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6 初めての友達


 今度は私も冷静に彼の言葉を受け止める事ができた。エロ目的かと思ったら、ちゃんと理由があったんだ。



 正直なところ気がついたらゴブリンだったし、それ以前に私の体に何があったかは分からないけど、なんとなく感覚的には前世同様経験は無さそうだし…



「うん。記憶が定かじゃないところはあるけど、たぶん処女」


「なるほどね。さっき君が話してくれた内容からして、たぶん幼体から成体に変態する時にそれまでの記憶がなくなったのかもしれない。

幼体で交尾することはないからたぶん処女だね。

しかも言葉を話せる君は、ひょっとしたら何か特別な存在である可能性もあるねえ。

でも言った通りゴブリナというのも特別な存在だ。

そこに至る道は果てしなく遠く厳しいよ。

日々いろんな相手に襲われる♀ゴブリンにはね」



 変態言うな!私はノーマルだよ!!って叫ぼうとしたところでハタと気がついた。

 アレか、虫とかの完全変態、不完全変態ってやつか。

 ていうか、ゴブリンは虫みたいなもの?

 そして普通に襲われる存在なんだね、私って…




 チラリと今度は遠慮がちにこちらを見ながら彼は続けた。



「君は見た目は普通のゴブリンだし、どうやら身を守る物も持ち合わせていないようだ。

何度も言うけどゴブリナになる為には処女である事が必須だし、君が普通のゴブリンじゃないにしても、そのままじゃ厳しいだろうからこれをあげるよ」



 そう言って彼はそっと出刃っぽい包丁を差し出した。

 さらに懐から瓶に入った液体を二つ、それから大きなリボン!?…のついたワンピースのような服をローブの下から取り出した。



 何処に仕舞ってたの、それ?



「嬉しいけどいいの?

私、あなたに何にもあげられないよ?」



 戸惑う私に優しく彼は



「色々と驚かせたお詫びかな。

それと、お礼というなら、できれば僕の友達になって欲しい。

未来のゴブリナが友達なんて素敵じゃないか」


と言って笑った。



「ありがとう。友達になってって言ってくれて嬉しい。

私も友達になりたいと思ったし。

じゃあ遠慮なくいただくね、ト○ベリさん」




 包丁にリボン、エリクサー?

 彼の正体にアタリを付け、彼にお礼を言った。

 それなのに、絶対トン○リだと思ったのに…



「ト○ベリって何?僕の名前はペリニヨン。竜人族のペリニヨンだよ。この辺の人は僕をドン・ペリって呼ぶけどね」



 …



 お~い!!


 これ大丈夫かぁ~!?




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