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依頼

監視衛星を破壊した後、サキと一緒に駅前に向かってファーストフードで軽く昼食をとる。

それからウィンドウ・ショッピングをして、本屋やら、コーヒーショップやらを回り、恋人に見える練習?をしてからサキと別れる。


デートを楽しんだのは、おまけの役得だ。


家に戻って、アレックスとジュピターに監視警戒レベルを上げてもらう。

そろそろ地球防衛本部に寝泊まりした方が良いんだろうか。

……俺はいつまで生きられるんだろうか?


次の日は、夕方から鈴木さんとホテルでミーティングだ。

お題は“ケプラー星における防衛問題の現状と課題”というところ。


エリと新宿で落ちあい、約束のホテルへと向かう。

サキとも新宿で待ち合わせの筈だったんだが、家まで向かえに来てくれた。


ホテルの玄関をくぐり、若干高級目の雰囲気に飲まれないよう心がけながら、

サキ&エリと一緒にラウンジに向かう。


「こっちー。」

ラウンジの奥まった一角から、鈴木さんの声がする。


「お待たせしました。」


正式には初対面の筈なので、サキ&エリを鈴木さんに紹介をする。

鈴木さんは微笑みながら挨拶するが、サキは無表情で一礼。

エリは笑顔を返す。


「ここじゃなんだから、会議室を予約しておいたわ。そっちで話そう。

ホテルには客があることを伝えておいたから、このまま部屋に向かって大丈夫」


ホテルの会議室ぽんぽん借りられる位、ケプラー星の調査員って予算が潤沢じゅんたくなんだ。いいなあ。


サキが尋ねる。

「私達の事に関心がある客が、ラウンジに複数いるようだ。

昨日は、所属不明の衛星からの監視を受けた。礼はしてあるが。

そちらの差し金か?」


「!!

冗談じゃないわよ。私達じゃない。

こっちに何のメリットも無いでしょ?そちらは有名人なんだから、いろんな客が来るのは自業自得でしょうに」


エリがにこやかに話に割り込む。

「招からざるお客様達には、私から話をしておきます。

私は後で向かいますので、鈴木さん、司令官、どうぞお先に会議室へ」


エリは会議室の番号を尋ねてから、近くに座って雑誌を読んでいた若い女の方へ歩いて行く。そして何事か話し掛ける。


俺はちょっとエリの様子を見ていたかったが、鈴木さんに促され会議室に向かう。

まあエリも、重戦車と同じ攻撃力持ってるんだから大丈夫だろう?

でも、荒事あらごと苦手って言ってたよな。


エレベータを待ちながら、ちらっとエリの方を見ると、話しかけていた女が奮然ふんぜんと席を立って、ホテルの入り口の方に向かっているところだった。

追い出したようだ。


にこやかに微笑んでいるエリさんちょっと怖いです。


会議室に入り席に着くと、俺は切り出す。


「俺達を嗅ぎまわっている連中に何か心当たりがありますか? 鈴木さん達は関係ない、と俺は思っていますが」


「こんな太陽系くんだりに戦艦3隻も持ってきて駐留させれば、そりゃ周りはびっくりして情報集めようとするわよ。

具体的にどこの星系が来てるかは知らない。興味もない」


戦艦はもっと本部から送られて来そうなんだが、周りの星パニクるだろうか。

鈴木さんの回答にサキは不服そうだったが、これ以上突っついても何も出てこないだろう。

配られてきたコーヒーを飲みながらエリが会議室に来るのを待つ。


俺から口火を切る。

「では、本日の議題いきましょうか」


備え付けられたプロジェクターに星系を投影し、鈴木さんは説明を始める。


「これが、私の母星があるケプラー星系。10個の惑星があって、ハビタブルゾーンにある居住可能な惑星は2つ。今は、私達が唯一の支配種族で2つの惑星を統治してる。


過去にはもう1種族あって、惑星を分け合う形で1つずつ統治してた。500年前くらいね。

でも、覇権はけん争いの結果、勝利したのはこっち。

むこうは絶滅して、彼らの統治していた惑星も頂いたわけ。


私達の持つ現在の防衛戦力は大した事はなくて、前世代型の巡洋戦艦1隻に巡洋艦15隻が主要戦力になる。

誰かさんのお陰で潰した巡洋艦5隻は数に入れてない。

その他、軍備に関する詳細な情報は後で送っておくわ。」


補足情報を説明した後に、彼女は本題に入る。


「問題はここから。私達の母星のケプラーから50光年ほど離れたところに、サルガスという星があるの。


1万年ほど前にそこの支配種族が絶滅して、今は遺跡だらけで無人の星。

30年ほど前からその星サルガスから、無人の攻撃兵器類が何らかの理由で増殖してケプラーに攻め込んできている」


「もしかして、1万年前に私達の先祖がサルガス星にちょっかいを出していて、まだその事を覚えている機械達が報復してるのかも知れない。


我々にそんな昔の記録なんてないから本当のところは分からないけど。

戦闘機械が、単に暴走してるだけかも知れない」


「兵器類の製造された文明レベルは、3+くらいで、あなた達からすればザコでしょ。

でも、最近数が増えてきて、私達の戦力では心もとなくなっている」


「お願いしたいのは、サルガス星の戦闘機械の全滅。

なんらかの自己増殖設備が稼働している筈だから、そっちの破壊もよろしく」


なんか、してもらった事より要求されている仕事の方が大変そうじゃないか?


===

※恒星・惑星の位置関係はフィクションであり事実ではありません。


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