ブリアも笑った。


そして、馬車は邸に到着し話を王宮に足を運ぶことを聞いていたのでローランド、クリス、アーサー、ブリアはそれぞれ支度に取り掛かった。


皆が支度を済ませ馬車に乗り込み王宮へと向かった。


そして、馬車が王宮へと到着した。

馬車を降りて皇帝陛下達が待っている所へ向かった。


そして、挨拶を済ませて皇帝陛下、皇后様、ハート公爵夫婦、スペード侯爵夫婦はお茶会をする部屋へと移動していった。


ローランド、クリス、アーサー、キール、アミル、ブリアはロンとなロナが待っている場所へ向かった。


向かった場所は王宮にある剣術場であった。

そこではロンとロナが剣を交えていた。


ロンとロナはブリア達が来たことに気づき剣を止めた。


「やぁ、皆よく来てくれたな。ん?ブリアも来たのか?」


ロンはローランド達と共に剣術場に来てブリアに気づき尋ねた。


「はい。ロン様。わたくし剣術のお稽古を見るのが幼い頃より好きでしたので。皆様の剣術のお稽古を拝見出来るなどそうそうある事ではありませんから。」


ブリアは笑顔で応えた。

ロンはブリアが来てくれたことを嬉しく思ってしまっていたのだった。


「そうか。では、好きなだけ見るといい。」


ロンは言った。


「はい。ありがとうございますロン様。」


ブリアは笑顔で応えた。


そして、ロン達の稽古をブリアとアミルは見学していた。

六人共に稽古とは思えないほどの迫力であった。


「ねぇ…アミル皆様凄いわね……そして…私もお稽古したいわ…」


ブリアはアミルにぼそりと呟いた。


「兄上達は幼き頃から剣術を習っているのだからな。格が違うよな…ってブリアは何故そうも毎回の事ながらご令嬢らしからぬ発言を違和感なくするのだ。」


アミルは呆れた様に言った。


「ご令嬢らしからぬご令嬢らしからぬと耳にタコが出来るほど聞きましたわ。むしろわたくしの発言はわたくしらしくていいでしょう?ねぇ…アミル…わたくしたちも少しだけ手合わせしない?木刀もあるんだし。」


ブリアはアミルに言われても何事もないかのように話をそらしてアミルに尋ねた。


「人の話聞いてたか?はぁ…ブリアといるといつもこの調子だな…はぁ…ここで断ってもしつこくしてくるのがブリアだからな…仕方ない…少しだけだぞ?兄上達の邪魔にならない様にだぞ?」


アミルはため息をつきながらやれやれといった表情で言った。


「本当?ありがとうアミル。さすがわたくしの事をよく解ってくれてるだけありますわ。少しだけで十分ですわ。さぁ早速やりましょう。」


ブリアは満面の笑みで喜びアミルにお礼を言った。


アミルはこのブリアの笑顔に昔から弱く好きになった者の負けだと毎回思うのであった。

それに…ブリアの事を小さい頃から同い年で見てきたのは自分だけだという事も内心は嬉しく思っていたのだ。


そして、ブリアとアミルは木刀での打ち合わせを始めた。


「アミル、手加減なしできてちょうだいね。」


ブリアはニヤリとして言った。


「あぁ。わかっているさ。」


アミルもニヤリと笑い応えた。


そして、二人はお互い手加減なしで打ち合いを続けた。

その先で剣を交えていたローランド達がブリア達に気づいた。


「あの二人…大人しく見学していたかと思えば…ブリアが焚き付けたんだな。やれやれ…っていつの間にか着替えまで済ませてるじゃないか。本当に用意周到だな…」


ローランドはブリア達を見ながら言った。

その光景に慣れているローランド、キール、クリス、アーサーはまたかと言うような表情だが初めて見るロンとロナは驚きを隠せていなかったのであった。


「ローランド様方は驚かれないのですか?ご令嬢があの様に打ち合いをしているのを…」


思わずロナがローランドへ尋ねた。


「はい…驚かないというよりは慣れたと言った方が早いかと思いますが…ブリアとアミルは幼い頃からはあの様によく打ち合わせをしておりましたので。といってもアミルはブリアに付き合わされているという方が正しいかもしませんが…ハハハ…」


ローランドは苦笑いをしながら応えた。


「ローランド様方も色々と大変でございますね…ハハハ…」


ロナはローランドの心情を察した様に言った。


「可愛い妹故にブリアにお願いされると許してしまうのもいけない事だとはわかっているのですがね…ついあの様な可愛い顔でお願いされると…」


ローランドは少し微笑みながら応えた。


「確かにブリアがいると大変ですが楽しくはありそうですね。」


ロナが言う。


その様な会話をしている直ぐ側でブリアとアミルをじっと見ていた人物がいた。


ロンだった……





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