テンプレ。かく如く願う
基本は仄暗い感じ
徐々に覚醒していく意識の中、
聞きなれない音が耳に届きだして
驚くほど肌触りの良い感触に包まれていて
うまく動かない自分の身体を感じて
ゆっくりと目を開くと、見慣れない神々が舞う天井画があった
(異世界転生キターーー)
そこには、小さな両手を天に掲げる赤ん坊がいた。
30年生きてきて、彼は日本での日常に倦んでいた。
脱出できないフリーター生活とか、
結婚どころか、ここ数年は彼女すらできなかった
知人はそこそこいるかもしれないが、親しい友人なんて残ってない
ひたすらボロいアパートと家を往復するだけの生活。
こんな未来のない状況に悲観しながら、家族のせいとか、社会のせいにしながら、ただ生きていた。
暑い日が続く八月、何もかもに嫌気がさした彼は、とうとう全てを投げ出し、
ボロアパートに閉じこもった。
携帯には、バイト先、両親、数少ない知人、果ては公共機関?からの着信が増えるだけだったが、決してでることは無かった。
彼としては、そんな電話の音は不快なものでしかなかったが、携帯の電源を切るわけにはいかなかった。
今の彼にとっての唯一の楽しみは、毎日アップされていくネットでの小説を読むことだった。
特に好んで読むのは主人公が、異世界に転生する話。
異世界で、可能性に満ちた幼い体をもち、前世の記憶とチートな能力を使って人生をやり直してくキャラクターたちは、彼にとって憧憬の対象だった。
ただベットにころがって、携帯を充電器につないだまま、ひたすら読み続けた。
叶わないとわかってはいたが、惹きこまれ、傾倒するだけだった。
いつのまにか時は過ぎ、
衰弱なのか、飢餓なのか、もしかしたら熱中症かもしれない
彼は死んだ。
ボロアパートで朽ちているはずの彼が、次に目を覚ました時、真っ白な空間に浮かぶ大きな門の前に立っていた。
門には、でかでかと「転生の門」と書かれてあった。
恐る恐る門をくぐると、そこには、やけに綺麗な顔をした天使が安っぽい鐘をもって彼を迎えていた。
「おめでとうございます
転生の門、来場者数。999、とんで、とんで、99番目の方~
数百年ぶりの9ゾロ目を祝いまして、お望みの転生を叶えさせていただきまーす」
※宗教的な記述がたまにでてきますが、そこはフィクションということで考慮いただければと思います。




