転回
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目的地に向かう道すがら、また途中に色々と敵が湧いてくるがお姉さん達の無双のお蔭で危ういとこも無く順調に進んでいく。
俺の主な役割は、サキとジュピターが獲物を取り合って喧嘩しないようにする事だ。
目的の開口部に到着する。
巡洋艦やら戦車やらの出口である開口部は、俺達が近づく前に蓋が閉まり侵入を拒んでいる。
蓋は黒い樹脂のような物質で出来ている円盤状のもので、直径が50mほどだ。
侵入用の通路を確保しないと。
エリに破壊を命令する。
彼女が攻撃を繰り出すと、100本余りの光の矢が蓋の下部に集中して命中する。
どん、とくぐもった音が響くと4人が十分に通れそうな穴が、表面にぽっかりと開く。
上空に待機しているジュピター本体に穴を通して中の調査をさせる。
格納している筈の戦車やロボットの姿はなく、さっき俺達が全て破壊してしまったようだ。
慎重に覗き込む。
傾斜をつけられた直径50mほどのトンネルが地下の奥の方に続いている。
長すぎて先の方は暗く、奥のほうがどうなっているかは良く見えない。
恐らく作業用のロボットの為だろう、人間も歩けそうな通路がトンネルと平行して地下に伸びている。
サキの無効化フィールドの作動を再確認し、全員で穴から中に侵入する。
周りが暗闇に包まれると、耐環境スーツ付属の暗視機能が作動を開始する。
『静かね』サキが呟く。
敵は我々を監視している筈だ。彼らの持つ兵器類に効果が無いのは思い知っただろう。
次はどうでる?
全員で通路の方に向かう。
通路を使って地下の奥の方に降るのだ。
『あれ? これ何でしょう。ドアでしょうか?』
ジュピターが通路脇の壁を指す。
ドア位の大きさの銀色の板が埋まっているのだ。
「ジュピター中を…」
ジュピターに調査を命じようとすると、言葉を終える前に銀色のドアのようなものがさっと横に開く。
『危ない!』
サキが開いたドア側に飛び出し、俺をかばう。
また、新たな攻撃か?
……何も起きない。
恐る恐るサキの肩越しに中を伺うと、色々な装置類が置かれた何らかのメインテナンス室のようだ。機器の調整でもするのだろうか?
危険は無いようなのでドアの中の部屋に入ってみる。
中を見回すと俺は既視感を感じる。何でどこかで見たような気がするんだ?
『私の戦艦本体の部屋と似ていますね』
ジュピターが呟く。
そうだ。俺は既視感の理由を知る。
戦艦ジュピターの中の歩道(皆で散歩する時に使った奴だ)の周辺に設けられた部屋と見た目が似ているのだ。
ふと見ると、エリが身じろぎもせずに装置の1つを凝視している。
どうしたんだ? 突然固まって?
「エリ!」
声をかけると、エリが驚いたように振り返る。
『司令官。ここは危険です。緊急転移で戻りましょう!早く!』
『“コミュニケーター”君!そんなに焦って戻らなくても良いだろう』
背後から知らない男の声が突然聞こえる。
異常事態に反応したサキが瞬間的に動き、手刀を男に叩き込む。
男の姿が消え、サキの手刀は空を切る。
男がまた現れる。
『物騒な真似は止めたまえ。“プロテクター”君。君にはこれが見えないのか?』
男は小さな白旗をパタパタと振ってみせる。
ええと、降伏って事? そうなんだろうなあ。でも。
日本語には確かに“白旗をあげる”って表現があるけど、実際に白旗を振る必要は無いんですが。
『そうなのかね? いやそれは勉強不足で失礼した。 君が“司令官”か?』
「ええ」
『頑張っては見たのだが、やはり敵いそうもない。
当方は貴艦隊に対し降伏を申し入れたい。条件は我が中枢の生存の保証だ。
武装解除には同意する』
俺は男を改めて見る。
身長は180cm以上あり、年齢は30手前だろうか。
一言で言うと、典型的な美男子だ。もうそれだけで俺に喧嘩売ってるよね?
『司令官。この男の言うことを聞く必要はありません。これは罠です。一刻も早く緊急転移で一時撤退を』
男が面白そうにエリを見ると俺に言う。
『司令官。君は強制的に徴兵された現地人だね?』
確かにそうだが、余計な情報をこいつに与える必要は無いな。
『私の降伏を受け入れてくれるなら、君にとって有益な情報をおまけで進呈しよう。彼女らにとっては不都合だろうが、君にとって必要な情報の筈だ』
『司令官。こいつは真実を語りません。あなた方の立場はこいつらとは違うのです』
エリが必死な面持ちで俺の腕を掴む。
男は皮肉げにエリの方を見ている。
『おうおう。忠臣の振りもたいしたものだ。それともそれは、ハニートラップとか言うものかね?』
俺の直感はこいつは下衆だ と告げる。
『女性の敵は全て下衆かい?まあいい。
私の持ってる情報はこいつらの属する“本部”の正体と、その“敵”に関してだ、と言ったらどうする?』
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