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私の____な日常  作者: 百合烏賊
18/20

第18話 これは物語でしかなかった。

血が、私の上に。

生ぬるい、赤い、黒い。

「い、いや!!」

ボロボロの服で、血を拭う。

「ねぇ、僕は君の殺し方を知ってるんだ。縄を使うんでしょ?

あの時みたいに。」

「あの時?」

素っ頓狂な声を出す。

「あの時みたいに、僕を殺せよ!」

目の前にいる人物は、血だらけの手で私に掴みかかる。

やめて、そんな汚い手で私に触れないで。

言いたいのに口から声が出ない。

「あ”っ、あがっ…!」

どうやら、首を絞められているようだった。

息ができない。

私は何度こいつに首を絞められるのだろうか。

こいつは私のことをわかっていないし、そしてこの世界も。

なんでだろうか。

私は、本当になんで生きているんだろうか。

この狭くて、広い画面の中には、何が詰まってるんだろうか。

意識が薄れていく気がする。

気がするだけだった。

早く、早く、殺してくれ。

もう、悩むのは嫌なんだ。

こいつの思想を具現化するのは疲れたんだ。

殺せるのなら、殺したいんだ。

「ああああぁ…僕を苦しませないでよ!!!」

それは、無理なんだよね。

だって、私は君の…。

そいつが、手を離した隙に微笑みながら、呟く。

「脳みそであり、心臓なんだもの。」

「えっ?」

目の下にはクマがあり、やせ細った身体、病原体に抗えない体内。

不健康な食生活。

「作家様の身体って、本当にすごいね。」

それは、彼にしかないものかもしれないが。

「ねぇ、早く、終わりの幕を下ろしてよ。」

「これは…これは…。あぁ?ああああぁ。」

自身の髪の毛を掴み、明らかに動揺していた。

「君の脳内物語に私たちを巻き込まないでよ…。」

不安定な感情に戸惑いながら、私は”彼ら”に告げる。

「さぁ、不安定な彼に災難を。それはきっともう既に解決されたものだから。」

ねぇ、早く、起きてあげて。

君を待ってる人がいるんだ。

ずっと、君が待ち望んでいた人が。

「君がずっと怨んで、好いていた母親が。」


「もう、嫌だ…。俺は間違ってないはずなんだ…!」

そう思ったのは、失敗続きだったあの日。

お気に入りのカップを落として、散りばめられた不安を覗き見た時の感覚。

ふと、一番大きなかけらを拾った時だ。

「血が…。」

指先からぷくりと血が出ていた。

「血がぁ、血、ああぁぁ。」

不安定だった精神は、血を見るだけで揺らいでいた。

「ヒィ…!」

視界が揺らいで、バランス悪く手を滑らせた。

その手は、ガラス片の海へ投げ打った。

ガラス片の海は瞬く間に赤く染まった。

その時の僕は精神が不安定になっていたのだろう。

痛い痛いとのたまい、口からは唾液をこぼした。

本当に僕はおかしかった。

ふと楽になりたいと強く望んでしまったのだ。

「ふぅ、ふぅ…」

呼吸が荒くなった。

手に持っていた破片を強く腕に刺した。

僕の。

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