第三十五話 神代の門と新たな旅路
北方魔族帝国崩壊から三日後。
異世界は、静かな再生の時を迎えていた。
イージス艦「みらい」は、南方王国連合艦隊と共に王都沖に停泊していた。
◆神代遺跡調査任務
艦橋モニターには、連合艦隊旗艦「ヴァルハラ」の司令室が映し出されている。
銀髪の青年司令官カイゼル・アークライトが真剣な瞳で語った。
『異界の勇者殿、巫女殿。
先日の衛星魔力探査により、大陸東方外縁に巨大な“神代遺跡群”が確認されました』
「神代遺跡……?」
『はい。
そこは、この世界が神話時代に築き上げた超文明の痕跡であり、
北方魔族帝国の禁忌技術の根源とも考えられています。
調査には危険が伴いますが……ぜひ貴殿らに随行していただきたい』
◆AIユイ、完全復活】
その時、艦橋モニター右下に淡い光が灯った。
『……艦長……レイリアさん……』
二人が振り返ると、統合管制AIユイの映像が、以前よりも柔らかく輝いていた。
瞳は深い蒼と淡い金を湛え、微笑んでいる。
「……ユイ……復活したのか?」
『はい。システム再構築率、100%を達成しました。
さらに、神代遺跡群から回収された未知の演算素子を組み込んだことで……
演算能力を従来比3200%へ増幅可能です』
レイリアは涙を浮かべて笑った。
「……ユイさん……おかえりなさい……!」
◆新戦力解禁】
『艦長、さらにご報告があります。
神代演算素子解析の副産物として、艦全体に搭載可能な“神代術式融合モジュール”が開発可能となりました』
「神代術式融合……?」
『はい。
これにより、従来の物理兵装に“神代術式”を付与し、
現代兵器と魔術の完全融合運用が可能となります』
遼は短く息を吐き、拳を握った。
「……これで、もっと多くを護れる……!」
◆神代遺跡群への旅立ち
カイゼルがモニター越しに頷いた。
『勇者殿、巫女殿。
我らと共に、神代遺跡群の謎を解き明かし、この世界を真の平和へ導いてください』
「……わかった。
必ず、この世界に“未来”を取り戻す」
◆レイリアの誓い
艦橋後方で、レイリアが胸元のペンダントを握り締め、涙を拭った。
「……私……遼さんと一緒なら……どんな場所でも……進んでいけます……。
これからも……私を隣に置いてください……!」
遼は静かに微笑み、彼女の手を握った。
「……ああ。
お前と……ユイと……この艦と共に。
どこまでも進もう」
◆AIユイの微笑み
ユイは柔らかく笑った。
『……艦長、レイリアさん……
私も……お二人と共に……この世界の未来を見届けたいです』
◆神代の門、開かれる
モニターには、大陸東方外縁に広がる神代遺跡群の俯瞰映像が映し出されていた。
無数の巨大石柱と、黄金に輝く門のような構造体。
そこから微かに、蒼白い光と黒紫の瘴気が交じり合う。
◆未来への旅立ち
遼は鋭く息を吐き、艦橋全体へ声を響かせた。
「これより、“神代遺跡群調査作戦”を開始する!!
全乗員、出撃準備!!」
『了解しました、艦長』
「……はいっ!」




