ヒーロー気取ります
「このあたりか・・・」
師匠に協力してもらって、それらしき場所を魔法でみつけてもらってからしばらく歩いて俺は地図をみながら足を止めた。
そこは不自然なほどに草や枝が敷き詰められており、少しどかすと何やら地下へと入り口らしきものが見えた。
「さて・・・行くか」
よもや5才にしてこんな面倒事の解決に乗り出さないとならないなんて思いもよらなかったが・・・まあ、自分から助けると言った以上は助けよう。
そう思って俺は地下への階段を下りていった。
そこは石造りのじとじとした場所で、いくつかの牢屋には獣人や人間・・・あらゆる種族が混じっており、皆ボロボロに痛め付けられていた。
俺はとりあえず手近な牢屋に近づき、鉄格子に触れてみるが・・・さすがにこれを素手で壊すのは無理だわな。剣で切るのも・・・今の手持ちのナイフじゃ心許ない。
「・・・だれ?」
そんなことを考えているとその牢屋に閉じ込められていた子供がこちらに気づいてそう聞いてくる・・・ふむ・・・
「ある少女から助けを求められてね・・・君たちを解放しにきたんだよ」
「まさか・・・アリスのこと?そうなの!?」
驚いたようにその牢屋にいた子供が食いついてきた。
てことはまさか・・・
「君がアリスの言ってた子か・・・少し後ろに下がってくれる?オリを壊すから」
「壊すって一体・・・」
俺はその子が聞く前に無詠唱で火の魔法である《フレイムボール》を小さくいくつか作り、熱で鉄格子少し溶かしてから一気に叩きおった。バキッ!という音とともに鉄格子は簡単に取れた。
「う、嘘・・・」
それを見て牢屋にいた子供は驚きの声を上げていたが・・・それに構わず俺はその子に手を差し出した。
「立てるかい?」
「う、うん・・・」
そうして俺の手を握って近くで顔が見えるまで近づいてーーー
「「え!?」」
お互いに驚愕の声をあげた。
俺が驚いた理由はその子がアリスと同じように獣人だったのと・・・その容姿に驚いての声だ。
短めの紅色の髪と勝ち気な目が印象的な美少女・・・アリスが清楚な可愛いさだとしたらこちらは高貴な印象な美少女だったからだ。
そして相手は・・・
「子供・・・?しかも男の子なの?」
どうやら俺が予想より幼いのと・・・男なのに魔法を使ったという事実に驚いていたようだった。
まあ、それは置いといて・・・
「とりあえず話は後で・・・俺は他の牢屋を壊してくるから君も手伝ってくれるかい?」
「う、うん・・・でもなにすればいいの?」
「俺が逃がした人達を外に誘導して。あと、何かあれば呼びにきてくれる?」
俺のそのお願いにこくりと頷いて動き出すその子・・・あ、そういえば・・・
「名前聞いてもいい?」
「・・・リリアよ。あなたは?」
「レオン・ラズベリー・・・その前に少し治療しないとね」
傷が痛いのか体を引きずる彼女に俺は近づいて治癒の魔法を使う・・・
「・・・・男の子なのに魔法使えるのね」
「俺も不自然なんだけどね。と・・・これでどう?」
そう聞けば先ほど押さえた腕を回したり足を触ったりして大丈夫といわんばかりの笑みを浮かべた。
ふむ・・・
「じゃあ、俺は他の人を同じように助けていくから・・・こっちは頼んだよリリア」
「ええ・・・レオンも気をつけて」
そう言って俺はリリア以外の牢屋に閉じ込められている人を助けるために動き出した。




