おっさん不思議体験記06話 人外パートその1
おっさん不思議体験記06話 人外パートその1
ふふーんふふん、ふんふふーん♪
トキさん鼻歌まじりで祭壇を動かしてるにゃ
「黒猫ちゃん、ちょっと待っててね~今霊界への扉開くから~
ここをこうして~これをここにおいて~最後に鏡に…」
ピカッと一瞬鏡が光ったにゃ
「はい、これでこの祠が霊界につながりましたぁ
行くわよ黒猫ちゃん」
「行くってどこににゃ?」
「祠の外よぉ、外はもう霊界なの♪
ほら鬼さんもそんなところで頭抱えていないで行くわよ」
「わかったわかった」
あきらめた顔してついてくる鬼さん
「さぁ黒猫ちゃんの初霊界よ!」
トキさんはまた扉をバンッと開けるのにゃ
僕の目に映る霊界は一言で言ってしまえばきれいな場所だったにゃ
全体的に夜なのかな?と感じる、けどなにかうすぼんやりと光が周りにたくさんあるのにゃ
空の星とも違う、蛍のような虫のような明るさでもない
触ると消えてしまいそうなはかない光がそこら中に漂っているのにゃ
そして何かあったかい、主のそばにいるみたいに心が休まる感じと
大好きな人と引き離されたときの何か寂しいという感情がこみあげてくるような感じ
周りが何か語りかけてくるような感じなのに心の中はすごくすっきりして落ち着く
そしてキーンと張り詰めたような空気なのにどこか懐かしいそんな空間
僕ここで眠っていたいにゃ…
「黒猫ちゃん意志を強く持って!
ここは『すべてがある場所、でもすべてがない場所』なの
意志をしっかりもっていないと浄化されて成仏しちゃうわよ
黒猫ちゃんは主さんの守護霊になるんでしょ?そのことを強く思っていなさい」
「わかったにゃ、強い意志にゃ
忘れないのにゃ」
「ふんっ、わしはここが嫌いだ!
何もかも奪われていく感じが好きになれん」
「鬼さんはここへ来ると必ず言うわねぇ
そんなにここが嫌い?」
「あぁ、嫌いだ
もうわしのことはいい、さっさと荷物を取りに行くぞ」
「わかったわ
私たちが目指すは奥の地獄の門
黒猫ちゃん、鬼さん、行くわよ!」
言うとトキさんはビシッと指を指し示すのにゃ
「いくにゃ!」
僕も真似するのにゃ
「あの~盛り上がってるところ悪いのですが『トキ様』例の『白い子猫』が動き出しました~
どうやら地獄の門の方に向かっているようです~」
「白いたぬき、にゃ?」
首に白と赤のよじった縄をつけてるにゃ
「この白たぬきちゃんがさっき話してた神使よ
白たぬきちゃんはね、現世でちょっと悪さしてたから私が捕まえてここの管理をさせているの」
「悪さにゃ?なにしたのにゃ?」
「黒猫ちゃん、それ私に聞いちゃうの?本人にきいてみたらどう?ちゃんと教えてくれると思うわよ」
「話すのは構いませんが~少し急いだほうがよろしいかと~
地獄の門についたら何をするのか見当もつきませんので…」
「それもそうね、じゃ鬼さん黒猫ちゃんと白たぬきちゃんを肩に乗せてあげて
私たちは走って向かいましょう
鬼さん、しゃがんで届かないわ」
鬼さんはしゃがんでくれてトキさんは僕と白たぬきさんを鬼さんの肩に乗せてくれたのにゃ
「鬼さん少し本気で走るわよ
ちゃんとついてきてね」
「あぁわかってる
早く着く分にはわしも都合が良いのでな
黒猫と白たぬきよ、ちゃんと掴まってないと振り落とされるぞ」
「じゃ行くわよ~!」
言葉と同時にすごい速さで走り出すにゃ
トキさんの本気の走りを初めてみるにゃ
鬼さんも負けずに速いにゃ
「ひや~鬼さん速いですね~わたしはどんくさいので助かります~
この速さに私じゃついていけませんでした~」
「僕もこの速さにはさすがについていけないにゃ」
「ははっお前たちも修行すればこれぐらい速く走れるようになるぞ」
「そうね、白たぬきちゃんはお仕事もあるから修行の仕方を教えてあげるわ
仕事の合間にでもやってみて」
「ありがとうございます~トキ様、その時はよろしくお願いします~」
そうこうしてると光がかたまってるようなものが見えてきたにゃ
「あ~追いついたみたいですね~白い子猫ちゃんたちです~」
「追いついたわね
さてと、さっきも言ったけど黒猫ちゃん
私はミィに関しては手を出したくないの
黒猫ちゃんがどうしようもなくなったら手を出すけどその時はミィは地獄に落ちるわ
だから『ミィ』の説得をお願い」
「黒猫よ、順番が逆になったが霊に甘い神様のために頼むな」
「わかったにゃ僕が絶対説得してみせるにゃ」
「ミィちゃん待つにゃ」
「あたしを止めるのは誰?あたしの名を知ってるってことは…
やっぱりあんたか黒猫!」
なんかミィちゃん様子が違うにゃ前にあったときはもう少し落ち着いて行動できる子猫ちゃんだと感じたけど…
「どうしたにゃミィちゃんなんでここに居るのにゃ?
ここは成仏したい人のくる場所にゃ?
「あたしは成仏…なんかしたくない…化け猫になるんだ!
化け猫になって…飼い主様と一緒に生きていくんだ!
黒猫…あんたこそ…何でここに居る?!あんたも化け猫にでもなるつもり?!
でも私が化け猫に…なるんだから…あんたはどんなになりたくてもなれないわ!
地獄に行けば…すぐに化け猫に…なれるんだから!」
「ミィちゃんトキさんに言われたにゃ『化け猫はあきらめなさい』ってなんであきらめないにゃ
輪廻の環から外れたらもう生まれ変わることもできないんだよ…」
「あんただって…生まれ変わらないで守護霊の道を歩んでるじゃない!あんたに言われる筋合いはないわ!
私は化け猫になって…人に飼われるんだトキ様があたしを飼ってくれればこんな苦労もしなかったのよ!」
やっぱりおかしい…ミィちゃんはこんな感情的になる猫じゃなかったにゃ
「あんたがトキ様の近くにいなければ…そうだ今からでも…いなくしちゃえば…
みんな…この黒猫をいなくしちゃって!」
なんか僕の周りに何かうすぼんやりした光がまとわりついてきたにゃ
でも痛くもかゆくもないむしろ心地よい……?
…なんか声がする…
「どういうこと…浮遊霊を…けしかけたのに…何で黒猫は何ともないの!」
…なんか声が大きくなってきてる…
『ミィを救ってあげて…何かにとりつかれてる…悪霊…時間もな…』
「誰にゃ?僕に話しかけてくるのは…あ、ハム君?」
『はやく…急いで…』
「ミィちゃんハム君はどうしたにゃ?いつも一緒にいたハム君はどうしていないにゃ?」
「あの子は…あたしを残して…成仏すると言っていなくなった…みんなあんたのせい!
あんたが…あたしからみんな奪った…
ここに居た浮遊霊のみんなもあんたが奪った…
あたしはだだ誰かと一緒にいたかっただけなのに!」
なんか黒いオーラがミィちゃんに…あの時の悪霊みたいな…
「鬼さん、来て!ミィちゃんの様子がおかしいにゃ!」
ミィちゃんはしっぽがふたつに分かれ始めてるにゃ
鬼さんはミィちゃんの様子を見て
「むぅこれは…化け猫になりかけているのか?しかしなぜ…」
「ハム君が悪霊とか言ってるにゃ僕の周りにいる浮遊霊の中にハム君がいるみたいなのにゃ」
「悪霊だと?この霊界に…」
鬼さんはミィちゃんをじっと見ている…
「これは…魂に絡みつくように黒い靄が見える…
異質だがこれか?」
ミィちゃんのしっぽが完全にふたつに分かれると見る見るうちに体が膨れ上がり鬼さんほどの大きさに……
『ブンッ』
と爪と尻尾をやたらめったら振り回して僕たちを攻撃してきたにゃ
「黒猫!お前さえいなければ!おまえさえ…」
ミィちゃん泣いてる…
「黒猫よ、お前はミィを救いたいんだよな?ならば少し攻撃をたえていろ
もうミィは化け猫だ、化け猫は輪廻の環には戻れん
閻魔大王に相談してくる間だけでいい、耐えていてくれ
幸い通信機をトキが持っているからすぐに対応できそうだ」
「ミィちゃんの攻撃をよけているだけなら余裕にゃ
時間かかっても耐えられると思うにゃ
でもミィちゃんのためになるべく早く聞いてきてにゃ
ハム君も急いでと言ってるにゃ」
「わかった、急いで連絡を取って来る待っててくれ…」
ミィちゃん僕が必ず救ってあげるからね…
おっさん不思議体験記06話 人外パートその1 終 その2に続く




