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おっさん不思議体験記 黒猫守護霊になる  作者: 元乃 狡六


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おっさん不思議体験記08話 統合パートその3『夢?導き?大団円?』


   おっさん不思議体験記08話 統合パートその3






 ………ここは…俺はいったい…あぁそうか具合悪くて…俺また学校休んで家にいるんだ…


良くなるまで寝ていないと…あぁ…右足痛いなぁ…良く怪我するんだよなぁ…


具合…少し良くなってきたなぁ…


また日向ぼっこでもするかなぁ…




 俺が日向ぼっこしているといつも来るものがいる…


「にゃあ」


「あぁお前か…俺がここに来るとお前はどこからともなくあらわれるなぁ」


「にゃ?」


「何でもない…」


そう言って俺はこいつ…黒い子猫の頭を軽く撫でる…するとこいつはもっと撫でろと強く頭をこすりつけてくる…


餌をあげたわけでも拾ってきたわけでもないのに…こいつは俺が家の縁側で座っていると必ず来るのだ…


特に何するわけでもなく一緒に日向ぼっこの相手をしてくれる


小一時間ほどすると庭に植えてある木で日が陰りはじめる…すると『にゃあ』と鳴き『俺にもう行くね』という挨拶をするとすたすたと歩いて何処かに行く…


こんなことが半年ほど繰り返されていた…黒い子猫も少し大きくなったが普通の猫に比べて大きくなるのが遅いようだった



 春休みぐらいだっただろうか?毎日日向ぼっこをしていたのに急に黒猫が来なくなった…


どうしたんだろう?いつもかならずやってきたのに…親も『黒い猫ちゃん来ないね』とか言うほど家族も知っている猫になっていた…


来なくなって1週間ほどだろうか…近所のお兄さんが「お前んちの猫らしいのが側溝のわきに寝転がってて動かないぞ」と教えてくれた…


俺は急いでそこに確かめに向かった…間違いなくうちに来ていた黒い猫だった…黒猫は動かない…触っても冷たくて…動かない…


俺は冷たくなった黒猫を抱え急いで家に向かった…親に見せると…


「かわいそうだけど…この子はもう死んでる…成長も遅かったし元々体が弱かったのかも…」


俺は泣いた…声に出さずに歯を食いしばって…泪だけがスーと頬を滑り落ちていった…



「お墓を作ってあげよ…○○が良くいる縁側が見える場所にさ…そして良く日の当たる場所に…」


親が俺の名を言いながらそう言った…

俺もそうしてやるのが良いと…家に植わっている木の根元から少し離れた場所…日の良く当たる場所に黒猫を埋葬した…


墓石がわりに大きめの石を置いて家にあったお線香をたいてあげた…そこでまた俺と日向ぼっこの続きをしような…黒猫…






「にゃあ!にゃあ!主!主!目を覚ますにゃあ!」


僕はぺちぺちと主の顔を前足で叩いたり、しっぽでくすぐったりしたけど一向に目を覚まさないのにゃ…


「黒猫ちゃん、主さんの状況を説明するわ…

主さんは悪霊の影響で魂が汚染され…それを強制的に浄化したから肉体と魂が分離しかけている状況にあると思うの…」


「それって死にかけてるってことにゃ!肉体から魂が出ちゃったら死んじゃうにゃ」


「えぇ、そうよ…だから聞いて黒猫ちゃん!

本来魂を呼び戻すのは守護霊の役目なの…今、主さんの守護霊は悪霊に吸収されて本来の力が使えない…

だから黒猫ちゃん…あなたが主さんの魂を肉体に戻すのよ」


「戻すってどうするにゃ?僕…守護霊とはいえなったばかりにゃ…わからないにゃ」


「主さんの体は正常だから魂さえ戻れば夢から覚めるように戻ると思うの…

だから黒猫ちゃんには体側からアプローチして魂が肉体に戻るようにしてほしいの…」


「黒猫さん…良く聞くでしょ?川の向こうでおじいちゃんおばあちゃんが『こっちへ来てはダメ』とか言ってたとか…お花畑で『ここはお前のくる場所じゃないから帰れ』とか知らない人に言われたとか…それって守護霊たちが霊界に行かせないためにやっていたんですよ」

と青鬼さんが言ってきたにゃ…


「良くある臨死体験にゃ!あれ守護霊のお仕事なの?!」


「当たり前でしょ、守護霊は守るものを死なせないようにするのよ、魂が離れたら死んじゃうでしょ…」

…そっか守護霊の仕事ならあたりまえにゃ…


「あ、アプローチの仕方だけど…黒猫ちゃんの主に触りながら霊力を主さんの魂にまとわせるんだって…

そして言葉巧みに引き寄せるんだって…さっき元の守護霊さんたちが教えてくれたわ…神の私は知らなかったのよ…」


…それって妖怪がやってたのに似てるにゃ…魂のスキをついて魂を乗っ取るのとスキをついて引っ張る…似すぎているにゃ…

それに僕と主の接点って…ほんの数ヶ月にゃ…主が僕を覚えてくれてるかも微妙にゃ…


「大丈夫よ…黒猫ちゃんならできるわ………たぶん」


トキさん…なんか妙に長いの後に『たぶん』とつけたにゃ!


「でも僕…できるか不安…なのにゃ」


「あぁもう、出来る出来ないじゃなくやるしかないのよ、黒猫ちゃん!」


僕がうじうじしているとトキさんが喝を入れてきたにゃ


「あんたさぁ主さんの守護霊でしょ!あんたがやるしかないでしょ!他に誰がいるのよ…」


ミィちゃんもこんな時に何やってるんだと言わんばかりに言う…


「黒猫よ…わしらは悪霊を祓えても人の魂は救えん…それはその魂と縁が薄いからだ…だから縁の濃い守護霊が呼び戻すのだ…」


鬼さん…脳筋脳筋と言われてるけど繊細なこと言ってくれてる…


「黒猫ちゃん、閻魔大王に守護霊と認められたわよね…それって主さんとそれだけ深い縁があるということよ…

うだうだやってないでさっさと救ってきなさい」


「わかったにゃ!僕、主の魂を元の体に戻すにゃ、みんな見ててにゃ!」


「えぇ、サポートはまかせて!神に鬼に猫又までいるんだからね、これで救えない方がおかしいわ」


「あははっ、そうにゃ僕の後ろにはいっぱいサポートしてくれる者がいるにゃ失敗しようがないにゃ」


 


 僕は主の体の上にちょこんと乗っかると霊力を体に流し始める…

トキさんが守護霊さんに聞いた話だと


「まずは霊力で体を覆って魂を見つけるらしいの…

覆いつくすと細い糸のようなものが体から出始めるから…その先に魂があるみたい…

そこで焦って魂を直接霊力で戻すと体と魂のつながりがおかしくなって、ただ生きてるだけになりかねないらしいわ…

そして切れてしまった場合は死んでしまったということよ…

だから糸が切れないように魂に呼び掛けて戻ってもらうようにするしかないらしいのよ…」


 僕の霊力は多くはないけど主の肉体を覆うぐらいはあるにゃ

そして覆いつくすと霊力が糸のように伸びていくのがわかるにゃ


「糸が伸び魂に到達すると魂の意思が守護霊とつながるから話すことが出来るようになるらしいわ」


あ、見つけたのにゃ…主の意識が僕に流れ込んでくる…

主とお話ししよう




 あ、ここは…昔、主とよくいた縁側にゃ

主も昔会ったときの姿になってる…

主は今寝ている見たいにゃ…まずは起こしてみるにゃ


「にゃにゃあ…」主起きて…

「にゃあにゃあ」起きてにゃあ


あれ?僕しゃべれてない…


「ん?あぁお前か、また来てくれたんだな…ここは暖かくていいだろう、日向ぼっこにはちょうどいい…」


「にゃ、にゃぁにゃにゃあにゃ」主ここに居ては駄目にゃもどるにゃ


「どうした?いつもなら俺の横にきて一緒に日向ぼっこしていただろう?お前も日向ぼっこしよう」


「にゃぁにゃぁにゃあ…」今は日向ぼっこはいいのにゃ戻ろう…

そういうと少し離れてじっと主を見つめる


「あれ?この感じどこかで…誰かに見られているけど優しいこの感じ…ついて来いと言ってるのか?」


「にゃあにゃ」そうにゃ


「でも今は右足が痛くて…歩くのがつらいよ…」


「にゃぁ、にゃあにゃにゃぁ…」しかたないなぁ、もう呪いもなくなってるのに…


僕は主に駆け寄り右足をなめるにゃ


「ざらざらだぁ、くすぐったい…

あれ?痛いと感じていたのに何ともない…これなら歩ける…じゃお前についていくよ…どこに行きたいかわからないけどお前を信じるよ」


ん?さっきより主大きくなったかな?まぁいいや…ついてきてくれるなら大きさなんてどうでも…




 僕は主がついてくるのを確認しながらゆっくり歩くにゃ

歩くと同時に主は僕にいろんなことを話しかけてくるにゃ


「そういやお前何処から来ているんだ?いる場所知らないぞ」


「にゃにゃぁあ、にゃ」今は主の家にいるにゃ


「何言ってるかわからないけどそっか今は居場所があるんだな…よかった」


「にゃあ」うん


「そっか…良かった…お前が来なくなって探していたんだ…寂しかったんだぞ…」


「にゃぁにゃあ」主ごめんね


「そうだ…お前側溝の横で…冷たくなって…死んで…あぁああああ…俺悲しくて…あぁああああ」


「にゃにゃあ~にゃ」主しっかりするにゃ


「ごめん、ごめんなぁ…俺、悲しすぎてお前のことすっかり忘れていた…もしかしてずっと一緒にいてくれたのか?部屋での感覚お前だったのか…」


主が急に大きくなった…いつものおっさんの姿の主に…


「にゃにゃにゃにゃあにゃ」いいのにゃ今は幸せなのにゃ


「そっか~俺死んだんだなぁだからお前が迎えに来てくれたんだ…ありがとな」


「にゃ!にゃにゃんにゃ」違うにゃ!死んでないにゃ

あと少しで体に戻れるのになんでそうなるんにゃ…とにかくもう少しにゃこのまま連れて行けば体に戻れるにゃ


「まぁいいやお前とあの世に行けるならそれはそれでいい人生だった…」


「にゃ~~~~~ん…にゃにゃんにゃ」もうすぐそこだから…そんなこと言うにゃ


「あれ?俺の体が見える…なんで?」


「にゃん、にゃんにゃ…にゃあ!」ほら、体に入るにゃ…はやく!

ほくはそういうと主の体を前足で指すのにゃ


「入れというのか?俺死んだんじゃない?幽体離脱?」


「にゃん、にゃんにゃあにゃんにゃ」そう、だから早く体に戻るにゃ


「そっか、ありがとう黒猫…お前に導かれたんだな…わかった体に戻るよ」


そういうと主は体に吸い込まれるように入っていったのにゃ…

僕の守護霊初仕事いきなりものすごく大変だった気がする…




「主の魂、無事に体に戻せたにゃ…時期に目を覚ますと思うにゃ」

僕はすごく疲れたように言葉を伝えたにゃ…


「お疲れ様黒猫ちゃん、私たちのサポートいらなかったわね…できることもないらしいけど…」


!!!


「だって私が手を出したら廃人になる可能性高いって言われたし…

鬼さんたちはそもそも手を出せないらしいし…

ミィは魂操作はできるけど動物霊だけみたいだし…

つまり見守るぐらいしかできないというわけ」


「黒猫さん私たち鬼は人間の魂に触れることはできないんですよ…地獄なら別なんですがね…」


「そういうことだ…黒猫すまんかったな」


「あたしは猫又だからね、なりたてじゃ人間を操作なんてできないわ…修行したら人間も動物だからできるかもしれないけど…」


 僕は一気に疲れがきてその場でへたりこんでしまったにゃ…


一堂「まぁとにかくお疲れ様」




まぁ良いのにゃ、主を救えたことは間違いないし呪いも解けたしこれからはこんなことも起きないと思うしこれからは毎日日向ぼっこにゃ




 「ん~~良く寝た…なんかすごい夢見てた気がするなぁ

そうだ!黒猫…なんで忘れていたのかなぁ

俺の一番の友達だったのになぁ

さて配信するかぁ」


「あ、主が起きたにゃ…本当に元気にゃ」


「でしょう、肉体に損傷はないもの…呪いも私が払ったしね」


「わしが鏡をもってきたおかげじゃないかトキよ」


「黒猫の主さん私を飼ってくれてもいいのよ…この場所好きだから」


「ミィさんはトキ様の元で監視&修行ですよ…」



「黒猫…女の子…赤鬼…青鬼…でかい猫…がしゃべってる…まだ夢見てるのかな?」

え、僕たちのこと見えてる?


「主、僕たちのこと見えてる?」


主は頭をこくこくと上下させている


「話も聞こえてる?」


こくこくと上下させている


「トキさん大変にゃ!主見えてるし言葉も聞こえてるって!」


「あら…まぁそんなこともあるわよね…庄屋の家系も私のこと見える人いるし…問題ないでしょ

そもそも黒猫ちゃん…あなたの目的は主さんに見えて認識してもらうことだったじゃない…

それが今起きただけよ」


「そ、そうだけど…急すぎてどうしていいかわからない…」


「そうね…とりあえず飛びついてみたらどう?見えるんだからどうとでもなるでしょ」


そんなもんなのかな?わからないけど飛びついてみるかにゃ…


「あるじ~うれしいにゃこれからよろしくにゃ」




   おっさん不思議体験記08話 統合パートその3 終 あと少しだけつづく…



これにて本編終了のつもりだったんですが~

本当にあと少しだけつづかせます…

次で本当の完結です

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