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とある人形が送られて来た話  作者: シロクロ


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第一話・前編

取材者として長年務めていた。歳も歳だが長く自分の考えた上で活動していた事で認められ編集長までなれた


そんな編集長までになるまでに色んな事を経験し色んな事を手当り次第、やれる事は全てを全力でしたが……その経験の中で初めての奇妙さと異質さのあった出来事を経験した


私はそんな話を編集長として引退する最後の仕事として書き起すことにした。何せ……お蔵入りよりも出す事さえ阻まれた話であり誰も信じない話だったから


今の立場なら無理を通してでも、今では笑い話に出来る話だったから


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まだ、経験が浅く私が記者であり取材者としてまだまだの時に、当時の編集長から頼まれた記事だった


編集長はあまり手を出さなかった心霊特集を出す事になり、その当時、話題になっていた『とある廃旅館についての記録』の話がリアル過ぎたと、編集長もこの時期にはこれくらいの話が必要かと思い、頼まれた話だった


私もこの話を聞いて嘘だとかは思えなかったが、あまり信じる気にはなれなかったから、自分が心霊特集に携えるとなったら、考えた限り……ネタが無かった


自分で探すのは簡単だけど、それを掴む為の話のネタが私の手元に無かった


だから、この話の担当編集に聞こうとしたら既に辞めていて今何処に居るかは分からないと言われ、編集長と相談した結果……応募集をして、話のネタを集める事に


大半は加工や編集のネタが多いと聞いていて、話半分、期待はしてなかった。だから応募集の時期から締切までに届いた話や心霊系の大半は加工や作り話が多かった


勿論……作り話を使ったホラー話とかも考えたが、それじゃ面白くないと。編集長にも私の考えを伝えて、最終的には期間ギリギリ心霊系が出せる期間ギリギリまで時間を貰える事に


私は応募集で来た話や心霊系を見て整理しては考えてはで、探していた時に、大きめの分厚い封筒が生理が終わる頃に応募集を締切った後に届いて、困惑をした


編集長に聞くと、最終日に届いたせいか、纏められるときに纏められなく埋もれていた所に見つけたと聞いて、流石に管理が雑いと編集長に言ったが、それも仕方が無いと言われて渋々、中身を開ける事にした


中には写真が複数と何かのモノ、手紙が添えられていた。手紙には遺品と供養としてと場違いな話が入っていて、読み進めて見ることにした


『応募していた為に送りました。遺品と供養した物で別段と何も無いモノですが……供養しても、何かしらの現象が起きると、原因の着物人形を同封しました


写真の人物は持ち主の叔母であり、小さな旅館経営をしていて、その人形はフロントに飾られていたモノです


叔母の死後に遺品整理した時に引き取り、飾っていたのですが不可思議な音と現象が起きてお祓いなどしましたが……効果は無く、押し入れの中へとなおして以降何も無かったのですが、ふと思い出した時に出したらまた怪奇現象の様な事が起こり始めて、流石に手放そうと押し付ける形で送りました


同封した物の中に今でも残ってる旅館と鍵も入ってますので好きにして貰っても構いません


もし何かあしら原因が分かれば……出来れば教えて貰いこちらで対応します。もし、実害が有れば訴えて貰っても構いません。どうか使えるものでしたら使って貰っても構いません


勝手ながらに、私にはどうしようも出来ないのが現状で今も動ける状態じゃないのでお願います』


と書いており、意味も分からなければ押し付けられた形の様な感じだった。手紙には旅館の住所、鍵があり、電話番号もあり、写真も複数あった


私は編集長に頼んでこれを使う事に決めて早速送り主に連絡を取って会える事になった


次の日になり、私は指定された場所に行くと病院であり受付に行くと話が通っていたのか案内されて病室の前へと。中に入ると女性がベッドに横たわり外を眺めていて


「早いのですね……て、女性だったのですね……何かごめんなさいね」


儚げな女性で歳も召していたが何処か元気そうな感じだった。私は椅子に座り


「どうしてこれを……?」


「私の叔母の遺品を貰い受けたのが数十年前、それからこの人形について何度も調べようとしたが、どうしても分からなく、叔母の旦那さんにも聞いても分からない……何時から有るかも分からない


そして、現象や音が起きていて気味が悪くなって、後は手紙の通りです


呪いの押し付けかと思って貰っても構いません……ただ、ふと雑誌を見た時に募集していて、私より他人が調べたら分かるかもと思って……これでも藁もすがる思いで送りました……


今でも私を見てる視線を感じていて先が長くないとも思って……心残りを消したくて……ごめんなさいね……断って貰っても……」


「もし、これが何か分かれば……心残りは無くなりますか?」


「……分からないです。ただ、出来る限りの協力はします。それに……もうすぐ退院しますので、もう一度だけ私も頑張ってみようと思いますから……我儘で申し訳ないですが……記者の貴女なら私の出来ないことも出来ると思ったので……」


私の手にある人形を見てそう答えていて、記事にすると言うよりかは……彼女の思いを叶えようと思って……


「分かりました。こっちでも調べてみます。ただ……」


「ありがとうございます。もし、貴女が望む話なら世に出しても構いません。私よりも叔母さんが望んでいたと思いますから……」


その言葉に首を傾げたが、私は了承して頭を下げて病室から出た。私は考えながらランドクルーザーへと戻った。取材する時は重宝するかと編集長に教えて貰い、購入し本当に役に立つ上に機材も運べて便利だった為に相棒になってしまった


まぁ、どうでもいい話と思いつつ後部座席に置いてある封筒から出した写真やらモノが散らばりながらも、手に取って眺めていた


旅館全体の写真に、彼女の叔母さんの姿、多分開業の写真と……人形の写真、その他にも色んな写真があった


ただ、その中の一つだけ旅館とは全く関係無い写真が出てきた。そこにはBARみたいなモノで、叔母さんとその横には女性が立っていた


「何処かのバーなのか……戻るか……」


そう呟いてドアを閉じて再び病院へと戻った。本来なら先に持っていくべきだと……思いながらも気が付かなかった分、まだその場に居たから……迷惑だと思いながら写真と資料を手に戻る事に


「……どうしたのですか?」


不安そうに聞いてくる彼女に私は首を横に振って机を引き寄せて


「貰った写真について……駐車場で見ていた時に思いまして……」


私はそう答えると笑みを浮かべて


「新人さんなら失敗は付き物。全然大丈夫ですよ」


私は気になった写真を見せると


「……───ですね。叔母さん行きつけの店でそこの店主とは幼なじみと聞いてますね。ただ、叔母さんが亡くなる前には通って無かったらしいです……連絡は出来るとは思います」


個室で携帯OKの場所だった為に、そう言って携帯を手に電話を掛けていた。暫くすると電話を終えて紙を渡してくれて


「取材は大丈夫です。住所はここです」


受け取って確認してから私は話を聞いていた


「開業当初からこの人形が?」


「そうですね……私が聞いたのは昔に譲り受けたと。曰くとかもなく、普通の人形と。叔母さんが所有していた時期は何も無かったと聞いてました」


「……なるほど。それにしても旅館にしては立派ですね」


「そうですね。泊まったことありますが、適度な感じでゆっくり出来ました。ただ、叔母さん一代のつもりで旅館は閉じたので、本当に夢を叶えた上で満足したんだと……そう思います」


そう答えていて、多分思い入れもあるのだろうかと思いながら話を聞いて、彼女は嬉しそうにしていた

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