第五話・後編・エピローグ
彼女の手を引かれて走るがどうしても頭痛と酷いノイズが頭を走っていて、やがて彼女の手が離れてしまって彼女が私を見ると
「……もう最悪。本当に最悪……彼奴殺す。本当に殺す。もう本当に鬱陶しい!」
切れたように私の方を見てナイフを手に突き刺して、私の腕を斬り落として、そのままナイフが首を突き刺す
だけど、不思議と痛みが無く……私はゆっくりと倒れてしまう
「本当に最悪。本当に本当に私をイライラさせる。呪う。絶対に呪い殺してやる。だから……彼女を解放しよろ。死に損ないの無能な人形が!」
そう叫んで私の心臓を突き刺して、私の意識が落ちてしまう
だけど、次に目が覚めると住職の顔が目の前にありビックリして引いてしまうと、私の胸にはズタボロに引き裂かれた子が居た
「最後まで守りましたね……大丈夫ですか?」
私は頷いて
「多分……でも、居場所は分かったと思う。この子が教えてくれたから……」
私は欠片だけを手にして向かった。ただ不思議と痛みやノイズが聞こえず……音も正常だった。だからこそハッキリと音が分かった。ノイズだったのも……全てあの子が残した物
本当に最悪と思いながらもまさか、私がこんな羽目になるとは思わなかった
やがて一室……多分、叔母さんが居たであろう場所で、そこには着物姿の女性が人形を傍らに立っていた
「……どうしてそこまでして?」
『……』
「幸運じゃないの?。そんなに他人の幸運を取り上げてまで、持ち主を幸運にして最後に不幸にする。自分勝手で身勝手……」
その時に着物姿の女性が私の首に向かって手を伸ばして押し倒して締めてくる
息苦しくなりノイズが酷く、音も不協和音のように響き、頭が酷く割れる様な感じだった
割れたガラスが再び割れて、周囲が軋む音が響き、私は腕を掴んで引き剥がそうとした時に気づいた……紋様がまだ刻まれていた事、彼女の手の甲には紋様がないこと、そして私のもう片方の腕にはあの子の紋様が刻まれていた事
だから、思いっきり突き飛ばした。幽霊相手に物理みたいな真似事なんて意味無いのに不思議と効いてしまって驚いたが……そんな事を気にせずに私はナイフを手にした
本当に酷いけど、着物姿の女性の腕を掴んで優しく抱き締めた
「今度は幸運の人形になって」
それだけ答えると私の意識が落ちた。それと同時に私の胸の中にはあの人形がガラスに写真ごと突き刺さっており、住職は唱えながらも私を支えてくれた
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ゆっくりと目を開けると病院……だけど、違和感しか無く、起き上がると住職が居て
「かなり長い期間眠ってましたよ。待っていてください」
医者の人達と看護師が来て、検査する事になった。結論から言えば……視力の低下と聴力が片方無くなり、紋様が刻まれていた腕は動かなくなり、片足も動かなくなった
その代わりに片方の目はやたらと視力が良くになり、もう片方の腕は焼けた様な傷だけで残って、異常はなく、動かなくなった片足も一時的であり、リハビリすれば動くようになると……ほぼ奇跡の様なものと
私は住職に……話をするとボロボロになった彼女が置かれて
「最後の最後まで口の悪い子でしたね。ただ、彼女は元はお守りの人形であり、とある地域では幸運の人形とされていて……どうして呪物になったのかは不明だが、幸運を与え不幸を吸うと言う言い伝えがありましたから……
人の不幸を吸い過ぎて呪いに反転して呪物になったんだと思います。ただ、根は優しい子ですから、不幸吸ってまで幸運を貴女に与えた守り神的な存在でした
一方……」
写真事ガラスに突き刺さった人形を置いて
「この人形……調べましたら、呪いを振りまく為に作られた人形で、製作者は不明ですが、人の手に渡る時に幸運の人形と言って渡していたみたいで……この子自体に呪いは無いですが製作者の恨み辛みが呪いとなったんだと
で、推測ですが……貴女が見た夢での出来事はこの人形……と言うよりかは乗っ取った女性の記憶で楽しかった思い出や良かった事が人形にとっては呪いとなって操り……自殺させたのだろうと
親戚の方が死んだのもそ、女性の感情が反転した呪いだと。幸運とは名ばかりの呪いの人形だと思います」
……
「本物の幸運に偽物は勝てなかった……ですか。じゃ、私が良かったのは……本物の幸運の人形が助けてくれたからですか?」
私が聞くと
「そうなりますね。この子は守り神でしたから。黙っていましたが……呪いの人形とは名ばかりで殆どが人間の業です
この子は本当に大切にされ役目を果たして私の元に来た事でもう一度だけ役目を担っただけです」
それを聞いて私はボロボロになった西洋風の人形を手に
「貰ってもいいですか?。多分……まだ役目は果たしてももう少しだけ居てもらいたいから」
それだけ言うと
「貴女の者です。私はこれで」
それだけ聞いて住職は病室から出ていった。勿論……あの人形を持ってだけど
私はこの子を見て優しく撫でて
「ありがとう……ただ、乗っ取るのは駄目だよ」
それだけ言うと私は少しだけ笑みを浮かべて
「そうね。生かすためには……」
そう呟いた
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幸運の人形を撫でていた。動かない腕まで付けたロング手袋を付けて、鏡に映る私を見た
オッドアイ。黒の瞳に何も移さない白い瞳。白のメッシュが染まっていて、杖を着いて何時もの私として歩く
年齢以上に体が若いのが取り柄だけど……鞄の中にはあの子を納めて
「世話の焼ける人間……」
それだけ呟いてパソコンを閉じた。今では音は聞こえないし何も感じないけど……
ただ、時偶に聞こえてくる音の言葉は……
『許さない……幸運の人形。乗っ取れたのに……』
その言葉だけだった。それを聞く度に私はこう返した
「既に乗っ取られてるよ。ただ、優しい子にね」
私は写真事ガラスの突き刺さった人形を見てそう答えた
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後日─────
杖を着いてお墓の前に。呪いは解けてないし私は2人に乗っ取られていたが、奥底に封印する形で二重に彼女により乗っ取らないと奪われると
「ハゲ……先に行くは分かっていたけど、本当にこの人形も最後に渡してくるとは思わないじゃない
幾ら守る為に乗っ取り、これを抑え込んだのに……その後処理を私に任せるのか?」
私はそれだけ言って何もせずに背を向けて歩いた。今は別の住職が継いだ人形の神社へと
そのまま、最後の約目を果たすために。それに今は持ち主の幸運の人形……不幸は吸いきった。幸せになってもらう為に……
「燃やして供養かしら……ただ、残念なのは依頼者が来れなかった事かしら?」
お焚き上げをして人形含む、関連した物全てを炎の中へと放り込んで燃やした
私の腕には私の人形を抱えて、私の中にあった幸運のお守りを手に
「叶えてあげるよ。本当の幸運の人形に。だから、人を呪うのは止めよ
私はもう共に行く事を決めたのだから、君も悪くなかったら、共に行けただろうからさ……
だからさ……来世……次は良き人形になって。貴女もよ。身内を売りに出す程愚かに見えないからさ……
私の最後の思いを踏みにじまないで。私はこの子の生き方を見て最後を決めたからさ……貴女も次は間違えないで
その代わりに……これは私が預かるからさ。もう安らかに眠って」
それだけ言い終えると手にしていた私の一部を投げ込んだ。その代わりに私は本来の役目であった呪いの人形だった子の欠片を手に眺めていた
共に生きると決めたけど……最終は守護的な役割で終わるつもりだし、不幸を吸ったから今度は私も幸せになっても良いでしょ
我慢したのだからさ……
本当にノイズが大きく……漸く音が正常に戻ったなぁ……良く聞こえるよ
「─────さん。お茶どうですか?」
私は頷いて受け取り
「役に立たなかったけど、あの子は引き取れるかしら?」
そう言うと
「まぁ……住職に言われてるの大丈夫ですが、体を大切にしてくださいよ?」
「私が居るから大丈夫よ。それにあの子にはもう人働きをしてもらわないとね」
炎が収まり灰だけが残ったのをチャンスを上げるために人形を受け取って幸運の人形を……今度は私の後継者役割であり本物の幸運の人形として……




