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魔導忍者忍法帖  作者: ゴブリン坊主
20/119

魔導忍者は後片付けをする

ゴブリンの集落を壊滅した雷蔵


囚われていた者たちも回復し、元気を取り戻す


そして、依頼していた、救助隊も到着


そして雷蔵には、お片付けが待っていた!


いろんな意味で!

★冒険者生活4日目(午前)★


到着した救助隊は、16名 顔なじみの門番と、ベテラン冒険者のパーティーが3つ


急遽編成したため、少数精鋭の構成となっていた


とはいえ、元ゴブリンの集落が本当に危険が無くなったかの安全確認と、要救護者を安全に町まで護送するには十分な戦力と言えた


門番は町の警備隊長だったらしい!(゜д゜)!


他の町なら、執務室でふんぞり返っている輩が多い中、自ら、門番をやっているあたりが彼らしい




「まじで、首トン独りで、壊滅させちまったのかよ!?」


「さすが俺たちを一瞬で、のしちまうわけだ!」


「「そうっすね兄貴!」」


パーティーの中に『ヴィルクスとゆかいな仲間たち』がいた(笑)




救助隊のメンバーが集落内を調査していく


「普通これだけの規模の集落を掃討したら、かなりエグいことになっているはずなんだが」


「ゴブリンの死体どころか、血の一滴もこぼれてない」


「おい、首トン! ゴブリンの死体はどうしたんだ?」


「処分した」(正確には26代目が!)


「どうやって?」


「企業秘密ってやつだ」


「まぁ、冒険者から、そう情報を聴くってのは野暮ってもんだな」




建物の中から、囚われていた者たちの装備や荷物が見つかった


本来ならば、集落を壊滅させた雷蔵のものになり、持ち主は雷蔵から相応の金額で買い戻さなければならないが、今の彼らにはそんな金銭的余裕は皆無だろう


「買戻し?手続きやらが面倒だ」


「そのまま、あいつらに返してやってくれ」


の一言で、そのまま返却となった


「本当にいいのか? 全くお人好しもいいところだ」


門番改め、警備隊長がからかうように言ってくる


「あいつらに借りを作っただけだ、先行投資ってやつだな」


「まぁ、そう言うことにしておこう」




装備品を買い戻せなければ冒険者として金を稼げない


明日の食事にさえ困っていたことだろう


それどころか、下手をすると借金奴隷になっていたかもしれない


「本当に何から何まですまない」


「前にも言っただろう」


「困ったときは、お互いさまってやつだな」


「俺たちも見習わないとな」


全員が雷蔵に心から感謝していた




レスラトガの冒険者たちは元々、気のいい連中が多い


今回の事件で、更にお互いを助け合うと言う気持ちが広がっていく事になる


この10人を手始めとして




安全が確認されると、柵や建物を撤去することになった


放っておいて、またゴブリンなどが住み着くと厄介だからだ


「俺に考えがある、みんなちょっと離れててくれ」


全員が、集落から離れた場所まで移動すると


『魔導忍術:水龍の巣』


雷蔵の周りに半球状の水の結界が出来る


結界から、無数の水で形作られた龍たちが飛び出していき、建物や柵をどんどん破壊していく


雷蔵は、早く街に帰りたかったのだ、食費と言う名の報酬をもらうためにっ!!!




「おいおい!何だあれ、あんな魔法見たことないぞ」


「これ見たら、集落独りで壊滅させたって言われても信じられるな」


「だな・・・」


ものの数分で解体作業が終わてしまった


魔導忍法解体作業にも重宝することが判明!(;'∀')


雷蔵たちは、今は跡形もない元ゴブリンの集落を後にするのだった




広大な魔境の森の外周部に近い場所とは言え油断はできない


一行は、警戒しながら森の中を進んでいったが、魔物と出くわすことはなかった


正確に言えば、魔物たちの気配はするが、近寄ってこなかったのだ


まるで何かに怯えているかのように




町に到着すると、要救護者たちは治療院で数日様子を見ることになった


トニエッタの亡骸は町にある墓地に埋葬される


雷蔵はと言うと、冒険者ギルドから呼び出しを受けていた


冒険者ギルドに入ると、イェニーナから声がかかった


「ライゾーさん!偵察依頼で出かけられてから帰ってこられないので、心配していたんですよ!」


珍しく、不機嫌な様子のイェニーナ


「心配してくれてたんだな、ありがとう」


心配してくれる人がいる


それも飛び切り美人な


雷蔵から、無意識に笑顔がこぼれる


「いえ、ご、ご無事だと分かったので良かったですぅ!」


何時もの温かい笑顔、いつ見ても癒されます


ん?少しばかり頬が赤いような・・・


「帰ってこられて、お疲れのところ申し訳ないですが、ギルドマスターがお呼びです」


「そうか分かった」


『ん?何かを忘れているような気がするな』


そう考えていると、背後から2つの殺気を感じた気がして振り返る


「坊や、あたいを放っておいて面白ことやってたそうじゃないかぁ?」


「ライゾー、我を置いていくとは薄情ですではないかっ!」


鉄壁ことイデアと白い野獣こと白玲だった


「ああ、お前ら勝負してたんだったな、忘れていた」


「俺は、ギルドマスターに呼ばれているらしいからちょっと言ってくる」


「「後で話を聞かせてもら(うからね!)いますぞ!」」


「多分、報酬が結構出るから、昼飯は上手い者でも食いに行こう」


その一言で二人の機嫌はすっかり良くなった


食いしん坊キャラちょろすぎ!(゜Д゜;)



イェニーナに案内され、二階の執務室の前までやってきた


「ギルドマスター ライゾーさんをお連れしました」


「おう!入ってもらってくれ!」


中から野太い声が聞こえてきた


執務室に入るとそこには、盗賊(海賊)の親分がいた!(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル




「よく来たなぁ! 俺が冒険者ギルド レスラトガ支部のギルドマスター ライマールだ」


右目に眼帯、銀色の髪は短く刈り上げられている、怒髪天を衝くが如く逆立っている


怒ってないのに・・・


2m近く見える長身にガチムチ筋肉、とても事務職やっているようには見えない


「いやぁ、登録してから2,3日しかたってないってのに、色々とやらかしてるそうじゃねぇか?」


「ヴィルクスたちを一瞬で無力化するわ、Aランク冒険者を勝負で倒すは、挙句の果てには、一人でゴブリンの集落を潰したって言うじゃねぇか!」


「と、言うわけで、おめぇ何もんだ?」




その一言を発した後、ライマールから猛烈な威圧感が放たれる


登録したての冒険者であれば、ちょっと粗相をしてしまいそうな猛烈な威圧


しかも、雷蔵だけに向けてである


それを証拠に、後ろに控えているイェニーナには影響が出ていない


雷蔵にも影響は出ていないが


「冒険者ってのはそういうものじゃないのか?」


すました顔でそう言う雷蔵


「やっぱり只者じゃあねぇなぁ おめぇ! がはは」


うそのように威圧が消える


どうやら試されたらしい




「確かに冒険者ってのは、命がけの商売だ」


「だが、おめぇさんは、ちょっとばかりスケールが違う」


「それで、ちょっとどんな奴か面を拝んでおこうと思ったまでよ」


「まぁ、この町に害をなさない限りはどうこうするきはねぇよ」


そう言いながらライマールはにんまりと笑う、どう見ても盗賊が「有り金よこせよ!おらぁ!」って言うときの顔にしか見えないが(冷汗)




「害をなす気はないな、相手がこちらに手を出してこない限りはな」


「この町の連中は気のいい奴が多い」


「イェニーナもいるしな」


イェニーナが顔を真っ赤にして、そわそわしているように見えるが気のせいか




「がはは そう言われて悪い気はしねぇな イェニーナも満更じゃねぇみたいだしよぉ」


「ちょ! 何をおっしゃってるんですか!? ギルドマスター!」


動揺が半端ない、うん満更でもないんですね、分かりました ('◇')ゞ




「ところで、今回の報酬の事なんだがよぉ」


「討伐数と集落掃討は特別報酬がでるから、イェニーナに清算してもらってくれ」


「後、お前さん今日からCランクな!」


ええぇ!Gランクから、いきなりCランク!


まさかの4階級特進!?(゜д゜)!




「いきなりGランクからCランクとかいいのか?規則とか」


「逆によぉ、お前さんみたいなのが、Gランクの方がおかしいじゃねぇか!」


「いきなりAランクでも良いと思ったんだけどよ? 止められた! がはは」


「当たり前です!4ランク上げるのも特例としてもギリギリと言ったところなんですから!」


「まぁ、そういうわけだ、これからも頑張ってくれ!」


「そういう事なら、了解した」


と言う訳で、冒険者登録から4日目でCランクに到達と言う、最速レコードをたたき出した雷蔵なのでした



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